礼拝メッセ−ジ
2013年8月11日

ヨハネの第一の手紙　5章1〜5節

　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　＜ 世に勝つ ＞

「世に勝つ者はだれか。イエスを神の子と信じる者ではないか。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨハネの第一の手紙　5章5節）


１．先週６日そして９日は、今から６８年前に広島、そして長崎に原爆が落とされた日です。そして今週１５日は終戦記念日です。広島の記念碑には「安らかに眠って下さい　過ちは繰り返しませぬから」と刻まれてありました。本当にそうであって欲しいと願いますが、現実には、非常に危うい方向に進んでいる気がします。

　　一言では言えませんけれども、どうも何か、人と人、また国と国とを憎み合うようにさせようとする働きが、この世の中の背後にあるように思えてなりません。

　　勿論、色んな問題があります。日本と韓国との関係、また中国との関係･･･。日本と中国の世論調査では、互いに９割以上が相手の国に対して悪い印象を持っているとの結果が出たそうです。９割以上という数値が本当に信用できるのかどうかはあやしいですが。

　　また、北朝鮮の問題もあるし、日本はいつでも戦争できるように軍隊と法律を準備しておかねばならない、という方向に国民意識を誘導されているようにも感じます。

　　ではその背後に何があるんだろうか？　勿論、国の上に立つ人たちの思惑もあるかも知れません。けれども更にその背後には、悪魔の存在がある事を見極めねばなりません。
“私たちは神から出た者であり、全世界は悪しき者の配下にあることを、知っている。”５：１９

　　確かに、この世というものは昔から悪魔の支配化、影響下にあります！　エデンの園のあの最初の時から、人間の世界に罪をもたらしたのは悪魔です。

　　だからこそ、悪魔の策略をよく見極めなければならない。悪魔が「憎め、憎め」と心にささやいてくる、その作戦にまんまと乗らないようにしなければなりません！


２．民衆というものは、幾らでも誘導される訳です。煽られやすい、流されやすい、騙されやすい、そして教育されやすい。テレビや色んな所から流れてくるもの、見せられるものも、よく注意しなければならない。私たちの心を悪い方に、憎しみの方に誘導しようとしてはいないか。

　　父なる神様は、私たちが愛し合う事を願っている訳ですが、悪魔は人間同士が憎み合う事を願っている訳です。だとするならば、私たちに誰かを憎ませようとするのは、根本的に誰の声でしょうか？　それは悪魔の声です。ゆるしなさい、愛し合いなさい、という声は、神様の声、イエス様の声です。いかがでしょうか、皆さんも気をつけて下さい。誰かを憎ませよう、憎ませようとする声を心に感じるなら、それは悪魔の誘惑の声です。神様はカインに言われました、
“罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません。”（創世記４：７）


３．NHK大河ドラマの「八重の桜」で、戊辰戦争で新政府軍に会津藩がやられてしまったのですけども、ある会津の母親が息子にヤリの使い方を教えながら言い聞かせます、「父上を殺した奴らを憎みなさい。いつか仇を討ち、復讐しなさい」というふうに。まさに憎しみの教育、恨みの教育をしている訳です。けれども、後の場面で主人公の八重がこう言います、「恨みを支えにしていては後ろを向くばかりで、前には進めねー」と。

　　八重も人一倍、敵を憎んでいましたが、ずっと心に憎しみを抱いて生きる空しさを感じ、やがて聖書のイエス様の教えに出会ったのではないかと思います。


４．４：２１、この手紙は繰り返し言います、“神を愛する者は、兄弟をも愛すべきである。この戒めを、私たちは神から授かっている。”

　　まあ本当に今の時代（勿論、昔からですが）、神様の声と悪魔の声、その両方からの語りかけが、全人類に対して語られている、そんな気がします！　本当に二つのメッセージが語られています。「進化論と創造論」の勉強を最近少ししたのですが、一方においては「神なんていない」という声があり、「正に神こそ創造主である」という声がある。また「戦争しろ」という声がある一方で、「戦争してはいけない」という世の中の声もまた大きくなっている。悪魔が「憎み合え」と語る一方で、神様が「愛し合え」「赦しあえ」と語っておられる！　まるで、どちらかを選べ、決断しろと言っているようです。

　　ヨハネの黙示録２２：１０〜を読むと、世の終わりが近づくと、いよいよ人類は二つに分かれる、白黒ハッキリしてくる事が記されています。
“「この書の預言の言葉を封じてはならない。時が近づいているからである。不義な者は更に不義を行い、汚れた者は更に汚れたことを行い、義なる者はさらに義を行い、聖なる者は更に聖なることを行うままにさせよ」。”


５．とにかく、そんな世にあって、私たちは悪魔の声に打ち勝つ事ができるのだろうか？　しかし、私たちは悪魔に勝てる、この世の声に勝てる、と４節以降に記されています。
“なぜなら、すべて神から生れた者は、世に勝つからである。そして、私たちの信仰こそ、世に勝たしめた勝利の力である。世に勝つ者はだれか。イエスを神の子と信じる者ではないか。”

　　私たちクリスチャンが自力で強い訳ではありません。イエス様が強い訳です！　イエス様はこう言われました、“あなたがたは、この世では悩みがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。”（ヨハネ１６：３３）

　　イエス様がこの世に勝っている！　イエス様は何も無い荒野で４０日間断食をする中で悪魔から誘惑を受けた時も、その声に打ち勝ちました。悪魔は「石をパンに変えてみろ」、「神殿の頂上から飛び降りてみろ」、「ワタシにひれ伏せば、この世での全ての繁栄をくれてやる」と言いました。食欲、物欲、名誉欲、支配欲。一言で言うなら、この世のあらゆる欲の誘惑を受けた訳です。普通の人間だったら、必ずどれかの誘惑で悪魔に負けるでしょう。人間にとって、最も単純な誘惑です。けれどもイエス様は、聖書の御言と父なる神様に対する信頼を武器にして、悪魔に勝った訳です。


６．それだけではない。イエス様はその後も、色んな悪魔の声と闘い続けたでしょう。父なる神に従うのではなく、自分の思う通りにしたらどうだ、という誘惑。十字架なんかやめとけよ、と。また、その誘惑の声の中に、人を憎む誘惑は無かったんだろうか？　「律法学者、パリサイ人を憎め」、「裏切り者の弟子を憎め」、「自分を十字架につけた連中を憎め」と。しかしイエス様は十字架の上でこう言われた、
“父よ、彼らをおゆるし下さい。彼らは何をしているのか、分からずにいるのです。”（ルカ２３：３４）

　　命を捨てる程の「全き愛」「ゆるす愛」をもって、憎しみに勝利された！　というより、憎しみの入り込むすき間など、イエス様にはまったく無かったのでしょう。

　　そしてイエス様は「恐れ」に打ち勝ち、「従わない誘惑」に打ち勝ち、「ゆだねない誘惑」に打ち勝ち、そして死と滅びに打ち勝って、復活された！　つまり、イエス様は全ての事に勝利された訳です！　この全てに勝利されたイエス様を信じる信仰によって、私たちも勝つのだ！　というのです！


７．“世に勝つ者はだれか。イエスを神の子と信じる者ではないか。”　（５：５）
皆さん、世の力、悪魔の力は確かに強い。これから、いよいよ悪魔の声が、この世の圧力が強くなるかも知れません。しかし、イエス様は既に、世と悪魔に勝っておられる！　私たちは、信仰によって、その勝利者であるイエス様側につくものなのです！　そりゃあ、イエス様から離れては何一つ出来ない、とヨハネ１５章に書いてあります。自分じゃ勝てません。だからイエス様から絶対離れず、信仰によってつながり続けるのです！　 信仰によって、世に勝つ勝利者であり続けましょう！



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