2013年1月20日礼拝

2013年1月20日

　　　　　　　　　　　　　　　　＜心の家に誰に住んでもらうか＞

「「わたしが神の指によって悪霊を追い出しているのなら、
　神の国はすでにあなたがたのところに来たのである。」」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（

１．福音書を読んでいきますと、しょっちゅう悪魔の存在も出てきます。イエス様が悪霊を人から追い出したという記事が。「神の存在を認めるだけでも、やっと信じかけてきたところなのに、悪魔もいるんですか？」と、思う人もいるかも知れませんが、しかし聖書はハッキリと悪魔の存在を記しています。

　　もし、この世に悪魔が全くいなければ、世界は全く平和だった筈です。人々は神様の恵みをいつも感謝し、喜び、そして人間同士、争う事無く、憎みあう事なく、殺しあう事もなく、家族も兄弟も友達も、国と国も、皆、仲良く愛し合って生きていた筈です。

　　それが全くそうでない人間の世界の現状を見る時に、これこそ悪魔がこの世に存在する事の何よりの証拠、最大の証拠です！　世界をこれだけおかしくしている、

　　では悪魔とは何か。前にも話したように、悪魔は元々、神の使い、いわゆる天使でした。残念ながら、どういう訳か、天使の中にも、神様に背く者たちがいる。神様に背いて悪くなった天使の事を、悪魔とか、悪霊と呼ぶ訳です。天使も悪魔も基本的には目に見えません。霊的な存在で肉体はない訳ですから。ところが、時々見える人もいます。

２．さて、ここが重要なポイントですが、今日の箇所で、人間の心が「家」に喩えられています。で、この悪霊が、どういう訳か、人間の心に住みたがるんですね！　人間の心に宿りたがる。カラスみたいなもんで、宿り木を探してる。

　　悪霊は常に人間の心の「空き家」を探している。スキを探してる。もし心の扉がカギもかかってない、セキュリティーが甘い、無用心だ、むしろ「悪」に対して、悪い事に対して扉が開いちゃってる、ウエルカム状態だ、なんていう心であったとしたら、悪霊はその人の心に宿ってしまうでしょう。

　　まあそして、その人の心がどれくらい悪霊に支配されているのか、その影響を受けているのかは、人によって大分違うような気がします。じゃあ悪霊が心に宿るとどうなるのか？　単純に言えば、神様からは遠ざける。神様とは真逆の方向に向かわせる訳です。愛とか、命とか、正しさ、とは真逆の方向。自分も回りも傷つけ、苦しめ、最終的に自分も回りも滅ぼそうとする。

　　例えば一つの例は、先月１２月、アメリカの小学校で２０歳の男性が銃を乱射して２０人の子どもと６人の大人を殺したという事件がありました。彼は事件の前に自分の母親を殺し、最後は自分も自殺しました。こういう事件というのは、もはや人間の理性ではありえない。勿論、精神が病んでいたでしょう。しかし何がそうさせたか、正に悪魔に支配されていた、と言えるでしょう。そして人を滅ぼすだけでなく、自分も滅ぼす訳です。

　　それでも悪魔は存在しない、と言えるでしょうか？　決しておとぎ話ではなく、現実にこの世界には悪魔もいて、人間の心に宿り、狂わせている、それを認めざるを得ません。

３．今日の箇所でも、悪霊に取りつかれた人が最初に出てきますが、しかしイエス様はその人から悪霊を追い出して下さった、という事が書いてあります。１４節、
“イエスが悪霊を追い出しておられた。それは、物を言えなくする霊であった。悪霊が出て行くと、口のきけない人が物を言うようになったので、群衆は不思議に思った。”

　　この人は幸いでした。きっとこの人自身ずっと苦しんでいたでしょうが、なんとイエス様によって、心から（体から？）悪霊を追い出してもらった。

　　けれどもそれを見ていた群衆が驚いて、ざわざわっとなった。「あの人はなんであんな事が出来るんだ？　もしかしてあの人自身が、悪霊の親玉なんじゃないのか？」と。１５節。

　　するとイエス様は「悪魔が悪霊を追い出すのでは内輪もめではないか。悪魔の内部分裂ではないか。そうではない」という事をおっしゃった。　そうではなく、“「わたしが　神の指によって　悪霊を追い出しているのなら、神の国　はすでに　あなたがたのところに　来たのである。」”

　　どういう事か。つまり、神の御子イエス様は、神の力によって、悪霊を追い出しているのだ！　という事は、あなたがたに　救いが近づいた！　イエス様の力によって、あなたがたが悪魔の影響から救われる！　心が、悪魔に支配されてしまうのではなく、神に支配していただく、その神の国が　あなたがたのところに来たのだ！　という事です。

４．先ほど、人間の心というのは「家」のようなものだと言いましたが、勿論、その家には自分が住んでるんですけども、最近、繰り返し言うように、心の家の主人が必要な訳です！　言わば、二人暮らしの家。主人と私。夫と私みたいな。

　　その心の家に、誰を主人として迎えるのか、という事です！　これは究極の二択です！悪魔が心の中に支配者として入って来ちゃうのか？　神の御子イエス様に心に宿っていただいて、自分を治めていただくのか？　二択です。

　　皆さんは、「いや勿論、私は悪魔を心に入れるつもりはありません。」と言うかも知れませんが、一人暮らしの心には、悪魔は勝手に入ってきちゃう危険が非常に高い訳です。

　　去年、もう一つ印象に残ってる怖い事件がありましたね。兵庫県尼崎で起きた事件。角田（すみだ）美代子という恐ろしいオバサンが、いつの間にか人の家に、家庭に入り込み、住み着いて、恐怖で家族を支配し、奴隷の様に扱われ、殴り合いさせたり、何人かは殺されてしまった。逮捕された当人も牢屋で自殺しました。これも悪魔的な事件でした。

　　でもそれと同じように、悪魔っていうのは、人の心の家にいつの間にか侵入し、その人の心と人生を支配してしまうのです！

５．じゃあ、どうすればいいのか？　２１～２２節をお読み下さい。「強い人」というのは悪魔の事です。確かに悪魔は強い。私たちでは勝てない。悪魔は「こいつの心はオレのもんだ。居心地がいいぜ。絶対、出て行かねえ」と言ってる。

　　けれども、「もっと強い者」が来れば･･･これがイエス様の事です！　悪魔より、もっと強いお方！　“しかし、もっと強い者（イエス様）がきて　彼（悪魔）に打ち勝てば、その頼みにしていた武具を奪って、その分捕り品を分けるのである。”

　　つまり、心が悪霊に支配されていた人でも、あるいは悪魔に悩まされていた人でも、もっと強いイエス様に、心の家に入ってもらえば、悪霊を追い出してもらえる訳です！そしてずっとイエス様に心の家にいてもらえば、悪魔は心に入る事ができないのです！

　　ここが非常に大事ですが、心を空き家にしない事！　イエス様に、心に、人生にずっといてもらう事！　そうすれば安心！　心の中が、神の国、神の家になる訳ですから！　けれども、イエス様にいてもらわないと、悪魔はまた戻って来るって言うんです！

６．２４～２６節。
“・・・そうすると、その人の後の状態は　初めよりももっと悪くなるのである。”
　　これはどういう事かと言うと、クリスチャンに対する警告です。つまり一度、イエス様を心の主人として受入れてクリスチャンとなった人が、もし、自分の心からイエス様を追い出し、誘惑に負けて、堕落して、再び悪魔を主人として居座らせてしまうなら（長い間、悔い改めない慢性的な、感覚の麻痺した罪）、その人の心の状態は、クリスチャンになる前よりもっと悪くなってしまうという事です！

　　また、もしか皆さんの中には、イエス様は時々、心に迎えるお客さんみたいな感じで、イエス様がいない時は、悪魔も時々お客に来る、というような人がいるかも知れません。

　　つまり、ちゃんとイエス様を、お客ではなく、主人として、王として、しっかり心に住んでもらう必要があるという事です！

７．最後に、「三つ子のたましい百まで」と言いますが、赤ちゃんや幼な子の心っていうのは、まだ言わば空き家だと思うんです。一人暮らしというか。　でも、これから大きくなっていくに従って、その真っ白な子どもの心に、子ども部屋に、空き家に、誰が住むのか？　誰に住んでもらうのか？　そこが問題です！

　　よく思うんです。どんなに恐ろしい凶悪な事件を起こした人でも、オウム真理教の様な事件を起した人でも、赤ちゃんの時は、可愛い赤ちゃんだった筈だと。可愛い幼な子だった筈です。　けれども、だんだん成長していくどこかの過程で、その心の空き家に、悪魔の影響を受け、悪魔を宿すようになってしまった、という事だと思います。

　　だから皆さん、子どもの心の家に、誰を主人として迎えさせるのか、それは重要な親の責任です！　必ず、自分の他にどちらかが住むんですから！　中立ってないんです！　最終的に二択、神か、悪魔か！
“「わたしが神の指によって悪霊を追い出しているのなら、神の国はすでにあなたがたのところに来たのである。」”

　　どうぞ、自分も、子どもも、イエス様を心の家主として迎えましょう！

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