2012年11月11日礼拝

2012年11月11日

ゼカリヤ書

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜拒絶した主を仰ぎ見る＞

「わたしはダビデの家およびエルサレムの住民に、恵みと祈りの霊とを注ぐ。
彼らはその刺した者を見る時、ひとり子のために嘆くように彼のために嘆き、
ういごのために悲しむように、彼のためにいたく悲しむ。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（

１．2012年も後50日程で終わる訳ですけども、神様の人類に対するご計画というのはどこまで来ているんだろうか、という事をいつも思うんです。お互い、与えられている日々を、限られている時間を、後悔しないように、神様の前に大切に過ごしましょう。

　　さてゼカリヤ書ももう最後の方にまいりました。聖書には殆どの箇所にイスラエル民族の事が出てくる訳ですけども、それはなぜかと言うと、イスラエル民族が良い意味でも、悪い意味でも、全人類の見本と言いますか、代表だからです。神様はイスラエル民族との関わりを世界中のすべての人類に見せる事によって、神様の存在や御心やご計画を見せようとしておられる訳ですね。

２．さて、いつも言いますように、神の御子イエス様はこの世に２回来られる訳です。１回目は今から約20００年前。神様はこの救い主イエス様を、まずイスラエル民族の元に来させました。なんせイスラエル民族は人類代表ですから。

　　ところがっ、なんとイスラエル民族の多くの人は、このイエス様を拒んだ！　救い主として受け入れなかった、信じなかった！　その事が一つ前の１１章に書かれています。

　　まず１１：７。イエス様は滅びに向かっている迷える羊の牧者、羊飼いになるために来て下さった訳です。「恵み」「結び」という２本の杖を持って。羊飼いは羊を守る杖を持っていました。イエス様は正に恵み深い方であり、また神様と人間の断絶を結び、また人と人との関係を結ぶお方です。

　　そういう真の羊飼い、救い主がまずイスラエルに与えられたのに、彼らの多くは拒んだ。８～１０節。“彼らもまた、私を忌み嫌った。”

３．そしてここに一つの驚くべき預言が書いてあるのですが、１２～１３節、“彼らはわたしの賃銀として、銀三十シケルを量った。”

　　ご存知の通り、イエス様の弟子の一人ユダがイエス様を裏切った時、イエス様を妬む祭司長たちに銀貨３０枚（約３０万円）と交換で裏切った訳です。（マタイ２６：１５他）

　　その事が五百年以上も前に書かれたゼカリヤ書に暗示的に預言されている訳です。

　　こともあろうに、彼らは父なる神様が自分達を滅びから救うために、最大の愛を込めて遣わした救い主を、自分達のくだらないメンツや立場や意地や、一時的な欲や、感情や、あるいは周りの考えに流され、よーく考える事もせず、判断もせずに、拒んだ、捨てた、十字架につけたのです！

　　これはちょっとドギツイたとえかも知れませんが、自分を産んでくれた母親を、自分の手で刺し殺したような、そういう恐ろしい恩知らずな事をしたという事です！

　　皆さん、これはイスラエル民族のだけの話ではありません。イスラエルは人類の代表、見本だと最初に言いました。私たちも、神様の愛の最大の贈りものである救い主イエス様を拒むという事は、最大の恩知らず、最大の親不孝、もっとも恐ろしい罪であるという事を知って下さい。

　　１４節を見ると、“そしてわたしは結びという第二の杖を折った。”　救い主イエス様を拒絶するという事は、神と人との結び、また人と人を結ぶものを失うという事ですから。「結び」と「恵み」という杖を折るのです。

　　イスラエル民族はイエス様を拒んだ後どうなったか。西暦７０年、ローマ帝国によって国が滅ぼされ、皆、ちりぢりバラバラに散っていったのです。正に「結び」を失った。

４．そうしてイスラエル民族は1900年近くの間、世界中にアチコチに住んで、そして酷い迫害も受けて来た訳ですけれども、神様はイスラエル民族を見捨てないで、1948年に再び国が再建された、国が復活した訳ですね！

　　そのように国が復活したのは良かったけれども、まだ大多数のユダヤ人はイエス様の事は信じていません。「嘆きの壁」という所に立って、神殿が破壊された事を嘆き、また約束の救い主がまだ来ない、と言って嘆いているのです。ですから、国の形は回復したかも知れないけれども、本当の意味で回復したとは言えない！　だって王様がいなければ本当の国とは言えない訳ですから。彼らはまだ救い主イエス様を受入れていない、彼らの王様を、世界の真の王様を受入れていない訳です！

５．けれども、12章の後半をご覧下さい。（前半にはエルサレムを中心にした世界最終戦争、いわゆる「ハルマゲドンの戦い」の事が記されています。その戦いにイスラエルは主によって最終的に勝利するのです。その後、何が起きるか。）
“わたしはダビデの家およびエルサレムの住民に、恵みと祈りの霊とを注ぐ。彼らはその刺した者を見る時、ひとり子のために嘆くように彼のために嘆き、ういごのために悲しむように、彼のためにいたく悲しむ。”

　　これは何の事を言っているかと言いますと、イエス様はこの地上に２回来られると最初に言いましたが、２回目は世の終わりの時に来られる。その時にイエス様が恐ろしい程の稲妻のような輝く姿で来られるのを、世界中の人が目撃する訳です。神の御子であると誰もが分かって、畏れひれ伏す訳です。

　　その時、ユダヤ人達も当然それを見る。その時に、多くのユダヤ人達は初めて分かる、「ああ、自分達がずっと拒んできた、信じないで、受入れないできた・・・、そして我らの先祖達はこの方を十字架につけて殺してしまった、釘で、ヤリで刺し通してしまった、そのイエスは本当に神の子だったんだ！本当に救い主だったんだ！本当に我らの王だったんだ！　自分達はなんという罪を犯してしまったんだ」と、自分達の罪が分かって、その罪を嘆くのです！　それは悔い改めの祈りが与えられるという事です！　イスラエルの国中が全家をあげて悔い改めて祈る、という事です！　１０～１４節。（参照　マタイ２４：２９～３１）

６．いかがでしょうか、皆さん、自分の罪を思って「嘆いた」事があるでしょうか？　自分の罪を軽く考えているかも知れません。今、朝の連続ドラマに出てくる主人公は、人の心の本性が見えるという話なんですけども、どんなに良い人のような顔をしていても、優しそうにニコニコしていても、その表の顔でなく、心の顔、本性が見えるという。また心の声も聞こえるという。もし私たちの心の顔が見えるとしたら、果たしてどんな顔をしているだろうか。

　　表には見えない私たちの心の罪が、イエス様を刺し殺した訳です！　あなたは家族を苦しめていませんか？　小さな子どもを悲しませ、妻を、夫を悲しませ、また年老いた親を悲しませていませんか？　周りの誰かを、友人を、あなたの身勝手な罪によって苦しめていませんか？　そして誰より、あなたを誰より愛している、あなたを造られた神様を悲しませていませんか？　私もそうでしょう。

７．尊い神の御子イエス様は、そのあなたの罪の身代わりに、十字架の上で体を刺され、心を刺され、魂を貫かれて死んで下さったのです！
“わたしはダビデの家およびエルサレムの住民に、恵みと祈りの霊とを注ぐ。彼らはその刺した者を見る時、ひとり子のために嘆くように彼のために嘆き、ういごのために悲しむように、彼のためにいたく悲しむ。”

　　世の最後の時まで、イエス様の再臨の時まで、罪を悔い改めないつもりでしょうか？　自分の命のいよいよ燃え尽きる終りの時まで、悔い改めを先延ばしにするのでしょうか？　イスラエル民族の様に、2000年近くも、何世代にも渡って苦しみの遠回りをするつもりでしょうか？　罪を悔い改め、救い主の前にひれ伏すのは、一日も早いに越した事はありません！　今日と言う日に、主の前に自分の罪を嘆き、ゆるしの十字架を仰ぎましょう！

　　　　　　　　このペ－ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る