2012年5月27日

使徒行伝　2章1～4節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 聖霊は命を与える ＞

「すると、一同は聖霊に満たされ、」
　　　　　　　　　　　　（使徒行伝　2章4節）


１．今日はペンテコステの礼拝です。ペンテコステというのは「聖霊降臨日」、この日を境に、聖霊様がイエス・キリストを信じる全ての人の上に、宿るようになったのです。

　　ところで「聖霊」の事がよく分からない、というクリスチャンも多いのですが、それはある意味「灯台もと暗し」みたいな、あまりにも自分に近すぎて、自然で身近であるからこそ返って分からない、まるで「空気」のような、あるいは「水」のような、そんな面があるかも知れません。しかし、「空気」や「水」で私たちの体が生かされているように、「空気」を呼吸しなければ死んでしまう、「水」を飲まなければ死んでしまうように、聖霊も私たちの霊にとってそういうお方であると言えるでしょう。


２．まず、聖霊様は、いつも言うように、三位一体の神様の三位格。父なる神様、御子イエス様、そして聖霊様。　だから聖霊様も神様です。（異端は違うと言ったりします。）

　　ではどういう事をなされる神様か。一言で言うと今日の題に付けた通り、＜聖霊は命を与える＞神様です！　この一言に尽きます。

　　まず聖書の一番はじめ、創世記の1章１、２節。“神の霊が水のおもてをおおっていた。”
この「神の霊」が聖霊の事ですね。　これから三位一体の神様が天地を創造するにあたって、なんか聖霊様は「命を与える気、満々」という感じがします。

　　そして２章７節、“主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹き入れられた。そこで人は生きた者となった。”
この「命の 息」という言葉、これが聖霊によって命を与えられた事を意味する訳ですね！

　　ですから、全ての人間はそもそも聖霊によって命を与えられて、生かされている訳です！
聖霊と関係ない人間は一人もいない！　＜聖霊は命を与える＞神様なんですから！


３．ところがっ、せっかく聖霊によって命が与えられたのに、「罪」が入ってきた！　という事は「死」が入ってきた、という事です！　せっかく聖霊によって命の息を吹きいれられたのに、死ぬ者になってしまった！　言うなれば、せっかくお母さんのお腹の中では命を宿したのに、生れてくる時には病気を持って生れてくる様なものです。私の弟がそうでした。生れた時から心臓の病気を持って生れてきました。唇はいつもムラサキ色。

　　じゃあどうすればいいのか！　そのために、聖霊はもう一度、新しい命を与えて下さる！これが永遠の命！救いです！　今度はヨハネによる福音書３章をお開き下さい。３～８節。
“イエスは答えて言われた、「よくよくあなたに言っておく。誰でも新しく生れなければ、神の国を見ることは出来ない。”
“「よくよくあなたに言っておく。誰でも、水と霊とから生れなければ、神の国に入る事は出来ない。”　“…霊から生れる者は霊である。”

　　そのままでは誰でも罪によって死んでしまうので、もう一度、新しく生まれ変わる必要がある！　新しい命をもらう必要がある！　それを聖霊が与えて下さるのです！！　ありがたいですよね！

　　でも、ここが一つポイント！　聖霊は新しい命を与える係り。　命を吹き込む係り。　命はイエス様の命です！　イエス様はおっしゃいましたね、“わたしはよみがえりであり、命である。”（ヨハネ１１：２５）

　　だからイエス様が命なんです！　永遠の命、新しい命！　聖霊は、そのイエス様の命を信じる者に与える役割！　いくらイエス様の復活の命がすごくても、それを私たちがもらわないと意味が無い訳で。　聖霊はイエス様の命を与えてくれる。　イエス様の命を輸血する、と言ってもいいかも知れません。


４．さて、創世記から始まって、やっと使徒行伝に来ましたが、使徒行伝１：４～５。イエス様が十字架にかかって死んで、よみがえられた後、弟子たちにこう言われました、“わたしから聞いていた父の約束を待っているがよい。・・・あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう。”

　　イエス様の弟子だった彼らも、この時までまだ、新しく生まれ変わっていなかった！　まだ聖霊は下ってないんですから。　まだ古いまま。性質も何も変ってない。まだ新しい命を与えられてない！　イエス様のよみがえりの命をまだもらってない！

　　それで「待っていなさい。間もなく聖霊によって、バプテスマ、新しく造り変えられるから！　聖霊が宿るから！」

　　待たされる所に意味があると思います！　すぐ与えない。　待ち望む事がとても大事。子どもでも、何でもスグ与えたらダメですね。スグ与えられたものは感謝もしなければ、すぐ無くしますから。

　　そうして皆で心を合わせて、毎日祈って祈って祈って、10日目、聖霊が宿った！　２：１～４。“すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。”

　　この後、読んでいくと、特にペテロの事が書いてますが、ペテロが全く新しくなっています。今までは自分はイエス様の弟子だと人前で言う事も出来ず、人を恐れ、迫害を恐れ、死を恐れていた。それがまず、恐れが無くなっている。大勢の人前でイエス様を大胆に証ししている！　そして聖書の内容が急によく分かるようになっている！　イエス様の事も急によく分かるようになった！　真理に目が開かれた！（今までは、イエス様の話を側で聞いていても、全然つながってなかった。）　２：１４～。

　　聖霊によって、新しく生まれ変わった！　このように聖霊は、罪によって死ぬべき私たちを、イエス様の命によって、新しく造り変えて下さるんですね！


５．さて、そのように今や、イエス様の救いを信じる者は、聖霊が宿るようになったんですが、「命」というものは生れて終わりじゃない、「命」は生かされ続ける必要がある！

　　聖霊は「水」に譬える事も出来る訳ですが、人間の体は６０％が水で出来ています。水で生かされている。もしこの水が体からどんどん失われていったら、脱水症状になってやがて死にます。全く水分を補給しない場合、1週間から１０日かで死ぬと言われています。という事は人間は、常に、絶えず、水を補給しなければ生きられない。

　　これは私たちの霊の命でも同じであって、聖霊によって新しい命をもらった。けれども、その命に常に満ち溢れるために、神の子どもとして、クリスチャンとして、生き生きと、みずみずしく、まるでキレイで新鮮な川の流れの様であるためには、聖霊の川の流れを、水の流れを、補給し続ける事が重要なんですね！

　　もしそうでなければ、せっかく新しい命をもらってクリスチャンになったのに、その後、脱水症状になってしまって、気がついたら干物みたいに、ミイラみたいになってしまうかも知れない。

　　「聖霊に満たされる」「満たされ続ける」という事はそういう事です！　絶えず、聖霊が与えてくれる命の水をもらい続ける、イエス様の命に生かされ続ける、という事です！


６．もし心というコップの中に、器の中に、余計な物がたくさん詰まっていたら、その分、聖霊の水で満たされる事は出来ないでしょう！　もし聖霊に満たされる事を願うなら、実はまずコップを空っぽにしないといけない。余計な物が入っていると、その分、聖霊の水に満たされる割合も少なくなってしまう。きっと弟子たちは、心が空っぽだったのでしょう。よみがえったイエス様は天に帰ってしまった。残ったのは、無力で、空しい自分だけ。でも、それは「私の空っぽのコップを満たして下さいっ！」と切実に祈り求める準備だったんですね！


７．“すると、一同は聖霊に満たされ、”
水は一日に２リットルは必要だそうです。私たちに与えて下さった新しい命、イエス様の命が、生き生きと生かされ続けるためにも、ペンテコステのその日だけでなく、私たちが洗礼を受けたその日だけでなく、聖霊に満たされる事を、そして満たされ続ける事を、毎日、祈り求めていきましょう！！！



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