2012年3月25日礼拝

2012年3月25日

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ユダにならないように＞

「いつもの場所に着いてから、彼らに言われた、「誘惑に陥らないように祈りなさい」。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（

１．受難週は来週ですが、今日はイエス様が十字架にかかられる前に、イエス様の事を裏切った「ユダ」について、御言から教えられたいと思います。　そして「ユダは裏切った悪い奴」と他人事のように裁くのではなく、自分も幾らでもユダのようになり得る、いや、もう既に裏切ってるかも知れない、そういう思いで聞いて頂きたいと思います。

　　ユダについては、昔からその箇所を読むたびに、心を痛めながら「なんで、こうなってしまったのだろう？」と考えてきました。そもそもイエス様によって１２弟子に選ばれた事が間違いだったんだろうか、とか、イエス様はユダがいつか裏切る事を分かっていて、あえて選ばれたんだろうか、とか。

　　勿論、深い神様のご計画は私たち人間には計り知れませんけれども、しかし言える事はユダが特別だった訳ではない、と言う事です。12人の弟子全員、イエス様を裏切る可能性はあった。いえ、イエス様が捕らえられた時には、全員イエス様を見捨てて一旦は逃げ去った訳です。後からまた近づいて来たけれども、裁判の時に「その方は無罪ですっ。正しい神の御子・救い主です」と証しした者もいない。イエス様のために何にも言わなかった、何もしなかった、何も出来なかった。自分の命を惜しんで、弟子である事を隠した。そう考えると、弟子全員、イエス様を裏切った、あるいは見捨てたと言えるでしょう。

２．しかし、その中でも確かにユダは悪質な裏切り方をした。他の弟子でも同じ様になり得たと思いますけれども、でもなぜ結果的に、ユダは悪質な裏切り方をしたんだろうか？

　　まず、いつも言うように、悪魔、サタンは常に獲物を狙っているという事です！　誘惑できそうな相手、自分の悪のしもべとして、罪のしもべとして使えそうな人材、自分の側に引き込めそうな人材を捜しているという事です！

　　しかも弟子の中に、クリスチャンの中に探している！　イエス様を裏切り、御言に背きそうな人、御言が心に入っていない人を捜している！　キリスト教の異端っていうのも、だいたい元は教会の中から、元クリスチャンから出てくるのです。

　　余談ですが「スターウォーズ」という映画をご存じでしょう。早い話が「善」と「悪」との戦いの話です。ところが正義の側の中に、カモになりそうな人がいました。アナキン・スカイウォーカーという人ですけども、悪の側の悪魔みたいなのが、「あの正義の側（ジェダイ）の中に、こっちに引き込めそうな奴がいるな」と目をつける訳です。そのアナキンの心の中には、憎しみとか復讐心とか恐れとか、様々な負（マイナス）の心があったんですね。そこに目を着けられ、暗やみ（ダークサイド）に落ちていくんですね。そして正義の側を裏切って、あの真っ黒なダースベイダーという悪者になってしまうのです。

　　悪魔はいつも特にクリスチャンを狙ってる、という事を忘れないで下さい！　そして、その中でカモになりそうな人、誘惑に落ちそうな人を捜してる訳です。一般の詐欺でもそうですよね。詐欺師っていうのはカモになりそうな人を捜しています。

　　どういう人がカモになるのでしょう？　幾つかの傾向がある気がします。一つは、お人好しの人。涙に騙される人。困ってる人を見るとほっとけない。同情心につけこまれる。二つ目は、恐れやすい人。恐れ、恐怖心につけこまれる。脅しに弱い。そして三つ目、欲が深い人。貪欲な人。これがまさにユダのタイプでした。

３．ヨハネ１２：１～６をご覧下さい。　ユダはお金に対する執着が強かった。なぜユダをお財布係にしたんだろうと思いますが、誰でもなり得る。どんなものでも誘惑になる。自分のすぐ側にあって、誰も見ていなければ、自分の意のままに出来る、そういう誘惑があると、人間は誰でも罪を犯す危険があります。　誰が見て無くても、神様がいつも全てを見ておられる、という意識が重要ですね！

　　とにかく、既にユダは小さな罪、小さなウソ、小さな誤魔化しを重ねていた。小さい罪は、早めに悔い改めないと、止めないとしだいにドンドン大きな罪になっていきます！　最初は「これくらいいいだろう…」という思いから始まる。やがて取り返しがつかなくなる！　身を滅ぼす事になる！

　　皆さん、小さい罪だと言って、そのままにしておかないで下さい！　小さい罪を、毎日の祈りの中で、デボーションの中で悔い改めるか、放っておくか、その日々の神様の前の生き方によって、生と死が変わるのです！　病気でもそうでしょう。早期発見、早期治療です。毎日の個人礼拝、日曜ごとの礼拝は、魂の人間ドックでもあるのです。

４．ユダは日頃の罪を、どん欲と不正の罪を悔い改めていなかった。神様も見ているけども、悪魔も見ていて、「あ、こいつは使えるぞ…」と思ったのでしょう。悪魔は12弟子全員、狙っていた筈です。短気で過激派みたいな人もいた。口先ばっかりの人もいた。疑い深い人もいた。出世欲の強い人もいた。カモばっかりです。誰を誘惑するのも簡単だった。　でもその中で一番、ユダが狙われやすい心を持っていた、という事でしょう。

　　皆さんの心の中で、サタンに狙われやすい部分があるでしょう！　それは何ですか？　一番、悪魔に狙われやすい、一番、御言に従いづらい部分！従えない部分！従うのを拒んでいる部分！　そこをサタンは狙ってくるのです！　心を頑なにせず、早めに悔い改めなければ、その部分によって、ユダのようにイエス様を裏切る者となるかも知れません！

５．ユダはそうなりました。ルカ２２：３～６、“その時、十二弟子のひとりで、イスカリオテと呼ばれていたユダに、サタンが入った。”

　　恐ろしい言葉です。「魔が差す」という言葉もありますが、文字通り、悪魔が心に入るのです。心の扉にすき間が空いてたからです。悪魔に対して、御言でカギを閉めていなかったから、泥棒に入られたのです。

　　マタイの方を見ると（２６：１５）“「彼をあなたがたに引き渡せば、いくら下さいますか」。すると、彼らは銀貨三十枚を彼に支払った。”とあります。銀貨三十枚とは普通の人の四ヶ月分のお給料だそうです。おおざっぱに換算するならば、100万円前後。軽自動車が１台なんとか買えるぐらいの金額。彼らは最初からイエス様を殺すつもりでした。「イエス様」と「たった１００万円」を天秤にかけて、たった１００万の金の方がユダにとって魅力的だった！　「もうイエス様いらん、100万円の方が欲しいっ」と。

　　どんなに信仰熱心なようでも、お金をなかなか手放せない、献げられない、という人も多いと思います。「なんやかんや言っても、信仰よりお金が大事」と。お金っていうのは、非常に具体的に、リアルに私たちの本心を試しますね。　信仰の本音が見えます。

　　「なんやかんや言っても、結局この人、イエス様よりお金が大事なんだな」というのは見えてきます。私たちはイエス様と銀貨三十枚と、どちらを愛しているだろうか？　天秤にかけて、どちらが思いだろうか？　（参照　Ⅰテモテ６：６～１０）

６．最後にルカ２２：３９～４０をお開き下さい。
“いつもの場所に着いてから、彼らに言われた、「誘惑に陥らないように祈りなさい」。”

　　金銭だけに限りません。ある人にとっては、女性の誘惑、男性の誘惑。その他、あらゆるジャンルの誘惑があります。事実、多くのクリスチャンが、あっけなく、まんまと誘惑に堕ちてしまっています。ユダは元々私たちより素晴らしい人だったのかも知れません。だって12弟子に選ばれたくらいですから。それでも堕ちた。

　　イエス様がおっしゃった、誘惑から守られる秘訣は「祈り」ですけども、この３９節、４０節をよく見ると、キーワードがあります。「いつものように」。イエス様は、いつものように、いつもの場所で祈っていたのです！　時々、祈る。困った時だけ祈る。聖書の言葉に耳も傾けず、一方的に自分の願いだけ時々祈る、そんな祈りで誘惑から守られる筈はないでしょう！　いつものように、いつもの場所で、毎日、父なる神様と会話するように祈っていた！　両方向、両通行、この「いつもの祈り」があって、はじめて悪魔の誘惑から守られる事が出来るのです！　いつもの祈りの中で心も探られるでしょう！　罪にも弱さにも気づかされ、悔い改め、祈らされるでしょう！　日々、そうしているなら、悪魔も手を出しにくいのは当然でしょう。いつもイエス様の側に心があるのですから！　46節。

７．“いつもの場所に着いてから、彼らに言われた、「誘惑に陥らないように祈りなさい」。”
誰でもユダのようにイエス様を裏切りうるのです。ユダは罪を後悔しましたが、悔い改めの祈りをしませんでした。イエス様も誘惑を受けましたが、祈りによって勝利し、父なる神様を裏切らなかったのです。私たちも「いつものように」祈り続ける事によって、サタンの誘惑から守られましょう！

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