2012年2月5日礼拝

2012年2月5日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜一人ぼっちだと思う時＞

「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（

１．外はすごく寒いですね。でもそんな寒い季節でも、暖かいおうちがあると嬉しいですね。そして家族が一緒にいて、暖かいご飯を食べたら幸せな気持ちになりますね。

　　でももし、その温かいおうちにいられなくなったら大変ですね。今日の聖書の箇所に出てくる「ヤコブくん」は、まさにその温かいおうちに居られなくなってしまったんです！

２．ヤコブくんのお父さんはイサクさん、お母さんはリベカさん。そして双子の男の子が生れました。エサウとヤコブ。双子なんだから一緒に生れたんだけども、先にお母さんのお腹から出てきたのがエサウくんだったから、エサウくんがお兄ちゃん。

　　ほんの３分か５分の違いだったかも知れないけれども、これが大きな違いでした。なんでかって言うと、「神様の祝福」もそしてたくさんの財産も、お兄ちゃんの方が特別にもらえるんです！　ズルイって思いますね。

　　ヤコブくんもずっとそう思っていました。「エサウがほんのちょっと先に生まれただけでお兄さんだなんて･･･そして神様の特別な祝福をもらえるだなんて、ズルイ、ズルイっ」。

３．そして大人になった時、イサクお父さんが兄のエサウに言いました、
父イサク：「わしはもうすっかり年をとってしまった。いつ死ぬかも分からん。」
エサウ：「父さん、そんな気弱なことを言わないで、元気を出して下さい。」
父イサク：「エサウ、わしはお前の作る鹿の肉のシチューが大好物じゃ。あれを作ってくれ。
　　　　　　　そして、その後でわしは長男のお前に神様の特別な祝福を祈って授けよう。」

　　それを陰で聞いていたリベカお母さんは、弟息子のヤコブに言いました、
母リベカ：「ヤコブ、私がシチューを作るから、（あなたはエサウのふりをして）それを
　　　　　　　父さんに食べさせて、あなたが祝福の約束をもらってしまいなさい。」
ヤコブ：　「えーっ、いくらなんでもバレるよ。ボクたちは似てない双子だよ。
　　　　　　　いくら父さんの目が悪くなってると言っても、ボクはスベスベ、兄さんは
　　　　　　　毛むくじゃらなんだから。」
母リベカ：「大丈夫。これを着なさい。兄さんがいつも着てるお気に入りの服よ。」
ヤコブ：　「うわ、くさっ。」
母リベカ：「これを着て、腕にも毛皮をつけたら絶対にバレないわ。父さんをダマすのよ。」

４．そうしてまんまとお父さんを騙して、「ボクは兄エサウです」とウソをついて、祝福の約束を奪い取ってしまいました！
　　でも、どうでしょう。　人を騙して、人を欺いて、ウソをついて、人のものを奪って、本当に幸せになれると思いますか？

　　ウソはすぐバレます。ヤコブくんのウソもすぐバレました。兄エサウが帰ってきて、ヤコブがイサクお父さんを騙して祝福を奪った事が分かりました。お父さんは悲しんで、非常にショックを受けました。そして兄エサウは怒り狂いました。
エサウ：　「ヤコブのやつめ、必ず殺してやるっっっ。」

　　こうしてヤコブくんはもう家に居られなくなりました。居たら殺されてしまいますから。逃げるようにして、親戚のおじさんの家を訪ねて旅に出ました。ところが親戚のおじさんの家は物凄く遠い。なんと東京から北海道に行くのと同じぐらい遠い。しかも歩いて、何日も何日も、寒い寒い北に向かって旅をしないといけない。

５．ヤコブくんはとにかく歩いて歩いて、もうおうちに帰れないんだから・・・でも、やがて真っ暗な夜になってしまった。ホテルなんてありません。２４時間やってるインターネットカフェも、まんが喫茶も無い。外で、寒い野原で寝るしかない。

　　どんな気持ちだったでしょう？！　寒くて、真っ暗で、一人ぼっち。昨日まで、お父さんもお母さんも一緒にいて、温かいご飯を食べて、温かいベッドで寝ていたのに。

　　自分のせいです。自分がお父さんを騙して、お兄さんの祝福を奪って、自分が悪い事をしたから。そしてこれから先の事を考えたら、不安で不安でしょうがなかったでしょう。「一体、これからボクはどうやって生きていけばいいんだろう？　無事おじさんの家まで辿り着けるだろうか？　それまでに飢え死にしたり、狼にやられたり、強盗にやられたり、野垂れ死にするんじゃないか？　無事に辿り着いたとしても、おじさんが良い人とは限らない・・・」、心の中は不安と恐れだらけ。ずーっと泣いてたと思います。

　　そしてヤコブくんは自分がした悪い罪を後悔していたと思います。「なんでボクはあんな事したんだろう。　ボクは祝福されるどころか、神様に嫌われているんだ。見捨てられてるんだ。当たり前だよな、大事な家族を騙したんだから。悲しませたんだから・・・」

６．そうして泣きながら寝ていた時、不思議な夢を見ました。長いハシゴもしくは階段が天まで続いていて、み使いたちが上ったり下りたりしていた！
“そして主は彼のそばに立って、言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。」・・・
「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう。」”

「あなたのおじいちゃんとも、あなたのお父さんとも、わたしは彼らと共にいて、彼らの長い人生を守って、導いてきた。そして、わたしはあなたとも共にいて、あなたを守り、人生の旅を導く。わたしは決してあなたを捨てない。」と約束されたのです！

　　ヤコブくんは神様に見捨てられたと思っていました。罪を犯したから。そして、一人ぼっちだと思っていました。　これからは一人で生きていかなきゃならないんだ、と。ところがそうじゃなかった！　実は、主が、神様が私と一緒におられた！

“ヤコブは眠りから覚めて言った、まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった！”

７．ヤコブくんはそこで記念に石を立てて、油をそそいで（献げて）礼拝しました。
“「・・・主をわたしの神といたしましょう。・・・そしてあなたが下さる全ての物の十分の一を、わたしは必ずあなたにささげます。」”

　　この時から、ヤコブくんは「いつも神様が私と共におられる。そして私を必ず守って下さるんだ！」と、強い確信をもつようになりました！

　　今年、春からみんな結構、一人で進んでいく人も多いと思います。ママから離れて一人で幼稚園に入らないといけないとか、小学校に入学する時も初めてで不安だけど、一人で行かないといけない。大人でも一人暮らしを始める人もいるし、単身赴任で家族から遠く離れて一人で暮らしてるお父さんもいます。　その他いろんな事で「ボクは一人ぼっちだ」と思う事があるかも知れない。　でもね、実は一人ぼっちになるという事は、とても大事な経験なんですね！　なぜなら、一人ぼっちの時こそ、孤独な時こそ、不安で怖くて泣きたい時ほど、「イエス様が一緒にいて下さる」って言う事がよーく分かるからです！！！　イエス様は信じる人を決して、絶対に見捨てません！　どんなに罪を犯しても、失敗しても、私たちが信仰を完全に捨ててしまわない限り、共にいて下さるのです！！！

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