2011年5月22日礼拝

2011年5月22日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜与えなさい＞

「あなたがたは、敵を愛し、人によくしてやり、また何も当てにしないで貸してやれ。
　そうすれば受ける報いは大きく、あなたがたはいと高き者の子となるであろう。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（

１．今日の箇所はイエス様のスゴイ教えがたくさん書かれている所なんですけれども、その教えを一言で言うと、今日の題に付けたように、＜与えなさい＞、「誰かに対して、人に対して、与えなさい」っていう事なんですね。

　　どうでしょうか、皆さんは「与える人」でしょうか？　それは、何か「もの」だったり、あるいは｢何かをしてあげる事｣だったり、あるいは「気持ち」だったり。

　　それともこう思うでしょうか、「人に何かを与えるなんて、やだ。人に何かをあげたら、自分が損するじゃないか。自分が失うじゃないか。　だから私は与えるよりも、もらう方がいい」、そう思うでしょうか。

　　確かに、そもそも自分自身があんまり持っていなかったら、人に与えられませんよね。持ってないものは与えられない。あるいは持ってても、ちょっとしか持ってなかったら、与えられない。けれども、どうでしょう。もし、自分が何かをたっくさん持っていたら、そしたら、それを誰かにあげる事が出来るんじゃないでしょうか。

２．去年でしたか、色んな人からリンゴをたくさんもらったんです。アチコチから頂きました。それで勿論、自分達も食べるけれども、それを妻が色んな人にあげたり、クリスマスに出したりしました。　自分がいっぱい与えられてるから、人にあげられるのです。

　　イエス様は与える方なんですね。　なぜならイエス様は豊かだから。なんてったってイエス様は本当の神様の子ども、一人息子なんですから。この天地宇宙を造られた本当の神様の子ども。言うなれば王子様。ですから父なる神様からあらゆるもの、あらゆる祝福を豊かに与えられている訳です。

　　で、一番与えられているのは何かって言うと、「愛」です！　イエス様は父なる神様の、お父さんの限りなく大きな愛情を与えられているんですね！　可愛い一人息子だから。だからイエス様は自分が愛される幸せを無限にもっている！　だから、その愛を全ての人に対して限りなく与える事が出来るんですね！　だから、イエス様はどんな人間でも、どんなに悪い罪人でも愛する事が出来るんです！

３．さあ、その神の御子のイエス様がこう言われました、２７～２８節。“･･･敵を愛し、憎む者に親切にせよ。のろう者を祝福し、はずかしめる者のために祈れ。”

　　つまり、あなたの事を憎んで、攻撃してきたり、悪口や意地悪を言ったり、嫌がらせをしたり、そういう人に愛を与えなさい、親切にしなさい、祝福しなさい、祈りなさい、と言うんですね。　　　「そんなこと絶対に無理っ」と思うかも知れません。

　　でもイエス様にはそれが出来る、というか、実際それをされた訳ですね。　イエス様の事を憎む人が大勢いた。イエス様は、多くの人々に妬まれ、憎まれ、そしてあざ笑われたり、さんざん悪口を言われたり、殴られたり、ツバをかけられたり、ムチで打たれたり、そして十字架につけられた。　けれどもイエス様が十字架に付けられて言った言葉は、“父よ、彼らをおゆるし下さい。彼らは何をしているのか分からずにいるのです。”と、自分を憎む人々を、ゆるして下さい、という愛の祈りだったのです。　まさに敵対する者にさえも、愛を与えた訳です。　それくらい、イエス様は愛を豊かに持っていた。父なる神様から限りなく愛されていたからです。

４．そのイエス様が、私たちにも“敵を愛し、憎む者に親切にせよ。のろう者を祝福し、はずかしめる者のために祈れ。”と言われるのです。なぜでしょう？

　　それは、実はあなたがたも父なる神様から豊かな愛情を注がれているんですよ、という事です！　実は私たちも、限りなく大きな愛を神様から与えられている、祝福を与えられようとしている、なんと天国をも与えられようとしている。つまり、自分は実は神様から物凄く豊かに与えられているんだ、という事を知ると、豊かなんだから、人に与えられるんですよ、という事です！　例えるなら、リンゴをたくさん持っているようなものです。

　　この上の段、２０節から読みますと、天国での幸いが記されています。２０～２３節。“「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである」。”　今、貧しかったとしても、神の国があなたがたのものなのだから、どれだけ幸せか。今飢えていても、今泣いていても、今人々に憎まれていても、その事を、その苦しみをちゃんと父なる神様が見ていてくれて、知っていてくれて、そして、天国で大きな報いを与えて下さるんだから、「喜びおどりなさい」っていうぐらい、幸せな事なんだ、と！

　　父なる神様に愛されている、知っていて下さる、祝福されている、罪が赦されている、神の子どもとされている、天国が約束されている、こういう事を知りますと、自分は本当に幸せなんだ、という事が分かってくるんですね！

　　逆に言うと、人を憎む人っていうのは、幸せを知らない人。自分が幸せじゃないから、人を憎む、人をのろう、人の悪口をいう、人を傷つけようとする。自分が幸せじゃないから、自分が愛されていないから、自分が優しい言葉を人から言われていないから・・・。　という事は、一番、神様の愛が必要な人かも知れない。

５．３５節から読んでみましょう、“あなたがたは、敵を愛し、人によくしてやり、また何も当てにしないで貸してやれ。そうすれば受ける報いは大きく、あなたがたはいと高き者の子となるであろう。いと高き者は、恩を知らぬ者にも悪人にも、なさけ深いからである。　あなたがたの父なる神が慈悲深いように、あなたがたも慈悲深い者となれ。”

　　父なる神様は慈悲深い、なさけ深い。私たちはその父なる神様の深い愛を受けている。どうですか、既にクリスチャンとなっている方も、かつての自分を振り返った時、地獄に落とされても仕方が無い者だったのではないでしょうか。人の事を悪く言い、人の心を傷つけ、悲しませた。自分の事しか考えない者だった。自分もイエス様にとって敵だった訳です。　自分も人を憎む者、人をのろう者、人をはずかしめる者、人の頬を打つ者、人から奪う者・・・、自分も恩知らずの者、自分も悪人だった訳です。　そんな自分も、神様の大きなあわれみを受けて、赦され、愛され、誰かに祈られ、のろいを祝福に変えてもらった。　つまり、神様から豊かな愛とゆるしをもらった訳ですね。

　　だとするならば、リンゴをたくさん豊かに与えられたように、自分も豊かに神様の愛とゆるしを与えられたのなら、それを人にも与えなさい、という訳ですね！

６．３７～３８節。　まず私たちは、自分がどれだけ父なる神様から、またイエス様から愛され、赦され、あわれみを受けているかを知る事です！　豊かに与えられている事を。それを知れば知るほど、その幸せを人に与える事が出来るようになるでしょう！なぜなら、私たちは豊かに与えられているのですから！

　　“いと高き者は、恩を知らぬ者にも悪人にも、なさけ深いからである。 あなたがたの父なる神が慈悲深いように、あなたがたも慈悲深い者となれ。”

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