2011年2月27日礼拝

2011年2月27日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜高ぶりを砕かれる主＞

「そこでわれネブカデネザルは今、天の王をほめたたえ、かつあがめたてまつる。
　そのみわざはことごとく真実で、その道は正しく、高ぶり歩む者を低くされる。」（ダニエル書）

１．今日も、ダニエル書を開いて参ります。今日は＜高ぶりを砕かれる主＞という題を付けましたが、ダニエル書のこれまでの所でネブカデネザルと言うバビロンの王様の事が出てきました。なんせバビロンは当時の世界を支配した国ですから、その王であるネブカデネザルは非常に高ぶっていた訳ですね。

　　しかし主なる神様は、全世界、全歴史を真に支配しているのは、神である自分である事、そして神様は思いのままに、人を高い立場に引き上げたり、逆に低い立場に引き下げたりなさる・・・、バビロンの国も神様の手の中の駒に過ぎないんだという事を知らせるために、そしてネブカデネザル王を遜らせるために、色んな事をなさいました。

２．２章の所では、ネブカデネザル王が不思議な夢を見て、誰もその意味を解き明かせなかったのに、神の僕であるダニエルだけが、神様からその夢の秘密を教えてもらって、見事にその意味を解き明かしました。　その解き明かしを聞いたネブカデネザル王は真の神様の前に恐れひれ伏しました。２：４７、“あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ。”

　　ところが、それから２０年ぐらい経って、また高ぶっていた。　大きな偶像を作って、「これを拝め。さもないと燃える炎の中に投げ入れる」と言った。けれども、真の神様を拝む、シャデラク、メシャク、アベデネゴの３人が決して偶像を拝まない。それで通常より７倍熱くした炎の中に３人を投込んだ。ところが、３人は全然大丈夫だった。それどころか神の子のような４人目の人が炎の中で彼らと共にいて、彼らを守っていた。

　　それを見て、ネブカデネザル王はもう一度、真の神様の前に恐れひれ伏しました。
２８～２９節。“ネブカデネザルは言った、「シャデラク、メシャク、アベデネゴの神はほむべきかな。神はその使者をつかわして、自分により頼むしもべらを救った。・・・このように救いを施すことのできる神は、他にないからだ。」”

３．そのようにネブカデネザル王は、２回も驚くべき神様の力の凄さを体験して、恐れひれ伏した訳です。その時は。ところが、まだやっぱり砕かれていない。まだ神様の前に心からひれ伏していない。まだ信じていない。まだ自分を誇り、まだ自分の知恵と力を頼みとし、神様にひれ伏さなくても、やっていけると思っている。

　　皆さん、神様の前にはなるべく早く降参した方がいいですよ。なるべく早く従った方がいい。そうでないと、大変な目に会うかも知れない。　脅す訳じゃないけれども。脅してますけども。　これからネブカデネザルは大変な目に会うんです。３度目の正直と言うけれども、神様の偉大さを思い知る、そして高ぶりを砕かれる、遜らされる３度目の大きな出来事が起きました。

４．それは、また不思議な夢を見たんです。読んでみましょう、４：４～１８。夢の中に物凄く大きな一本の木があって、鳥や動物がその木に宿っていたけれども、神の使いが下りて来て、「この木を切り倒せ」と命じた。そしてその木の切り株は、ある人物の事を指しているんですけども、その人物に獣の心が与えられる、と。

　　その夢の話を聞いた時、ダニエルにはすぐに意味が分かって、驚き恐れてしまいました。そしてネブカデネザル王に話していいものかどうか、非常に悩みました。でも王様が話しなさいと言うので話しました。２４～２５節。

　　なんと、ネブカデネザル王が獣のようになってしまうという！　こういう病気は実際にあるそうなんですね。「リカントロピー」と言って精神病の一種だそうです。自分が狼とか獣になったように思い込む、一種のひどい妄想の様なものらしいですけども。

　　とにかく、ネブカデネザル王がそうなってしまう。「我こそは世界の王であるぞっ」とか言ってえばってた人が、気が狂って獣のようになってしまうという。まさしくこれは神様によって、徹底的に低くされるためですね！

　　ダニエルは王様のためを思って勧めます、どうかそんな事になる前に、罪と高慢を悔い改めて下さい、そうすればそんな目に会わないかも知れません、と。２６～２７節。

　　“それゆえ王よ、あなたはわたしの勧告をいれ、義を行なって罪を離れ、しえたげられる者をあわれんで、不義を離れなさい。そうすれば、あるいはあなたの繁栄が、長く続くかもしれません。”　王様のためを思って、悔い改めなさい、と警告してあげたのです！

５．神様は一年間、待たれました。高ぶりの罪を悔い改めるチャンスを与えたのです。ところが、２８～３０節。「どうだ、このバビロンの都の素晴らしさは。私の力の偉大さを表わしているではないかっ」と。　３１～３３節。遂に高ぶりを悔改めないので、本当に獣のようになってしまいました。

　　神様は高ぶる者を、必ず低くされるのです！　人間は神様から力をもらわなかったなら、何も出来ません。命も、体も、健康も、才能も、全部神様からもらったものです。なのに、私は自分の力でここまでやってきたんだ、生きてきたんだ、今の立場を築いたんだ、と高ぶって、真の神様を敬わないならば、神様はその人を必ず低くされる。高いと思っていた所から、一気に落とされるかも知れない。

　　人間ていうのは、スグ調子に乗る。ちょっとでも成功すると、ちょっとでも上手いこと行くと、「俺もなかなかのもんだなあ。あの人もこの人も俺のこと誉めてたしなあ。スゴイって言ってたしなあ。俺って才能あるよなー。賢いよなー。モテるよなー」とか。　スグ高ぶる。　でも少しでも高ぶると、すぐコツーンと低くされますから。ブタもおだてりゃ木に登ると言いますが、その登った木からヒューッと落とされる。

　　だから本当にいつも神様の前に遜っていなければいけません。神様の愛がなければ、神様の恵みが無ければ、神様の助けと支えが無ければ、自分は本当に何の力も無いんだ・・・、形だけそれらしく見せる事は出来ても、本当の力が無い。

６．本当に自分の無力を知っている人、本当に神様の前に遜っている人、そういう人はよく祈る筈です！　だって、神様に助けて頂かなければ何も出来ない事を知っているから、よく祈るのです！　逆に、あまり祈らない人は、神様に祈らなくたって、助けてもらわなくたって、神様に聞かなくたって、自分で何でも出来る、何でも分かる、と高ぶっている訳でしょう？　そういう人は遜らされるでしょう。　痛い思いをするかも知れない。

　　鎌野善三先生が言ってましたね。教団委員長になってからは、前より、もっとたくさん祈らなければならなくなった、と。忙しくなったんだから、祈ってる暇など無いだろう、そうじゃない。たくさんの大きな課題や仕事を抱える、自分の力ではとてもこれらの問題を負っていけないから、だから祈らないではおれないのだ、と言うのです。単純に言うならば、よく祈る人は遜っている人です。あまり祈らない人は高慢な人です。

　　そのように自分から遜るか、それとも神様によって無理やりに低くされてしまうのか、どっちがいいでしょうか？

７．ネブカデネザルは獣のようになって、そして７つの時（７年？）が過ぎた時、神様のあわれみによって、正気に戻る事が出来ました。痛い目に会ったけれども、みじめな思いをして、王様の威厳も何も名誉もプライドも失ったけれども、けれども３度目の正直、やっと今度こそ、神様の前にへりくだり、礼拝する者になりました！　そして本当の誉れが与えられた。３４～３７節。

　　“そこでわれネブカデネザルは今、天の王をほめたたえ、かつあがめたてまつる。そのみわざはことごとく真実で、その道は正しく、高ぶり歩む者を低くされる。”

　　私たちはこのネブカデネザルのように獣になるような病気にはならないかも知れない。けれども、神様からどんどん心が離れていくという事は、ある意味において、どんどん獣のようになっていくと言えるかも知れません！　　日本人はエコノミーアニマルと言われたり、セックスアニマルと言われてしまう事もありますが。　どうでしょうか、皆さんは獣になりたいか、人間になりたいか、それとも神の子どもになりたいでしょうか？

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