2011年2月20日

ルカによる福音書　6章 20〜26節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 天国の価値観 ＞


「その日には喜びおどれ。見よ、天においてあなたがたの
　受ける報いは大きいのだから。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　12章 23節）


１．今日は伝道礼拝ですので、福音書を開きます。先月は、＜生き方の方向を変える＞という題で、５章の３８節、“新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである。”という御言からお話しました。　まあ本当に、イエス様を信じて、イエス様に従っていく生き方っていうのは、もう全く価値観の違う新しい生き方になる、という事です！

　　前の５章２７節以降のところで、レビという取税人が（別名マタイ）イエス様の弟子になった訳ですけども、レビも今までとは全く価値観の違う人生に入った訳です。　勿論、多くの場合、いっぺんに価値観が全部変わる訳ではないかも知れない。まだまだ、今までの古い価値観、この世を愛する、この世に執着した古い価値観、古い皮袋を引きずるでしょう。弟子たちもそうでした。　けれども、イエス様に従っていくという事は、しだいに新しい価値観に変えられていくという事です！

　　じゃあその新しい価値観とは、どういう価値観かと言うと、今日の題につけたように、それは＜天国の価値観＞という事です！　つまり、天国を知っている価値観、天国の事をいつも思っている、天国のことを計算に入れている価値観という事です！

　　じゃあその反対はどういう価値観かっていうと、天国を知らない価値観、つまり今のこの世だけが全てという価値観、この世しか知らない価値観、という事です。　この違いはそれこそ文字通り、天と地の違いがあります！


２．イエス様はそれを教えに、天国から来られた訳ですね。弟子たちを選んで、天国の価値観を教えられました。２０〜２１節。　“あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。･･･”

　　普通に考えると、経済的、物質的に、貧しいことが幸いな筈がないと思います。飢えている人たちが幸せな筈がないと考えます。　逆に物質的に豊かな人、お金持ちの人の方が幸せだと考えるでしょう。　確かに、もしこの地上での人生が全てであるなら、そうかも知れない。　この世に生きている間に、他人よりいい思いをした方がいいと思うかも知れない。

　　けれども、そうじゃない！とイエス様は言われます。私たちの人生は、たった何十年かのこの世の人生が全てではない、今は言うなれば準備の期間。昆虫に例えるなら幼虫の期間。むしろその後が本番。今の地上での体を脱ぎ捨てた後、美しいチョウチョになったり、かっこいいトンボになったりして、空に羽ばたくように、天国と言う世界が事実、存在する訳です！

　　もし私たち人間が、この天国という世界を知らず、心に思わず、求めず、この地上での生活の事しか求めず、神の国と神の義を求めないならば、求めないものは与えられません。

　　けれども、たとえこの世で貧しくても、飢えても、弟子たちのようにイエス様に従っていくことを選んだものは、幸いだ！　ものすごく幸いだ！　なぜなら、天国が、神の国があなたがたのものなのだから！、と言うのです。神の国の無限の豊かさが、神の子どもである、あなたのものなのだから！　２０〜２１a節。


３．逆に２４〜２５節。もしこの世が全てと思い、この世での物質的豊かさや、美食を追い求めて満ち足りてしまっている人たちは災いだ、非常に不幸だ。なぜなら、もはや神の国での慰めを受ける事が出来ないから。地獄において、永久に飢える事になるから。

　　よくテレビで、大金持ちの人が贅沢な暮らしぶりを見せびらかす番組がありますよね。私は何百万もする洋服をこんなに持っています、とか、何千万もする時計や、宝石や、車も幾つも持っています、とか、こんな広い豪華な邸宅に住んでいます、こんな料理をいつも食べています、とか。そういうのを見てると、たっくさんのお金があっても、結局、そういう使い道しかないんだな、と思います。あり余るお金があっても、結局、この世の中の高い物を買うだけ。寿命が延びる訳でもないし、死んだ先に持っていける訳でもない。

　　この世での一時的な楽しみを追い求めて生きるのか、それとも輝ける永遠の神の国での生活を求めて、むしろそのために準備をして生きるのか！　どちらが幸いでしょうか？


４．２１b〜２２節。“人々があなたがたを憎むとき、また人の子のためにあなたがたを排斥し、ののしり、汚名を着せるときは、あなたがたはさいわいだ。”

　　人から憎まれて幸いだなんて、そんなバカな、と思うでしょう。　勿論、悪い事をして憎まれたらダメですが、イエス様の言葉に従っていこう、正しく歩もうとする時に、人から憎まれたり、嫌われたり、ののしられたり、酷い場合は迫害されたりするでしょう。

　　私たちはこの世にあって、友達関係や、色んな人間関係をなるべく壊したくないと願います。人から憎まれたくない、嫌われたくない、むしろ、好かれたい、「優しいねー」って思われたい、理解者のような顔をしたい。　しかし、それは本当の友達なのか、本当の愛なのか？　本当に相手のためを思っているのか？　私たちは時に、憎まれ役、嫌われ役にならないといけない時もあるでしょう。

　　２６節は真逆の事が書いてあります、“人が皆あなたがたをほめるときは、あなたがたはわざわいだ。”　逆に２２節、“人々があなたがたを憎むとき、また人の子のためにあなたがたを排斥し、ののしり、汚名を着せるときは、あなたがたはさいわいだ。”

　　なぜ、人から憎まれてるのに幸いなんですか？　なぜなら、神様からは愛されてるから！神様には喜ばれてるから！私たちは、神様からの評価と、人からの評価やこの世からの評価の両方を得る事は出来ない、という事がしばしばあります。その時に選ばないといけない。神様に喜ばれる道か、それとも人から喜ばれる道か！天国に受けいれられる道か、この世に受けいれられる道か！　天国の価値観か、この世の価値観か！

　　そこでもし、神様に従う生き方を選んだなら、こう書いてあります、２３節、“その日には喜びおどれ。　見よ、天においてあなたがたの受ける報いは大きいのだから。”踊って喜びなさい！　天国において、あなたの受ける報いは大きい、と！　大きいのです！


５．いかがでしょうか。この世で、富むこと、満腹すること、面白おかしく生きることを追い求め、人からの評価を得ることばかりを追い求めて生きるのか。それとも、貧しくとも、飢えても、泣いても、憎まれても、天における永遠の祝福に与ることを追い求めるのか、どちらでしょうか？





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