2011年1月23日礼拝

2011年1月23日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜世界と歴史を支配される神＞

「ところがその像を打った石は、大きな山となって全地に満ちました。」（）

１．今年前半の主日礼拝ではダニエル書を開いてまいります、前回お話した通り、ダニエル書の時代背景は、紀元前６０５年ごろ。ユダの国がバビロン帝国によって滅ぼされてしまった時です。　ユダの人々、つまりイスラエル民族は、本来、真の神様によって特別な役割を与えられた民族だったのに、偶像を拝むようになったり、非常に堕落していきました。　そこで神様はイスラエルの人々を悔い改めさせるために、バビロンという強い国を使って、ユダの国を一旦、滅ぼされた訳です。とても痛い愛のムチを振るわれた訳です。

　　バビロンの国はそのように神様によってムチとして、道具として使われただけなんですけども、「俺たちは強いんだ。俺たちが世界を支配するんだ」と非常に高ぶっていた訳です。　そこで真の神様は、「本当に全世界を支配し、全歴史を支配しているのが真の神である事を知らせよう」、とされたんですね。

　　この時、多くのユダの人たちがバビロンに連れて行かれましたが、その中に、ダニエルとその他３人の若者がいました。彼らは十代の若者でしたが、非常に強くて純粋な信仰を持っていました！　ダニエル達はそのバビロンの国にあって、真の神様の事を証しするために連れて行かれた訳ですね。

２．さて、ある時、このバビロンの王ネブカデネザルは夢を見ました。しかもその夢を見た日から、思い悩んで眠れなくなってしまったという。２：１。　「俺は全世界を支配するんだ」なんて言ってる人間でも、夢を見て、心配になって眠れなくなっちゃうと言うんですから、実はこの人は全然強くない、弱い一人の人間な訳ですね。

　　しかし王様ですから、強そうに偉そうに見せないといけない。　国中の博士や法術士、魔術士を呼び集めて、「お前たち、ワシがどんな夢を見たか、見事言い当ててみよ。そしてその夢の意味を解き明かしてみよ。もしそれが出来ないなら、役立たずのお前たちを切り殺し、お前たちの家族も滅ぼす。見事解き明かしたなら、褒美をくれてやるっ」と、そういう命令を出した訳です。

　　「こういう夢を見た」という事を言ってくれれば、「その夢はこういう意味ですよ」とかええ加減な心理学者か占い師みたいに、それらしい適当な事を言えば誤魔化せる訳ですけども、どういう夢を見たかをまず言い当ててみよ、と言うんですから、これは偽予言者などではどうにも出来ません。　それで博士たちは「そんなこと、神様でもない限り、誰も出来ません」と言いましたら、ネブカデネザル王は激怒して「なに～、出来んと申すかっ。ならば国中の知者たちは全員死刑じゃ」と命令しました。１２～１６。

　　ダニエル達まで殺される事になったので、「王様、しばらくお待ち下さい」と勇気を出して申し出ました。きっと真の神様が私に夢の事を教えて下さるだろうと信じた訳ですね。

３．まーしかし、最初から命がけですね、ダニエルの人生は！　真の神様を信じてるからって、余裕って訳じゃないですよね。　いつも必至ですよね。　「神様助けて下さいっ！助けて下さらないと死んでしまうんです！　殺されるんです！」っていう、祈る方も必至で祈る訳ですね！　命がけで祈る訳です！　信仰生活ってそういうもんですよね。必至で神様に頼るんです！　この時のダニエル達もそうだったでしょう。

　　ダニエル達は祈った。しかも、素晴らしいのは、他の3人の仲間と一緒に祈った！これが素晴らしい。　バビロンの王宮に連れていかれたのが、ダニエル一人じゃなかったのは意味があったと思います。　一人だったら挫けていたかも知れない。けれども、共に祈り合う友がいたのが大きかった。　１７～１９節。　“それからダニエルは家に帰り、同僚のハナニヤ、ミシャエルおよびアザリヤにこの事を告げ知らせ、共にこの秘密について天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚とが、他のバビロンの知者と共に滅ぼされることのないように求めた。”　皆さんも、共に祈り合う友となって頂きたいと思います。

４．そして、そういう必至の祈り、心を合わせる祈りは聞かれる！　なんとその夜、祈りが応えられて、神様が夢の意味を教えて下さった！　ダニエルは感謝の賛美をささげました。（２０～２３節。）

　　そして早速、ダニエルは王様の元に行きました。２５～３０節。　“しかし秘密をあらわす一人の神が天におられます。”

　　それはこんな夢でした、３１～３５節。「自由の女神」みたいな大きな像。もっと怖そうな感じでしょうけど。「頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土。」　ところが、一つの石がビューンと飛んできて、一番下の足の部分を砕いた！　足が砕かれるという事は、上も全部崩れ落ちてしまう訳です。　跡形も無く粉々に砕けた。ところが、“その像を打った石は、大きな山となって全地に満ちました。”

　　この不思議な夢の意味は一体なんだろうか？　３６～４３節。つまりこれは、この時から後の時代に起きる事、これから世界を支配していく国々の事だというのです。

　　まず金の頭は、その時のバビロンの国だと言われています。じゃあその次の銀色の胸と両腕の部分はどこの国を指すのか？　これは歴史的に当てはめるなら、メディアとペルシャの国が合わさったメド・ペルシャ帝国の事だと言われます。（だから二本の腕）　では次の青銅の腹と腿の部分はどこの国か？　これはその次の時代に世界を支配したギリシャ帝国のこと。　では次の鉄のすねの部分はどこか？　それはローマ帝国のこと。（ローマは東ローマと西ローマに分裂したので二本の足。）

　　では、その一番下の鉄と粘土がところどころ混ざり合ってるような足の部分はどこか？　これはローマ帝国以降の世界。一つの国で世界を支配するほどの国は、ローマ帝国以降は起きなかったけれども、色んな国が戦争したり争ったり、時には同盟を結んだり別れたりしながら、世界の主導権を握ろうと競い合っている。とにかく鉄と粘土の混ざり合った足、それは現代を示しています。

５．つまり、その巨人の像全体は、これまでに世界を支配してきた、この世の帝国の事を意味している訳です！　そして、その足の部分に「石」が飛んできて、この像を粉々に砕いた！　聖書の中で「石」とか「岩」というのは、「神様」を表したり、「信仰」を表わしたり、「神の国」を表わしたりします。　この場合、この「石」とはイエス様の事を示していると言えるでしょう！　「人の手によらずに切り出された石」（34）。　つまり、人間の力や計画で来られたのではない「石」。

　　この石が、この世の国を跡形も無く砕くという！　そしてこの石は「大きな山となって全地に満ちた」（35）とあるように、たった一人の神の御子イエス様から始まった福音が、救いが、今や全世界に広がっていった！　つまり、イエス様が真の王様として治められる「神の国」「イエス様の王国」が、永遠の国として堅く立つという事です！　４４～４５節。“天の神は一つの国を立てられます。・・・そしてこの国は立って永遠に至るのです。”

　　そして、その事はいつ起きるのか？　その石が砕いたのは一番下の「足」だったように、その事はまさにこれから現代に起きる訳ですね！

６．ネブカデネザル王はダニエルの解き明かしを聞いて、恐れ入りました。　どこまで分かったかは分かりませんが、今までは、自分こそが全世界の王様だと思っていた。バビロンこそが永遠に続く王国だと思っていた。　ところがそうではない、全世界、全歴史を支配しておられる真の神がおられる！　真の王様がおられる！　４６～4７節。

７．皆さん、前回も言いましたが、これからこの世はどのようになっていくでしょうか。鉄と粘土のように、あの国が出てきて、この国が出てきてと、色んな事になるでしょう。けれども、そのようなこの世の国々は砕かれる。　「砕かれる」という事がどういう事を意味するのでしょうか。　事実、今の世界も宇宙も一度、全く崩れ去る事が聖書に書いてあります。

　　そして、イエス様を真の王様とする「神の国」が永遠に立つというのです！！！　この神の国の国民となりたいならば、今日と言う日から、イエス様を自分の王様とする事です！

“それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち 破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。”４４節

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