2011年1月9日礼拝

2011年1月9日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜信仰を汚さない決意＞

「ダニエルは王の食物と、王の飲む酒とをもって、自分を汚すまいと、
　心に思い定めたので、自分を汚させることのないように、宦官の長に求めた。」（ダニエル書）

１．昨年の主日礼拝ではローマ人の手紙をずっと開いてきました。そして、今年前半はダニエル書を開いてまいります。　ダニエル書の時代背景は、紀元前６０５年ごろ。ユダの国がバビロン帝国によって滅ぼされてしまった時です。　なぜ、ユダの国がバビロンによって滅ぼされてしまったかと言うと、これは神様の懲らしめだったのです。

　　というのは、ユダの人々、つまりイスラエル民族は、本来、真の神様によって選ばれ、育てられ、特別な役割を与えられた民族だったのに、その神様に背いて、他の国と同じ様に偶像を拝むようになったりして、非常に堕落していきました。　そこで神様はイスラエルの人々を懲らしめ、悔い改めさせるために、バビロンという強い国を使って、ユダの国を一旦、滅ぼされた訳です。　悲しいけれども、仕方が無い、神様だってやりたくなかったけれども、何回も何人も預言者を遣わして、「罪を悔い改めなさい」って警告してきたけれども、どうしても悔い改めないから、仕方なく、とても厳しいゲンコツを、ムチを振るわれたのです。

　　ところがそうすると、バビロンの国が調子に乗る訳です。　神様にムチとして、ゲンコツとして用いられただけなのに、何か「自分たちの国は強いんだ。俺たちバビロン人が世界を支配するんだ。俺たちの拝んでる偶像の神の方が、イスラエルの神より強いんだ」と、勘違いして調子に乗る訳です。　そこで真の神様は、「そうではない。本当に全世界を支配し、全歴史を支配しているのが真の神である事を知らせよう」、とされたんですね！一言で言うなら、それがダニエル書の内容です。

２．現代においてはどうでしょうか。世界で最も強い国はどこだろうか？　世界を支配しているつもりになってる国はどこだろうか？　あるいは表向きとは違って、世界の歴史や経済や戦争や、色んな事を背後でコントロールしてきた世界的な影の組織がある、闇の組織があるんだ、という事もよく言われます。　しかし、そういうものも全部、手の中に握って、全世界と全歴史を御手の中で支配しているのは、創造者なる真の神様です！

　　ダニエルはその事をしっかり信じていました。「たとえ今、国が不信仰の罪によってバビロンにやられてしまったとしても、全世界を支配しているのはバビロンじゃない、真の神様だ！」　その事を確信していましたから、ダニエルは敵の国に捕虜として連れて行かれても、バビロンの王に屈することなく、また妥協することなく、その信仰を守り通すことが出来たんですね！

　　私たちもこの２０１１年の世界にあって、また偶像の国、日本にあって、だれが世界を支配しておられるのか、しっかり信仰を持っていきたいと思います。

３．そんな訳で、この時、多くのユダの国の人たちがバビロンに連れて行かれましたが、特にユダの王様の家系の人とか、貴族とか、その中でも将来、役に立ちそうな、賢そうな若者を集めました。その中にダニエルと、その他に３人の若者がいました。１～７節。

　　彼らはまだ１５歳ぐらいだったそうですが、この４人の若者はただ賢くてイケメンだっただけではありませんでした。　それよりも何よりも、彼らは真の神様に対する信仰が本当に強くて純粋でした！　どれくらい強い信仰だったか、それは、たとえ殺されても信仰は捨てません、という程の覚悟の信仰でした。　長崎の二十六聖人でもそうですが、案外、若い人が純粋で強い信仰を持っている場合があります。

　　ダニエル達は、たまたまバビロンに連れて行かれた訳ではありません。たまたまそこにいるんじゃない。　そのバビロンにあって、真の神様の事を証しするために、そこに置かれていたんですね！　私たちもそうです。たまたまそこに居るんじゃありません。　たまたま、日本にいるんじゃない。たまたま、その家族や親族の中にいるんじゃない。　たまたまその会社や学校に置かれてるんじゃない。　そこで本当の神様を信じている、という事を示すために、証しするために、暗い夜空の星のように、あるいはロウソクの光のように、そこにわざわざ置かれているんです！　今年も！

４．ダニエル達は一つの覚悟、決意をもっていました。　それは、捕われの身だけど、偶像の国バビロンにいるけれども、決して自分たちの心を、信仰を汚さないぞ、と決意していたのです！

　　彼らは、選ばれた優秀な若者だったので、王様と同じ食べ物、同じ酒を飲む事が出来たと言うのです。良い物を食べさせて育てようという事でしょうか。　捕虜なのに王様と同じご馳走を食べれるなんて、すごい特権ですね。　どうでしょうか、私たちだったら、食欲のそそられるままに、ムシャムシャ食べてしまうかも知れません。

　　けれども、ダニエルはそれらの食べ物や酒を食べまいと決心したというのです。というのは、それらの食べ物はバビロンの偶像に備えられたものでした。　だから、偶像に供えられた食べ物を口にして、自分を汚すまい、と決心した！

　　８節、 “ダニエルは王の食物と、王の飲む酒とをもって、自分を汚すまいと、心に思い定めたので、自分を汚させることのないように、宦官の長に求めた。”

５．ある人は「なんで、それくらい食べたらいいやん」と思うかも知れない。　けれども、それはダニエル達の決心、彼らの信仰のケジメだったのです！

　　考えたらそうですよね。だって異教の国、偶像の国に捕われていて、ここで信仰を守り通すなんていうのは簡単な事ではないでしょう。　一歩妥協したら、一歩譲ったら、更に一歩、二歩、三歩と妥協させられる！

　　悪魔の誘惑ってそういうやり方ですね。　私たちを罪に誘惑する時、信仰を妥協させる時、悪魔が心にささやく、「コレクライ、イイジャナイカ」「コレクライ、罪ジャナイダロウ」「コレクライハ、偶像礼拝ジャナダロウ」「コレクライハ、盗みジャナイダロウ」「コレクライハ、浮気ジャナイダロウ」　そうやって悪魔に少しずつ少しずつ譲ってしまううちに、そして自分の信仰を甘やかすうちに、自分でいい訳をしているうちに、ついに骨抜きの信仰になってしまう！　命の無い信仰、悪魔に負けた信仰になってしまうのです！

だからダニエルは、最初の一歩から妥協しない事を、悪魔に一歩も譲らない事を決意したのです！！！

６．「ボク達は水と野菜だけで結構です。」ダニエル達のお世話係は心配しました。「そんな事をして、ゲッソリした姿になられたら、私が王様に殺されます」と。９～１６節。でも、そんな心配は要りませんでした。　ダニエル達は誰よりも健康で、誰よりも賢かった（２０節　十倍！）。

　　　　　　　　このペ－ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る