2010年12月5日

ルカによる福音書 19章 9〜10節

                < イエス様は来てくださる >


きょう、救いがこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。
 人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである。

                               
ルカによる福音書 19章 9〜10節



1.今日はクリスマスを待ち望むアドベントの第二週の礼拝です。 今日は<イエス様は来てくださる>という題を付けましたけれども、本当にイエス様は、私たちの所に来てくださる方だなあと思います。 このクリスマスがそういう事ですから。 イエス様は、元々、神の国、天国におられたのに、私たちのこの地上に来て下さったんですから!

  ヨハネ1:9にこういう御言がありますね。“すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。” なんで神の子イエス様は、遠い天国から地上に来て下さったんでしょうね?それは、イエス様が私たちの事をとっても愛しているから、来て下さったんですね。

  それはね、こういう意味もあります。私たちは、イエス様にとっては迷子になった羊にようなものなんですって。 お父さんである神様の事を忘れて、悪魔に誘惑されて、帰るおうちが分からなくなってしまった迷子なんですね、人間は。 帰るおうちが分からない、つないでいたお父さんの手を離してしまった。全ての人間は迷子です。

  だから、イエス様はこの世に来て下さったんです。迷子の私たちを探しに来てくれたんですね! そして、「あなたのお父さんは、天のお父さんですよ。あなたの帰るべきおうちは天国ですよ」って教えに来てくれたんですね。


2.そんな訳で、天国から迷子を探しに来られてイエス様は、色んな人の所に来られました。 その中でザアカイさんも有名ですね。

  皆よく知ってるように、ザアカイさんは取税人と言って、皆から税金を集める人でした。その取税人の中でも一番上の取税人だったんだって。

  「よーし今日も税金を集めに行くか。…ハイ、ホセアさん。あなたんとこ2ヶ月たまってるよ。次、オバデヤさん、何、お金がない? どれ…あるじゃないか。隠しちゃダメだよ。ジャラジャラ・・・」「よーし大分、たまったぞー」

  けれどもね、ザアカイさんの心はきっと空しかったと思うんです。 誰にも愛されない。皆、ザアカイさんが嫌い。ザアカイさんも誰も愛さない。 「フン、俺だって皆が嫌いだ。俺が好きなのは金だけだ。金が俺の友だちさ。」 ザアカイさん、お金はいっぱいあった。立派な家にも住んでいた。 けれどもね、淋しかった。

  ねーどうでしょう? 幾らお金がいっぱいあっても、幾ら色んなものをいっぱい持っていても、もし誰も自分を愛してくれる人がいなかったら。 もし誰も愛していなかったら。もし誰も友だちがいなかったら。 誰も家に遊びに来てくれなかったら。 きっとスゴイ淋しいよね。


3.そんな時、最近うわさのイエス様が、ザアカイさんの家の近所に来るらしいという情報が入った。「なんか、救い主だって言ううわさ前から聞いてるけど・・・まあ、でも、俺なんかとは関係ないわな、住む世界が違うっていうか、・・・でも、なんか気になるなあ。」

  そして人ごみで見えないので、木に登りました。ちょっと恥ずかしかったけれども、ちょっと格好悪かったけど、そんなこと言ってられない、見てみたい、聞いてみたい、と思って、勇気を出して、木に登りました。

  そうすると、どんどんイエス様が近づいてきた。「あれ、なんか俺の方にどんどん来るぞ。あれ、俺の事を見てんのかな?」 そしてね、ザアカイさんのいる木の下まで来て、
「ザアカイよ、急いで下りてきなさい。今日、あなたの家に泊まることにしているから。」

  「えっ? 俺なんかの名前、知ってるの? なんで? うちに来るの? いやー、うちに誰か来るの初めてだ。しかも、あのイエス様だ! いや、まさかうちに来てくれるなんて。」

  「どうぞ、どうぞ、いいんですか本当に、俺んちなんかで? いやー嬉しいなあ。」
なんと、イエス様はザアカイさんの所に来たんですね!

4.まあザアカイさんは嬉しかったと思います! 自分なんかとは、およそ縁のない、自分の人生とはおよそ関係がないと思っていたイエス様が、ちゃんと自分のことを知っていてくれた! 名前を知ってただけじゃない、イエス様はザアカイさんがどういう人か、取税人である事も勿論知ってる、ザアカイさんの心にどんな罪があるかも勿論知ってる、そしてザアカイさんには救いが必要だ、ゆるしが必要だ、神様の愛が必要だ、そういう事も全部分かっている。 それで、たまたまザアカイさんの所に来たんじゃなく、わざわざザアカイさんの所に来たんです。

  さて、ザアカイさんはイエス様を迎え入れて、そしてイエス様の愛が分かった神様の愛が分かった。 お金よりも、もっと大事なのは、愛だ! 神様からもらう愛だ!そして、その神様の愛を皆と分ち合う事だ! と分かって、そして今までの罪を全部、悔い改めました!
「イエス様、私は誓います。約束します。自分の財産の半分を貧しい人にあげます。

  また、誰かから税金を取った時に、ウソをついたり、ズルをしていたら、その分を4倍にして返します。」 スゴイね。今まで欲張りだった事、また、悪い事をしていたのを全部、悔い改めました! 救い主イエス様に出会って、生まれ変わった! 救われた!

5.その時に、イエス様がこう言われました、
“きょう、救いがこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである。”

  天から来られたイエス様は、ザアカイさんの所にも来ました。 そしてザアカイさんは救われました! ザアカイさんも心が迷子だったけど、イエス様が探しに来てくれたんですね!

  今日、今から洗礼式を行います。なんと教会のお隣に住んでいるご夫妻です。去年、この新会堂が建つ少し前に、先にお隣に家を建てて、住んでおられました。 そうしたら、この東京教会がここに、お隣に引越してきた訳です。 でもね、これはたまたまじゃないんですね! ザアカイさんのように、まあ取税人じゃないけれども、でも、やっぱり心に救いを求めていたご夫婦の事を、イエス様は名前だけじゃなく、知っていて、なんと教会の建物ごと近づいてきて・・・しかも、最初は奥さんと子ども達だけ来てましたけれども、なんと後からご主人も来られるようになって、新会堂が隣りに来てから一年後、ご夫婦そろってイエス様を信じて洗礼を受けるという、これは正に、イエス様の救いの業ですね!!! イエス様はご夫妻を、いえ、ご一家を探しに来られたのです! そして見つけたのです!

  このご夫婦だけではありません。イエス様は全ての人の名前も心も全て知っていて、そして一人一人の心に近づいて、救いを与えよう、神の愛を与えよう、あなたの心の中に、わたしを迎え入れて下さい、と呼びかけられるのです!





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