2010年11月21日礼拝

2010年11月21日

ルカによる福音書　5章 29～32節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜罪人と交わるイエス様＞

「健康な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは、
　義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」
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１．今日は伝道礼拝ですので福音書を開きます。前回、と言っても８月でしたが、この同じ箇所の前半を開きました。つまり、レビという取税人、別名マタイがイエス様に目をとめられ、「わたしに従ってきなさい」と言われて、その一言で、レビは取税人の仕事も何も全てを捨てて、イエス様に従った、１２弟子の一人になったという場面でした。

　　それで、レビはすごい盛大なパーティーを、食事会を開いた。２９節。　結婚披露宴ぐらいの感じだったんでしょう。それぐらい、「こんな私が救われた！イエス様に目をとめてもらった！そして弟子になった！」という喜びが大きかったんでしょう。そして、この喜びを他の取税人仲間にも分けたい。仲間たちにもイエス様に出会わせたい、イエス様を紹介したいと思ったんでしょう。　お金にももう執着がないから、ケチらないでバンバン料理も出して、どんどん皆、食べてくれ、誰でも来ていいよという感じだったんでしょう。　町の人もビックリしたでしょうね、「あれ、金にがめつい取税人のレビが、エライ気前良くなって。ずいぶん変わったなー」と。

２．ところが、それを冷たーい目で見ている人達がいました。それがパリサイ人や律法学者たち。　「パリサイ」という言葉の意味は「分離した（された）者」という意味です。この時より何百年も昔からあるグループなんですけども、元々は良い目的で始まったグループなんですね。神様から与えられた律法を完全に守ろうとした。そして「罪」から分離しようした、あらゆる罪から分離して、正しく生きようとした。それが「パリサイ」という事です。だから、元々は良い目的で始まったのです。　けれども、罪から分離するのは良いんだけれども、「だから私たちは罪人とは交わらないんだ。自分たちは特別にきよいんだ。正しいんだ。偉いんだ」という高ぶりになってきた。

　　これはどんな事でもそうですけども、元々は良い目的で始まった事でも、例えば、病院、医療とか、福祉関連の色んな活動とか、元々は良い目的で始まった事でも、そこに人への愛が無くなり、そしてやってる人が高ぶってしまうと、本当に本来の目的を、命を失ってしまう、堕落してしまうという事がよくあります。　良い事のため、人のため、愛のためだった筈なのに、いつの間にか、お金のため、出世のため、名誉のためになってしまう。

　　パリサイ派の人たちも、元々は神様の御心に従おう、というのが目的だったのに、何百年の間に、すっかり神様の御心からそれてしまっていました。

３．それでこの時もイエス様と弟子たちを批判した。
３０節、「どうしてあなたがたは、取税人や罪人などと飲食を共にするのか」。

　　前もお話した通り、取税人と言うのは、当時のイスラエルを支配していたローマ帝国に雇われて、仲間であるユダヤ人から税金を集める仕事です。しかも、多くの取税人が不正をして必要以上に多めにお金を集めて、自分の財産にしていた。　場合によっては、借金取りみたいにガラの悪い連中を使って、「オイコラ、税金払わんかいっ」という感じだったかも知れません。　ですから、取税人と言えば、軽蔑すべき、ハイエナのような、汚ねえ奴らだ、ユダヤ人の恥だ、というふうに嫌われていた。

　　ですから、パリサイ人の気持ちも分からんでもない。「イエスという人は、何であんな連中と食事をするのか？」と。　あるいはまたイエス様は、いわゆる淫らな商売をする女性たちにもよく話をされました。

　　私も、クリスチャンホームで比較的真面目に育ってますから、もしイエス様の周りに、ヤクザみたいな人とか、喋り言葉もガラの悪そうな、あるいは化粧や格好の派手な女の人たちばかり集まっていたら、ちょっと入りにくいと思います。

４．けれども、この「どうしてあなたがたは、取税人や罪人などと飲食を共にするのか」という質問の答えを一言で言うなら、それは、イエス様が彼らを愛しているから、です！

　　イエス様は罪人を愛している。　それは罪を愛しているという事では、勿論ありません。罪は憎んでいる、というより悲しんでいる。　彼らの今まで犯してきた罪を思う時、その話を聞く時、本当に悲しくなったと思います。

　　私も、牧師だから特にそうなのか、色んな人が罪を犯したという話を聞くと、本当に悲しくなります。「それくらい、皆ありますよねー、まあしょうがないですよ」なんて、絶対に思えません。　「この人もそうだったのか･･･」と、とても残念に思う。　ウソをつかれるだけでも、とてもガッカリしますね。「人間なんて二度と信じるもんか」と思います。

　　罪っていうのはそれくらい、人の心を傷つけ、人を悲しませます。ましてやイエス様は、人間の罪を誰よりも、一番悲しまれるのです！　この取税人レビのこれまでの罪を本当に悲しんだでしょう。集まってきたほかの取税人仲間や、あるいは遊女のような人たちの罪を思うと、本当に悲しかったでしょう。

５．けれども、イエス様は「罪人」の「罪」を悲しむ以上に、「罪人」である「人」を愛する思いの方がもっと強かったんですね！　私たちの「罪」を悲しむ思いよりも、私たちを愛する思いの方がもっと大きかった！　そうでなければ、一緒に食事なんかしないし、わたしに従ってきなさい、とも招かないでしょう。「罪を憎んで人を憎まず」と言いますが。

　　この人たちが罪人である事は、パリサイ人に言われなくたって、誰よりイエス様が一番よーく分かってるんです！　過去も現在も、心の中も全―部見えるんだから！　それでも愛している！　だから、共に交わるんだ！　だから、パリサイ人と間逆ですね。彼らは罪人と分離する。けれどもイエス様は罪人と交わる！

６．イエス様はこう言われました、“健康な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。”

　　心が、魂が健康な人は一人もいないのです。　なぜなら人間は皆、罪人だからです。だから魂の医者であるイエス様が必要なのです。

　　イエス様が来たのは、罪人を招くため。罪人を自分の元に呼ぶため！　罪人を招いて、罪を悔い改めさせ、そして罪を赦し、きよめ、新しい命を与えるためです！！！だからイエス様の元に罪人が集まるのは当たり前！

７．つくづく思うんです。イエス様は本当に、罪人を「わたしのところに来なさい」って、一人一人の心に声をかけて、招いておられるんだなー、と。　そして、「自分は罪人だ。赦されないといけない、救ってもらわないといけない、イエス様と言う医者、救い主が私には必要だ」と自覚している人が、イエス様の元に来るんです！　そして救われるんです！　罪深い私たちを愛して招いて下さる、イエス様の元に皆で行きましょう！！！

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