2010年4月11日

ローマ人への手紙　5章 17〜21節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ アダムとイエス ＞

「罪が死によって支配するに至ったように、恵みもまた義によって支配し、
　わたしたちの主イエス・キリストにより、永遠のいのちを得させるためである。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ローマ人への手紙　5章 21節）


１．新年度になりまして、今日から新中学生たちも大人の礼拝に加わるようになりました。子どもの成長は早いものです。　ところで、親子というものは本当に似ているものですね。顔かたちや体質も似ていますし、性格もやっぱり父親・母親に半分ずつ似てる。良い所も悪い所も似ている。　更に親だけでなく、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんにも似てる訳ですね。　それはやはり遺伝子が受け継がれてるからだと思います。　ですから人間というのは一人一人、別々なんだけれども、また繋がっているとも言える訳です。

　　そう考えますと、ずーっと先祖を辿っていきますと、世界中の全ての人間というのは、一番最初の人間、アダムさんに辿り着く訳です。　全ての人間はアダムの子孫であって、遺伝子を受け継いでいます。　例えて言うならば、一本の柿の木みたいなものです（季節が違うけど）。木になってる一つ一つの柿は別々のようだけれども、皆、同じ一本の柿の木から生えてきてる訳です。　聖書を見ますとそのように、一人一人別々であるけれども、また全ての人間を一体として捉えているんですね。


２．今日の箇所ではアダムさんの事とイエス様の事が対象的に書かれています。アダムさんとイエス様は、それぞれ違う意味で全人類に凄い影響を与える訳ですね。　１２節、「このようなわけで、ひとりの人によって、罪がこの世にはいり、また罪によって死がはいってきたように、こうして、すべての人が罪を犯したので、死が全人類にはいり込んだのである。」

　　一番最初の人間アダムさんとエバさんが、エデンの園で、神様との約束を破ってしまいました。　創世記２：１７で言われました、「善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬであろう。」　けれども、神様の言葉に背いた、自分の生みの親である、一番大事な神様に背中を向けた。これが罪です。

　　「たったそれだけの事で？」と私たちは思うかも知れません。　私たちは余りにも簡単に約束を破ったり、簡単にウソを言ったり、罪を犯す事、正しくない事をする事に慣れすぎているので、罪をなんとも思わなくなってしまっているかも知れませんが、これは小さな事ではありません。

　　その人の事を愛していればいる程、その人に約束を破られるとか、嘘をつかれるというのは、本当に心が苦しい、ゆるしがたい裏切りですね。　その人を一番愛している、一番信頼している、まさか裏切らないだろう、まさか私に嘘は言わないだろう、そういう関係なのに、裏切る。　それは正に、その関係にヒビが入るどころか、夫婦で言えば離婚、友だちで言うなら絶交。　アダムが犯した罪は、神様との関係が完全に断たれた、壊れたという事です！　そして、神様から切り離されるという事は、イコール、命を失う、死ぬという事です！


３．「じゃあそれなら、罪を犯したアダムさんとエバさんだけ、死ねばいいんじゃないですか？　他の人間は関係ないでしょ」と思うかも知れないけれども、そうではないんですね。神様に背いたアダムさんとエバさんから生まれてきた全ての子孫、人間は、みな罪の性質を受け継いでいる。そして、全ての人間が死ぬ運命になってしまった。　さっき柿の木の話をしましたけども、渋柿の木のようなものです。渋柿の木になる実は、全部、渋柿ですよね。それと同じです。　アダムが犯した罪と死の影響は全ての私たち子孫に及んだ訳です。これが凄い罪と死の力、影響力、支配力です。　事実その証拠に、罪を犯さない人間は一人もいないし、死なない人間は一人もいない訳ですね。１２節。


４．ところが、そのようなマイナスの支配力に対して、もっと凄いプラスの力が来た訳です。それがイエス様です！　１５〜１６節。　アダムさんは罪を犯しましたが、イエス様は、全く罪の無い神の御子です。父なる神様の言葉に背いた事は一度もないし、そして永遠に罪を犯す事は無い、完全に義しい方です。　そのイエス様が人間になって下さった。

　　ちょうどオセロゲームに似てると思うんですね。アダムさんは罪の黒いチップ。そしてイエス様は正しい白いチップです。　オセロゲームでよくこういう事がありますね。一列、白が結構並んでいたのに、一枚の黒いチップを置く事によって、全部、黒・黒・黒・・・になってしまった。　ところが、その後、もう一枚の白いチップを置く事によって、今度は全部、白・白・白・白・・・に変わるという。

　　そのように、アダムの黒い罪と死の力よりも、イエス様の真っ白い義しさと命の力の方が、もっと遥かに強いという事です！　１７節、「もし、一人の罪過によって、その一人を通して死が支配するに至ったとすれば、まして、あふれるばかりの恵みと義の賜物とを受けている者たちは、一人のイエス・キリストを通し、命にあって、さらに力強く支配するはずではないか。」


５．まさに先週イースターでお話したように、イエス様が全人類の全ての罪を引き受けて、それをヨミで支払って下さり、そして復活された訳です！　イエス様の義と命の力の方が、罪と死に勝った訳ですね！

　　そして、一人の男の子がこのイエス様を信じて洗礼を受けました。つまり、イエス様につながる、イエス様に結ばれる事によって、黒から白にされた訳です！　イエス様の義と命の力をもらった訳ですね！　１８〜１９節。


６．このような救い主イエス様を私たちに与えて下さった、という事が、本当に神様の恵みですよね！　この世の法律っていうのは、「恵み」というのは無いですね。罪を罰するだけ。恵みで赦されるというのは無い。けれども本当に父なる神様は恵み深い。　２０節、「しかし、罪の増し加わったところには、恵みもますます満ち溢れた。」　アダムさんの罪からはじまって、人間の罪はどんどん大きくなっていって、偶像礼拝はする、人殺しはする、戦争はする、自然は壊す・・・。普通、罪はどんどん大きくなったら、さすがに愛想が尽きてきて、一度や二度は許しても、「もう知るもんか」となる筈です。　何回、罪を犯すんだ、何回、嘘をつくんだ、何回、約束を破るんだと。ところが「罪の増し加わったところには、恵みもますます満ち溢れた。」


７．“それは、罪が死によって支配するに至ったように、恵みもまた義によって支配し、わたしたちの主イエス・キリストにより、永遠のいのちを得させるためである。”

　　確かに罪の力は強い、死の力は恐ろしい。　また、クリスチャンであっても罪を犯してしまう事もある。　けれども、神様の恵みの方が大きい！　イエス様の義しさと永遠の命の力の方がはるかに強い！　この事を感謝して、しっかり信じて、イエス様につながり続けて行きましょう！





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