2010年2月14日

ローマ人への手紙　3章 21〜28節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神の義をもらう ＞

「すべての人は罪を犯したため、神の栄光を受けられなくなっており、
　彼らは、価なしに、神の恵みにより、キリスト・イエスによるあがないによって
　義とされるのである。」
　　　　　　　　　　　（ローマ人への手紙　3章 23〜24節）


１．今日もローマ人への手紙を開いてまいります。これまでの内容を振り返りますと、真の神様は、全ての人間にご自分の事を教えておられる・・・それは神様が造られた自然や生き物などを通して、ハッキリと神様の存在を語っておられる。
　　そして次に人間の心に良心を与え、特にユダヤ人には律法という神の国の法律・ルールを与えて、何が正しい事で何が悪い事かを教えておられる。そして、そのように全ての人の善悪を判断され、見ておられ、最後にその善悪を裁かれる神様がおられる事を、教えておられるという事でした。

　　人間は、自分を造られたこの父なる神様を認め、敬い、そして神様のルールを守って正しく生きていく事が本来の生き方であり、幸せで安心な事なのですけども、しかし全ての人間はこの神様の元から離れた状態、迷い出た状態にあると語られています。　そして、人間は神様から離れていくと、どんどん罪深い方向に行き、堕落してしまい、遂には神様の激しい怒りを受けなければなりません。

　　その中でユダヤ人たちは、自分たちは大丈夫だ、と高をくくっていました。自分たちは先祖代々、神様に選ばれた、神様に用いられてきた特別な民族だし、律法も知っているのだから大丈夫、神様の怒りを受ける事はないと思っていました。


２．けれどもパウロさんは、ユダヤ人だろうが何だろうが、全ての人は神様の前に罪人であると語っています。３：９〜１１、「ユダヤ人もギリシャ人も、ことごとく罪の下にある」「義人はいない、ひとりもいない。」

　　スゴイですね、聖書って。ハッキリ断言する。　私たちは、「いやー、そんな事もないんじゃないですか。そらぁ悪い人もいっぱいいるだろうけど、中には正しい人も結構いるでしょう。一人もいないなんて、そんな・・・」と思うかも知れない。

　　確かに、「良い人」っていうのは結構いるかも知れない。非常におおざっぱな言い方で、「あの人は良い人だ」とか、人の基準から見て「まじめで優しい善良な人だ」と思える人はいるかも知れない。けれども、その人は「義しい人」なのだろうか？　もし心の中を見た時に、本当に「義しい人」は果たしているのだろうか？　わりあい良い人に思える人はいくらでもいる。けれども、本当に罪のない人はいるのか、義人はいるのか？　神様が全ての人の心をご覧になる時、ハッキリと「義人はいない、ひとりもいない」と言われるのです！　１０〜１２節。「すべての人は迷い出て、ことごとく無益なものになっている。」


３．１３〜１４節、言葉について。人間は言葉を巧みに話す生き物です。しかし、その言葉は心の中にある罪を表してしまいます。　言葉の中に人を傷つけるトゲがあり、人を害する毒があり、ナイフがあり、死がある。　学校や職場で、仲間になろう、人間関係の輪に加わろうと思ったら、人の悪口を言わないといけない。人の悪口を一緒に言い合う事で、仲間になろうとする。　家庭ではどうでしょう。人の悪口で家族で盛り上がる事はないでしょうか。もはや人の悪口を言う事が癖になってしまっている。タバコのように。

　　次は行動について。１５〜１７節。　どうでしょうか、人間というのは平和を作り出すよりはむしろ、争うこと、戦うこと、壊すこと、自分のために人の血を流すような行動に速く動くという。

　　そして、それらの罪は根本的に言うと、１８節。「彼らの目の前には、神に対する恐れがない。」　神様を意識するとか、神様の御心や願いを考えて、神様の前に正しく生きよう、神様に喜ばれる生き方をしよう、なんて思いがそもそもない、と言うのです。


４．どうでしょうか。「いいえ、そんな事はありません。私は言葉で人を傷つけたり、悪い言葉を口から出すような事は決してしないし、誰とでも仲良くやって、いつも平和で、人と争う事なんてないし、それに神様をいつも大切に生きています」と、言い得る人が一人でもいるでしょうか？

　　大事な事は、「私はそんな罪人ではありません。そんなふうに言われる事はありません。真面目に生きてきましたから、わりと義しい人間です。」と言って、自分の義しさ、自分の義を主張するのではなく、「自分は確かに義人ではない。心に罪がある、神様の前に罪人だ。このままでは天国に入れない、地獄に捨てられても仕方の無い罪人だ」と認める事です！

　　自分の義しさで、天国に入れる人はこの世に一人もいないのです！　いくら正しい行いをいっぱいしようと努力したとしても、自分の義しさで神様の前に堂々と胸をはって出られる人は一人もいないのです！　「私には何らやましい所はありません」と聖なる神様の前に出れる人は一人もいないのです！

　　私は子どもの頃にそれに気づきました、「ボクには悪い心があるから、死んだら天国には入れてもらえない」と思って、それから不安で怖くて、毎日泣く日々が続きました。


５．人間は自分の義では絶対に天国にいけない。しかし、こう書いてあります。２１〜２２節、「神の義が・・・現された」！　何度も言いますが、人間は誰も自分の行いや自分の義しさでは救われない。けれども、なんと「神の義」、神様の義しさをもらう事が出来るようにして下さったというのです！　それはどうやって与えられるのか、神の御子イエス様を信じる事によって、誰にでも与えられるのです！

　　「イエス・キリストを信じる信仰による神の義であって、すべて信じる人に与えられるものである。」

　　神様の義、神様の義しさは、当たり前ながら完璧な義しさです。その神様の義しさを、信じる私たちのものにして下さる！　本当は罪人なのに、イエス様を心から信じるだけで、「あなたは義人だ」と言う事にしてもらえるという事です！　これはスゴイ事でしょ。

　　２３〜２６節、“すべての人は罪を犯したため、神の栄光を受けられなくなっており、”ところが・・・“彼らは、価なしに、神の恵みにより、キリスト・イエスによるあがないによって義とされるのである。”

　　悪い人間になりたいなんて思ってる人はいない（たぶん）、皆、本当はいい人間になりたいと思ってる。でもなれない。それくらい全ての人間の心の奥には、どうしようも出来ない罪の性質があるのです。人間は自分の力では罪を無くせないのです。　けれども、神様は人間を見捨てない。ならば、神の義を与えよう！　神の義しさを与えよう！　人間の全ての罪を御子イエス様に背負わせ、身代わりに十字架につけた。この御子イエスを救い主と信じる者に、神の義を与えよう、義人と認めよう、として下さったのです！！！


６．ですから、「救い」っていうのは一方的な恵みなんです！　私達は何も頑張ってないのに、というか何も出来ない、どうしようも出来ないのに、神様の側から一方的に与えてもらえる恵み、プレゼントなんです！

　　すると、誰も自分を誇れません。私は良い事いっぱいしたんですよ。スゴイでしょ。偉いでしょ、なんて誇れない。２７節。


７．“すべての人は罪を犯したため、神の栄光を受けられなくなっており、彼らは、価なしに、神の恵みにより、キリスト・イエスによるあがないによって義とされるのである。”

　　本当に父なる神様は、愛のお父さんです！　私たちに必要な事は、「すべての人は罪人･･･私もその罪人の一人だ」と素直に認め、へりくだって、救い主イエス様を信じ、救いの恵みを、素直に感謝していただく事です！




　　　　　　　　このペ−ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る