2010年1月10日
ローマ人への手紙 1章 14～17節
＜ 福 音 ＞
「わたしは福音を恥としない。それは、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、
すべて信じる者に、救いを得させる神の力である。」
（ローマ人への手紙 1章16節）
１．新しい年が始まりました。今年も神の言葉である、聖書の御言をご一緒によく噛んで食べて参りましょう。
今年の主日礼拝ではローマ人への手紙を開いて参ります。ローマ人への手紙を書いたのは、最後にイエス様の弟子とされたパウロです。 パウロは当時の地中海周辺の世界にイエス様の事を伝えるために何度も旅をした訳ですが、その第三回目の伝道旅行の終わりの方でこの手紙を書きました。送り先はローマにある教会あてです。
ローマと言えば、当時の世界の中心地です。世界を支配していたローマ帝国の首都です。日本で言うなら東京、アメリカで言うならニューヨークです。全ての道はローマに通ず、というくらいですから、政治、経済、軍事力の中心で、また世界中の色んな所から人々が移り住んでいました。 都会というのはそうですね。そして当然ながら罪もいっぱいある。罪の中心地とも言えるでしょう。そしてローマ帝国は皇帝を神として崇めていました。
しかし、そんなローマにもクリスチャンたちがいて、そして集まって、家の教会が自然に出来ていました。 パウロは実はローマに行きたかったのです。当時のこの世の世界の中心地ローマに行って、イエス様の福音をしっかり教えて、教会をしっかりさせて、そしてローマから更に世界中に福音が広がる事を願っていたんですね。ですから、このローマ人への手紙は、福音の教え（教理）がとてもしっかり、きちんと順序よく語られているのです。そのために書かれた手紙ですから。
２．では早速読んでいきましょう。１～３節ａ。
「福音」とは
「良い知らせ」という意味ですが、つまり父なる神様から全ての人への良い知らせ。それは「救いの知らせ」。つまり「あなたがたの神様に対する全ての罪が赦され、神様の子どもとして回復される、もう一度、父なる神様の子どもに戻る事ができる、その救いが与えられますよ！」という良い知らせです。 パウロはまさにこの良い知らせを伝えるための神の僕となった訳です。
では、その「救いの良い知らせ」の中心は何かというと、
神の御子（ひとり子）イエス・キリスト様です。「この福音は・・・御子に関するものである。」
３．３節ｂ～４節。では、イエス・キリストとはどういう方か。ここで二つの面が語られています。
「肉によればダビデの子孫から生まれ」。つまりイエス様の人間としての面を言うと、ダビデ王様の子孫として、ヨセフさんとマリヤさんという夫婦の間に来られた。ヨセフさんと血はつながっていません。まだヨセフと結ばれていない、おとめマリヤのお腹を通して、神様の力によって生まれてきたんですから。
けれども、私たちと同じ人間として、人間の歴史の中に実際に来て下さったという事です。
そして「
聖なる霊によれば、死人からの復活により、御力をもって神の御子と定められた」。つまりイエス様の神としての面を言うと、それは色んな事に現されていますが、最大の事は、十字架に架かって完全に死んで、陰府（よみ）に下られたのに、そこから復活された。つまり「死」に勝利する、「死」よりも「イエス様の命」の方が勝つ、「闇」より「イエス様の光」の方が勝つ、「死の力」を支配する事が出来る･･･そんな事が出来るのは神様しかいない！ イエス様が「神の子」である最大のしるし！
“これがわたしたちの主イエス・キリストである。” 人間を救うために、罪深い人間の中に来て下さった、そして私たちを罪の罰である死と滅びから救って下さる神の御子、これがわたしたちの救い主イエス・キリストです！ この方を信じる事によって救われる、これが「福音」、良い知らせです！
４．さて、パウロはこのローマにいるクリスチャンたちに会いたかった。何のためか、それは最初に言ったように、
彼らの信仰を力づけたかったから、励ましあいたかったから。
というのは、クリスチャンっていうのは、一人だけの信仰だと弱いんですね。ローソク一本だけの火みたいなもんです。一人だけで強いクリスチャンなんて誰もいません。
だ
から教会の交わり、クリスチャン同士の交わりがとても大切なんです。 教会の交わりから離れると、途端に信仰が消えそうになってしまう。群れから離れた羊とか鹿みたいなもんで、それを狙ってる猛獣がいる訳ですから。
８～１２節、
ですから皆さん、今年もいよいよ心を合わせて、祈り合い、励ましあって、ともに進んでいきましょう！
５．１６節、
“わたしは福音を恥としない。それは、ユダヤ人をはじめ、ギリシャ人にも、すべて信じる者に、救を得させる神の力である。”
この言葉がローマ人への手紙の中心、もっと言うと聖書の中心と言ってもいい言葉です。
人間というのは、どこまでいっても高慢というか、間違ったプライドを持っているというか、人間というものを過信しています。つまり、人間というのは自分の力で良くなれるとか、自分の賢さで良い方向に進化できるとか、神様やキリストさんに救ってもらわんでも自分で自分を救うわい、なんとかしたるわい、と思ってしまう。 神様なんか信じるやつはアホじゃ、とか、弱いんじゃ、とか言う。
けれども、人間の力で、人間の賢さで、人間は救われるのか、人間は良くなれるのか？ 一時的な楽しみは作り出せても、本当の幸せを作り出せるのか？ 医学は進歩しても、「死」の問題を克服できるのか？ 心理学は進んでも、人間の心に本当の安心、安らぎを与えられるのか？
人間が作るものは全て砂の城みたいなものです。やがて壊れてしまうものしか作れない。ずっと変わらないものは作れない、ずっと無くならないものは作れない。そして「命」を奪えても、作り出す事は出来ない。
６．本当に人間にとって必要なものは、神様にしか与えられないのです！
人間がどう頑張っても、どうあがいても出来ない事、それは自分で自分を救う事です！ 自分の力や知恵で、自分を救えない。ましてや誰かを救えません。 色んな事で一時的に助ける事は出来るでしょう。 けれども、どう言いますか、
そのままでは滅びに向かっていく一人の人間という「存在」を、犬や猫と違う、「魂」や「心」をもった人間という存在を、真の意味で救う事が出来るのは、神様しかいない！
そして、その「救い」は神を信じる事によってのみ与えられるのです！
“すべて信じる者に、救を得させる神の力である。”
人間の力で出来ない事を認めて、それが出来る神様の力をただ信じる、という事です！
⑦．１７節、
神の義は、その福音の中に啓示され、信仰に始まり信仰に至らせる。これは、「信仰による義人は生きる」と書いてあるとおりである。”
難しい事を考えなくたって、毎日のニュースを見れば誰でも分かる、人間はどこまでいっても罪人なんです。自分で自分を良くする事も、世界を良くする事も出来ないんです。自分を過信し、人間を過信して、神を信じないからです！ 神を無視して、神から離れて生きているからです！ 人間の罪深さ、愚かさを認め、そして真の神様を認め、おそれ敬い、信じる者を、神は救い、生かして下さるのです！
どうか今年、父なる神様を、御子イエス様を、いよいよ深く、強く信じていきましょう！
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