2009年9月20日
　
ルカによる福音書　3章 15〜22節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神の子に戻して下さる方 ＞

「あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　3章 22節）


１．新型インフルエンザがまた流行っておりますが、予防のためにはどうするかと言うと、水でよく手を洗う。そして水でウガイをする事だと言われています。ウイルスが体の中にはいるのを防ぐためです。 しかし、いったんウイルスが体の中に入ってしまったら、これはいくらゴシゴシ手を洗っても、またウガイをしても意味がありません。体の中のウイルスを水で洗い流す事は出来ない訳です。何が言いたいかと言いますと、人間の罪もまた同じだと言う事です。


２．「水」と「火」という事を考えてみたいと思うのですが、今日の聖書の箇所でバプテスマのヨハネがこう言いました、16節
　　 “わたしは水でおまえたちにバプテスマを授けるが、わたしよりも力のあるかたが、おいでになる。 ･･･このかたは、聖霊と火とによっておまえたちにバプテスマをお授けになるであろう。”

　　ヨハネはイエス様が来られる前の道備えとして、人々にヨルダン川で罪を悔い改めさせるバプテスマを授けていました。真面目な思い、真剣な思いでバプテスマを受けに来た人々は、自分のこれまでの罪を、思いつく限り悔い改めた事でしょう。 「神よ、あの事、この事、私のこれまで罪をおゆるし下さい」と。それは大事な悔い改めですけども、しかし「あんな罪を犯した、こんな罪を犯した」というのは、言うなれば外側の罪、外に現れてきた罪です。
　　なぜ、人が罪を犯すのか、それは人間の内側に罪の性質があるからです！　表面は良い人に見える人であっても、人は誰でも心の奥深くに罪の性質を持っている訳です。つまり、神様の御心に背く性質です。


３．「水」は体の外側を洗う事は出来ても、内側を洗う事は出来ません。「水」というのは、あくまでも表面についた汚れを落とすのであって、中は洗えない。じゃあどうするか。

　　もう一つ身近な譬えで言いますと、魚を調理して食べようとする時、まず表面を水で洗い流すでしょう。新鮮な魚は生でも食べれるでしょうが、当ったら恐い魚などは、火で焼く、火を通す訳です。　中身を清めようと思ったら、「火」を中まで通す必要があります。私たちの内側の「罪の性質」、ここに「聖霊の火」を通して清めて下さるのが、イエス様だという事です！
　　“このかたは、聖霊と火とによっておまえたちにバプテスマをお授けになるであろう。”

　　つまり、イエス様は私たちの表面だけじゃなくて、内側を、その心の奥、人格の奥、霊の奥まで火を通して、本質的に造り変えて下さるお方だ、という事です！

　　瞬間的に、全部完璧に造り変えて下さるというよりも、人生の時間をかけて、一つ一つ気付かせ、祈らせ、訓練し、一歩一歩、完成を目指して造りかえて行って下さるのです！魚でも一瞬で火が通る訳ではないでしょう。じっくり火を通すのです。

４．さて、このイエス様がバプテスマのヨハネから水の洗礼を受けました。 イエス様は神の御子ですから、何一つ罪はありません。ですから罪を洗う必要なんて無いんです。けれども、この時、バプテスマを受けられたのは、私たちと同じ罪人の位置に立たれた。

　　更に言うならば、私たち全ての人間の罪を背負って、罪人として洗礼を受けられた訳です！ですから、このイエス様の洗礼にも、身代わりの十字架に通じる意味合いがある訳ですね。

　　この時、天から声がした、21〜22節、
　　“あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。”　つまり、天の父なる神様、御子イエス様に対して、「あなたはわたしの愛する子供、神の子だ。そして、あなたの性質は、一点の罪も無く、きよく、正しく、また愛に満ち、わたしの心にかなう者だ」と言われたのです。

　　まあ、当然と言えば当然ですね。だって、神の子イエス様なんですから。父なる神様の心にかなうのは当たり前ですよね。

　　さあ、しかしここが大事なところですけども、先ほど、イエス様は私たちの心の奥から聖霊と火によって清くしていって下さると言いましたが、じゃあどれくらい私たちを清くして下さるのかと言うと、このイエス様のように、神の御子のイエス様のように清くしていって下さるのです！
　　“あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。”と、イエス様が言われたように、私たちも　“あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。”と言ってもらえる者に造りかえて下さる、という事なんです！


５．正確に言いますと、私たちはイエス様を信じる時に、「あなたはわたしの愛する子」とされています！ 性質はまだ御心にかなわない部分が多々あるでしょうけれども、もうイエス様の救いのゆえに、イエス様を信じた時に、「あなたはわたしの愛する子、神の子ども」にしてもらったのです！ でも、まだその性質はイエス様と同じようにはなっていない、いつも「わたしの心にかなう者」、神の御心にかなう者になってはいないでしょう。

　　でも、イエス様は、聖霊と火を通して、イエス様と同じような性質になるまでに、心の奥から造りかえていって下さる、神の御心にかなう者にして下さるのです！


６．この後に系図が書かれています。カタカナが多いですが、読んでみましょう。23〜38節、つまり、イエス様は一番最初に造られたアダムさんから始まる、全人類の中に、同じ人間となって来て下さった、私たち人間を救うために来て下さった、という事をこの系図が語っている訳です。

　　実はそれだけではありません。最後の38節は「･･･アダム、そして神にいたる」と書いてありますけれども、これが新改訳聖書だとこう訳されています、「･･･このアダムは神の子である。」

　　そもそも一番最初に造られた人間アダムは、罪が全くない、純粋無垢な、生まれたての赤ちゃんのような、そんな神様の子どもになるべく造られた訳ですね！　まさに“あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。”という存在、それが本来の人間の状態なのです。けれども、悪魔に誘惑され、神様との約束に背いてから、神様の子どもとしての、立場と性質を失ってしまった訳です。

　　けれども、救い主イエス様は、十字架による救いによって、私たちをもう一度、神様の子どもの立場に回復して下さり、戻して下さり、そして、その性質も、神様のみこころにかなう者に回復させて下さるんですね！


７．まさしくイエス様は救い主です！ どうか、聖霊と火によって、私たちの心の奥の奥から、造りかえて頂きましょう！




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