2008年12月28日

創世記　50章15〜21節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 創世記のしめくくり ＞

「あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、神はそれを良きに変わらせて、
　今日のように多くの民の命を救おうと計られました。
　それゆえ恐れることはいりません。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（創世記　50章20〜21節）


１．クリスマスの集会も祝福のうちに終り、こうして今年最後の日曜礼拝を迎えました。今年一年、お一人一人に色んな事があったでしょうけれども、そんな大変な中にも守られ、支えられ、生かされて、一年間歩んでこれた事を覚え、主に感謝しつつ最後の数日を過ごして頂きたいと思います。そして、来る新しい年も主がいよいよ祝福し、導いて下さる事を信じ、希望をもって新しい年を迎えましょう！


２．さて、今年最後の礼拝の御言は、創世記の一番最後の章、５０章を開いて締めくくりたいと思います。思い出して頂きたいのですが、父イスラエルは死んだと思っていた最愛の息子ヨセフに（約２０年ぶりに）再会する事ができ、そしてヨセフと共に家族一同エジプトの地に移住しまして１７年間過ごしました。勿論、エジプトでの暮らしはあくまでも仮住まいです。待遇は非常に良くて、飢饉の時代にあって何不自由なく暮らせた訳ですけれども、いずれ帰るべき故郷・都はカナンの地でありました。

　　私たちもその事を常に覚えていたいと思います。この世というエジプトにあって、時には何不自由なく暮らせる時もあれば、また奴隷のように苦しめられる時もあるでしょう。けれども、やがて帰るべき永遠の故郷は天の御国である事を常に心に留めていましょう！


３．さて、そのように晩年、とても幸せな日々を過ごした父イスラエルでしたが、いよいよ高齢となりまして、父イスラエルは最後に孫と息子たちを一人一人を呼んで祝福し、そして遂に死んで、天国に召されていきました。（49章28節〜50章3節）（ミイラに？）


　　こうしてヨセフと兄弟たちは、大勢の家来を引き連れて、父イスラエルの遺体を遠く離れたカナンの地にある墓地にまで運んでいって、盛大なお葬式が行われました。やがて天国で再会できるとは言っても、やはりこの地上での別れ、特に親との別れは寂しいものです。合計77日の間、父のために泣きました。

　　さて、父の死後、兄弟たちに一つの不安がありました。それは、父が生きていた間は、弟ヨセフは父の手前、自分たちに仕返しをしなかった、出来なかったけれども、やっぱり本当は過去に兄である自分たちから酷い目に合わされた事を恨んでいて、父が亡くなった今、復讐するのではないか、そのように恐れていたんですね。

　　15節。確かに、それくらい酷い事を兄弟たちはした訳です。実の弟を始めは殺そうと思った。でも、さすがに自分たちの手で殺すのは気が引けるから、奴隷商人に売り飛ばした。どこでどんな目に会わされて、どこで野垂れ死のうと知った事か、という事ですから。そんなに酷い事をしたんだから、絶対に赦されるはずはない、と思ったのです。


４．そこで兄弟たちは、父のとりなしの言葉も含めて、改めてキチンと心からの謝罪をしました。16〜18節。もはや兄と呼ばれる資格はありません。どうか、しもべとして、召使いや奴隷にされても結構です、と。（放蕩息子のように。ルカ15章18〜24節。）

　　けれども、ヨセフは言いました、１９節「恐れることはいりません。わたしが神に代ることができましょうか」。神が既にあなたがたを赦しておられるのに、私が赦さないなどと言えるでしょうか、と。もし、神様がこの兄弟たちを赦しておられないなら、彼らは罪の罰を受けて、とっくの昔に飢え死にしたか、何かしらの天の裁きを受けたでしょう。しかし、そうではなく、主は罪深い兄弟たちを養い、守ろうと計画されました。神様が赦し、憐れみ、生かそうとされているなら、どうして私が赦さないなどと、受け入れないなどと言えるだろうか、と。ヨセフは本当に心から兄弟たちを赦していました。決してしぶしぶ赦したんではないと思います。私たちは結構、人をしぶしぶ赦す事がありますが、ヨセフはきっと嬉しかったと思います。放蕩息子のお父さんのように、兄さんたちが自分のところに戻ってきた。今度こそ、本当の兄弟になれると！

　　20〜21節。“あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、神はそれを良きに変わらせて、今日のように多くの民の命を救おうと計らわれました。”


５．スゴイと思いませんか？創世記の最後は「ゆるし」で締めくくられているんですね！　ずーっと創世記を開いてきましたが、創世記の最初はどういう始まりだったでしょうか？キャンドルサービスの時にも言いましたが、創世記の最初は、真の神様が天地宇宙を造られ、そして人間を造られた。それは「はなはだ良かった」という素晴らしい世界だった。神と人の関係も、アダムとエバ、人間同士の関係も一心同体、素晴らしかった。

　　けれども、良かったのは1章、2章まで。3章で人間は神様の言葉に背いてしまった、ルールを破ってしまった。そこから色んな人物が登場し、色んな出来事が記されていましたが、みんな罪を犯してしまう訳ですね。カインとアベル、ノアの洪水、バベルの塔、アブラハム、イサク、ヤコブ、そしてヨセフの兄弟にいたるまで、みんな罪を犯す、誘惑に負けたり、人を妬んだり、自己中心だったり、嘘を言ったり、愛情がゆがんでいたり。創世記をずっと読んでいて分かる事は、人間は一人残らず、みんな罪人になったという事です。アダムとエバが神様に背いてから、確かに全ての人が罪を犯すようになった。勿論、自分もそこに含まれています。

　　ですから、創世記の最初から、人間の罪で始まっていった訳ですけども、その最後の章はヨセフが兄弟の罪をゆるす事で締めくくられている。これは造り主なる神様が私たち人間を赦して下さる、罪を悔い改めるなら「ゆるし」があるという、創世記全体のメッセージだと思います！

　　そして、このヨセフの存在がイエス様の事を象徴している訳ですね！ヨセフは言いました、“あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、神はそれを良きに変わらせて、今日のように多くの民の命を救おうと計らわれました。”

　　ヨセフに対して兄弟たちは悪を企んだけれども、神様はかえってそれを皆を救う計画とされました。これはヨセフと兄弟だけの事ではありません。創世記の最初から、人間は神様に対して、罪を犯しました。けれども、神様はそれを良きに変わらせて、神の御子・救い主を遣わし、今日のように多くの民の命を救うご計画をたてられた！最初の人間が罪を犯した時から、救いの計画はもう始められたのです！


７．創世記の時代から、アダムとエバの時代から何千年が経った事でしょう。ずーっとつながって、今年２００８年。一年の終りに、一年の感謝を思いだすと共に、ぜひ一年の反省もしてみて下さい。今年一年間、悔い改めるべき罪もたくさんあったに違いありません。心に示される罪があったら、兄弟たちのようにぜひ悔い改めて下さい。そして、悔い改めたら、全ての罪は赦されている事を信じて下さい！私たちは罪深いものです。今年の歩みもそうだったでしょう。けれども、イエス様の十字架によって、今年の罪も全て赦される事を信じて、イエス様の救いに感謝して、安心して一年を締めくくっていただきたいと思います！



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