2008年10月26日礼拝

2008年10月26日

創世記　46章1～7節
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 一歩一歩を主によく聞く ＞

「

１．さて、創世記の前回の場面は、ヨセフが遂に自分の正体を兄弟たちの前に明かした、という場面でした。勿論、兄弟たちも驚きました。自分たちがかつて売り飛ばしてしまったヨセフが生きていて、エジプトの総理大臣になっていた。けれども、もっと驚いたのは、お父さんであるイスラエル（元の名をヤコブ）でした。兄弟たちから「実はヨセフが生きていて、エジプト全国のつかさになっています」と聞いた時、驚きのあまり気が遠くなったと記されています。（45章25～28節）

　　まあ、父ヤコブの気持ちはどんなだったでしょうか？　もう嬉しくて嬉しくて、我を忘れる程に心が舞い上がったに違いありませんねっ。そして、ヨセフが「お父さん、家族一族全員引き連れて、ためらわずにエジプトに来て下さい。そこで何不自由ないように私が皆を養いますっ」と言ってくれている（45章9～11節）。思わず、父ヤコブは「あーヨセフがそう言ってくれてるなら、早速、今すぐヨセフの元に行こうっ。そしてエジプトに住もうっ。エジプトの王様も、ヨセフの家族なら大歓迎だと言ってくれとるらしいし。早速、引越しじゃっ」と思った事でしょう。

２．けれども、ちょっと待てよ、と思いませんか？確かに嬉しい話です。こんなにいい話はないと思います。けれども、だからと言って、そう簡単にエジプトに行ってしまっていいんだろうか？

　　先祖代々というか、おじいさんのアブラハムの時から、神様は「この土地、カナンの地に留まりなさい」と言われてきたのです。「あなたとあなたの子孫にこのカナンの全知を永久の所有として与える」と。だから「エジプトに下ってはならない」と言われてきました。

　　アブラハムがカナンの地に住み始めた最初の頃も、やはり飢饉があった訳です。それでアブラハムは食料を求めてエジプトに逃げました。奥さんの事を妹だとウソをついてまで。けれども、そこでトラブルがあり、カナンの地に戻されました。お父さんのイサクの時もそうでした（26章1～3節）。「エジプトへ下ってはならない」と。

　　ずーっとそう言われてきたのに、今、自分は、いくらヨセフがエジプトで招いてくれているからって、そう簡単にエジプトに行ってしまっていいんだろうか、という事です。

３．私たちにもそういう事があるでしょう。いい話がやってくると、神様に聞こうともせずに、よく祈りもせずに、スグその話に飛びつくという事が。「こんなにいい話はないじゃないか。こっちの願いもかなうし、都合もいいし、あちらさんもとても喜んでくれている。皆が喜ぶいい話じゃないか。よし、決まりっ」みたいな。けれども皆さん、大事な事は、自分が喜ぶかでも、相手が喜ぶかでもありません。その事が、主なる神様の御心にかなっているかどうか、そこが一番大事な訳です！！！

４．父ヤコブは確かに大喜びで舞い上がった事でしょう。スグにでもヨセフの元に飛んで行きたかった。いるでしょう？わが子の事、孫の事、家族の事となると、神様の事なんかそっちのけで、スグ飛んでいく人。けれども、父イスラエルは偉かった。やはり、ヨセフの元に行く前に、神様の御心を聞こうとしたんですね！果たして本当にエジプトに行っていいものだろうか？親子代々、行くなと言われてきたエジプトに。

　　そこで父イスラエルは、ベエルシバという場所に行って、礼拝をささげました。ベエルシバというのは、カナンの地の最も南の端っこにあります。そこから、先に進めば、もうカナンの地を出てしまう事になる訳です。アブラハムも、イサクも、そこに住んだ事があって、そこには祭壇があったんですね（46章1～4節）。

　　“わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下るのを恐れてはならない。わたしはあそこであなたを大いなる国民にする。わたしはあなたと一緒にエジプトに下り、また必ずあなたを導き上るであろう。”

　　親子三代にわたって導かれてきた主が、恐れずに行け、とおっしゃった。今は行け、とおっしゃった。イスラエルの民を、エジプトに子々孫々ずーっと永住させる訳ではない。

　　また必ずあなたを導き上る。　この後の出エジプト記では、また皆でエジプトからカナンの地に帰って来る訳ですから。あくまでも故郷は、与えるべき、永住すべき都はカナンの地だ。けれども、今は、恐れずにエジプトに下っていきなさい、とおっしゃったのです。神様の長―い、深―いご計画の中で、今はこのようにしなさい、と言われたのです。

　　それでイスラエルは、「この事は神様の御心であったのか」と、神様からの御言を頂いて、安心して、確信をもってエジプトに向かう事が出来ました！　５～７節。

５．そのように、神様は私たちの人生を思いがけない方向に導かれる訳ですけれども、具体的な導きというのは、その都度、違う訳ですね。今まではこうだった、でも今はこうしなさい、とか。昨日は進みなさい、と導かれたけれども、今日は留まりなさい、と導かれるかも知れません。目指すゴールや目的は約束通り、変らなくても、時にはあえて回り道をさせるような事もあるでしょう。
　　とにかく大事な事は、一歩一歩、一足一足、人生の歩みを、主によく聞くという事です！

　　皆さんは物事を決める時、何を基準に決めますか？自分の願いにかなうかどうか、周りの人が喜ぶかどうか？いくら良さそう話、喜ばしい話、状況や話の流れがいかにも整えられているように思えても、またタイミングのいい話であったとしても、だからと言って、スグそれに乗ってはいけません。まず主にじっくり聞く事、御言を読み、よく祈る事！

　　それで御言で確信を得られたなら、誰が何と言おうと、恐れず進んでいく事が出来るのです！迷ってるうちは進めません。

　　3～４節、主によく聞きながら、日々御言を握って進んでいきましょう！！！

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