2008年10月12日礼拝

2008年10月12日

創世記　45章1～18節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 全ての道で主を認めよ ＞

「

１．今日の場面は、遂にヨセフが兄弟たちの前に、自分が弟ヨセフであるという正体を明かす、という場面です。それは、もはや自分の正体を隠す必要は無くなったからです。

　　ヨセフは兄弟たちがエジプトに食料を買いに来てから、ずっと兄弟たちの心を知ろうと試してきました。かつて、妬みのゆえに自分を奴隷として売り飛ばした時の兄弟たちの心はどうなっただろうか、昔のままなのか、もっと悪くなっているのか、それとも自分たちのした罪を悔いているのか。

　　しかし、前回その心を知る事が出来ました。兄弟たち、特に四男のユダは、末の弟ベニヤミンが盗みの疑いで奴隷にされる事になった時、「ベニヤミンの代わりに私を奴隷にして下さい」と申し出ました。奴隷にされる弟の苦しみを思いやる心、また、ベニヤミンを失う事によって父イスラエルがどれほど悲しむかを思いやる心を持ち、そして、かつての過ちを繰り返してはいけないと、罪を悔いる者へと変えられていた。（44章33～34節）

　　その姿をヨセフが見た時、今こそ、本当の兄弟として彼らを迎えられると思ったのです。

２．45章1～3節。「彼らは驚き　恐れた」。まず驚きました。そりゃあ驚きますね、ヨセフがまだ生きていたというだけでも驚くし、この人は恐ろしいエジプトの大臣様だと思っていたのが、ヨセフだったのですから。しばらく声も出ないで固まった事でしょう。

　　そして驚いただけでなく、恐れました。かつてヨセフに酷い事をしたのですから、当然、恨みを復讐されると思ったのでしょう。

　　けれどもヨセフはこう言いました（45章4～5節）。どうでしょうか。いくら今の兄弟たちの心が、昔とは変えられたとは言っても、だからと言って、かつて酷い事をされた事をそう簡単に忘れられるでしょうか、そう簡単にゆるせるものでしょうか？長年惨めな状況に置かれ続けてきた訳ですから。

　　もしヨセフが、心を神様の方に向けていなければ、ゆるせなかったでしょう。けれどもヨセフは、全ての事を支配しておられ、また大きなご計画を持っておられる、主なる神様の方に心を向けていたんですね！（5～8節）。「神は」「神は」「神は」と３回も言っています。つまり「これらの全ての事をご計画されていたのは、神様なのです」と、神様に心の目を向けていたのです！

３．これが非常に重要なことです。今日の題に＜全ての道で主を認めよ＞と付けましたが、これは箴言3章6節の言葉です。私たちの人生に起きてくる出来事には、すべて主なる神様の御手がある、ご計画がある訳です！意味も無く、デタラメに起きている事は一つもない訳です。＜全ての道で主を認めよ＞。全ての出来事の上に、主のご計画がある。特に、辛い出来事や苦しい出来事を通して、神様は私たちに大事な何かを教えようとされている事がよくあります。そう考える時に、私たちはイタズラに自分の人生を呪ったり、自分に酷い扱いをしてくる人たちの事をも恨みがましく思う必要は無い訳です。

　　もし神様のご計画というものを考えなかったら、私たちはいちいち不幸を嘆かなければならなくなります。「なんで俺はこんな目に会うんだ。畜生っ」とか、あるいは人を恨んで、「クソー、アイツのせいでこんな目に会うんじゃないかっ」という風になってしまいます。

　　けれども、ヨセフはもはや全く兄弟たちを恨んでいませんでした。　確かに兄弟たちがヨセフを売ったのは悪い事です。けれども、それによって、ヨセフは大きく信仰を成長させられたという事も事実でしょう。しばしば私たちは、周りにいる嫌な人、苦手な人、酷い人、迫害する人などによって成長させられるのではないでしょうか？もし、私たちの周りが優しくて良い人ばっかりだったとしたら、私たちは成長しないかも知れません。いや、もしかしたらクリスチャンにもなっていなかったかも知れません。けれども、神様がご計画をもって、その嫌な人をも身近に置いておられるとするならば、それも主に感謝できるのではないでしょうか。

　　あるいはまた私たちの人生に起きてくる出来事が、順風満帆、上手く行ってばかりだったとしたら、どうでしょうか？　成長するでしょうか？

　　とにもかくにも、私たちは目の前にいる人ばかり見えたり、目の前の状況ばかりが目について、これがどうじゃの、あれがどうじゃのと言いやすいものですが、その背後におられる神様に目を向けるべきです！（8節）。

４．さて、ここで一つの事に目を留めたいと思いますが、ヨセフはこう言いました、5節、「神は命を救うために、あなたがたより先にわたしを遣わされたのです。」

　　また7節、「神は、あなたがたのすえを地に残すため、また大いなる救いをもってあなたがたの命を助けるために、わたしをあなたがたより先に遣わされたのです。」

　　イスラエルの家族を食料の飢饉から救うために、ヨセフを一足先にエジプトに遣わされたという事です。しかし、これをまたこのように当てはめる事も出来るでしょう。

　　皆さんの中には、家族の中で自分だけ先にイエス様と出会い、救われてクリスチャンとなった、という方もおられるでしょう。不思議ですよね。なぜ先に選ばれたんだろうか。でも、それは、その人だけが救われればいいという事ではなくて、あなたの家族をも救われるために、あなたを先にクリスチャンにされたのではないでしょうか？それも、主のご計画ではないでしょうか？少なくとも私たちは、自分のためだけに救われるのではないという事です。

　　もし、ここでヨセフはエジプトの大臣だから食料が豊かにあるけども、親や兄弟たちの事なんか知らない、関係ない、と言うならどうでしょうか？勿論、ヨセフはそんな事は言わない。自分が先にここに来たのは、家族や多くの人を救うためなんだと、主のご計画と共に自分の使命と役割を分かっていました。

５．さて、この驚くべき知らせを、父イスラエルにも伝えなければいけません。父イスラエルはこの知らせを聞いてどうなったでしょうか。（9～15、25～28節）。

　　父イスラエルもまた、神様の持っておられたご計画のあまりに大きな事を知って、本当に驚いた事でしょう。「まさか、そういうご計画だったとは…」。ヨセフが死んだと思って嘆いてきた二十年以上の日々も、一気に報われた！　「満足だ」。

　　私たちの人生には色々な事があります。そして、今は主のご計画の途中にいます。まだ結末は見えません。けれども、人生の全ての出来事の上に主が働いておられ、素晴らしい結末を必ずご計画されている事を信じて歩んで行きましょう！最後に「満足だ！」と、言える時を期待しながら。

　　ローマ8章28節、「神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。」

　　　　　　　　このペ－ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る