2008年6月8日

創世記　31章　1〜16節

　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　 ＜ 約束を守られる主 ＞


「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、
　あなたをこの地に連れ帰るであろう。」　　　　　（創世記　28章　15節）


１．今日の題に＜約束を守られる主＞と付けました。人は約束を守れない事もあるかも知れません。けれども、神様の言葉、約束は変わらない。天地が滅びても、主の言葉は滅びない、変わらない。神様は口先だけの気休めは言われません。言われた言葉はやがて必ずその通りになります。ですから、未来になればなる程、時が経てば経つほど、「あ、本当だった。御言に書いてある通りだ。神様の御言の約束通りだなあ！」と、より分かってくるんですね！


２．今、ずっとヤコブの人生を見ていますが、主はヤコブにも、最初に幾つかの約束をされました。何度も28章を開きますが、なぜなら28章がヤコブの人生のターニングポイント（転機）だからです！誰の人生にも大きな転機がある。「人生のあの時、あそこで私は神様と出会った！イエス様と出会った！そして、そこから私の人生は大きく方向が変わった。」　そういう事が必ずある筈です。まだない、という人はこれからそういう事があるでしょう。

　　ヤコブにとっての転機は28章。初めてヤコブが個人的に、1対1で主なる神様と出会った、個人的に言葉のやり取りをした時です（28章10〜15節）

　　この時、主は大きく分けて二つの約束をされました。一つは14節「あなたの子孫は地のちりのように多くなって・・・」。前回、話しましたが、ヤコブは非常にややこしい結婚をしました。伯父であるラバンの二人の娘、姉のレアと妹のラケル、両方を妻としました。それだけではなく、それぞれの召使いの女性、ジルパとビルハまで妻になったので、4人の妻をもった。家庭内は妬みと夫の奪い合いでややこしい。けれども、結果的に12人の息子が与えられ、「あなたの子孫は地のちりのように多くなって・・・」という御言の約束の第一歩が始められました。神様の約束と計画は不思議です。

　　そしてもう一つ、大きな二つ目の約束は15節、「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。・・・」
　　共にいる。守る。故郷に連れ帰る（20、21節）。遂にこの約束が果たされる時、故郷に帰る時が来たんですね。　やっぱり、主のご計画には何でも「時」があります。


３．ヤコブは故郷を離れてから、結局20年間、伯父であるラバンの元にいたんですね。その間、ヤコブよりも更にずる賢い、人を騙す事において、ヤコブよりも一枚上手のラバンに、ヤコブは20年間さんざんこき使われてきました。けれども、神様はちゃんとヤコブの財産が増えるようにされました（30章43節〜31章3節）。

　　この20年間は、ヤコブにとって無くてはならない大事な訓練の期間というか、人生の学びの時というか、成長の時でした。それまではずっと親の元にいたけれども、やむをえず家を離れた。という事は、一人ぼっち、神様しか頼る事が出来ない。その状況の中で、ヤコブは神様との関係が非常に深められた、信仰が大きく成長した、そういう20年だった訳です。

　　また、この伯父のラバンというやっかいな人との辛い人間関係と、決して楽をさせてくれない苦しい労働の中で、ヤコブは鍛えられていった訳です。故郷から離れていた20年間には、ちゃんと神様のご計画があった訳です。その間に家族も与えられました。


４．3〜5節、どんなに自分に対して、憎しみむきだしの顔をしている人がいても、主なる神様が私たちと共におられます！もしダビデのように、回り中、敵に囲まれているような状態でも、御言の約束通り、イエス様が私（あなた）と共におられます！

　　そして、どんな仕打ちを受けるようだったり、人から苦しめられても、約束通り、守りがあります（6〜7節）。敵の害を加えさせない！（8〜12節）、確かにラバンは、ヤコブより上手だったかも知れない。けれども、主はラバンよりも上手なのです。主は敵より、悪魔よりも上を行っておられるのです！ 皆さんはもしかしたら、誰かから酷い扱いを受けているかも知れません。（勿論、思い込みの場合や自業自得の場合もあるでしょうが。）けれども、神様はちゃんとその苦しみを見ておられる。もしあなたが不当な苦しみを受けておられるなら、神様はちゃんと顧みて下さるし、報いを与えて下さいます！

　　12、13節、なぜなら、主はベテルの神だから。つまり、最初にヤコブはベテルという、あの場所で主と個人的に出会い、語り、「あなたをわたしの神とします」と誓ったから！あのターニングポイントで、「わたしはあなたの神となった」から！　あなたを守ると約束したから！

　　私たちもそうです。私たちが、あなたが、主と個人的に語り、「あなたを私の神とします。あなたを私の主、私の救い主とします」と祈って、告白して、誓うなら、クリスチャンとなるなら、主はその誓いのゆえに、契約のゆえに、主は必ずあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、そして故郷に帰る日まで、あなたを守られるのです！

　　この「ベテル」という言葉は「神の家」という意味です。私たちの故郷は「神の家」、すなわち天国の神の家、場所が用意されている「天の故郷」です！そこに帰り行く日まで、主はご自分のものとなった者を守られるのです！！！それが主の約束だから！


５．という事で、ヤコブも「よし、主が共にいて守って下さっているんだから、もう堂々と故郷に帰るぞっ」と言えれば良かったんですが、堂々どころか、「夜逃げ」のようにしてラバンの元からこっそり逃げ出すんですね（17〜21節）。

　　主が守って下さるなら、何もこそこそ逃げなくたっていい筈ですが、20年間で大分、成長したとは言え、まだまだ不信仰というか、恐れやすいというか、自分の作戦に頼るというか。

　　この後、ラバンが追っかけて来るんですが、ちゃんと神様がラバンに警告を与えられるのです（22〜31節）。「恐れた」。ちゃんと主が守って下さるのに（42節）。

　　結果的には、主の見守りによって、平和のうちに、無事、ラバンの元から去る事が出来ました。円満退社みたいな。


６．“わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。”私たちの人生の上には主のご計画があります。地上にいる間、あっちに行ったり、こっちに行かされたり、色々あるでしょう。そして全てに意味があります。信仰の訓練、人生の訓練。また全てに時があります。恐れなくていい、こそこそ逃げなくていい。堂々としていればいい。どこにいても守られる主を信頼して、天のベテルに帰る日まで、お任せして歩んで行きましょう！！！




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