2007年8月19日

ヨハネによる福音書　10章　7〜18節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　よい羊飼い ＞

「わたしはよい羊飼いである。よい羊飼いは、羊のために命を捨てる。」
　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヨハネによる福音書　10章11節）


１．今日は羊飼いと羊の話が出てきますが、聖書にはよく羊が出てきます。というのは、昔からヘブル人は羊を飼う民族だったんです。羊の毛は服や色んな織物になるし、羊のお乳は色んな乳製品になるし、角はまた角笛になったり、油を入れたり。神様を礼拝する時には、神様に献げるいけにえにもなってくれるという。

　　そのようにイスラエル人たちが生きていく上で、無くてはならない存在。単なる家畜というよりは、人間と共生している、共に生きているという大事な存在だったと思います。


２．私が神戸におりました時、六甲山牧場というところによく家族で行きました。羊がたくさんいます。その中に、可愛い小さな子羊がいまして、毛も真っ白、これは絵になると思って、写真を撮ろうと思って近づいていったんですが、私を怪しい奴と思ったのか、逃げちゃうんですね。どこに逃げるかと言うと、飼育員のおじさんの所に逃げていって、隠れるようにしながらこっちを見てる。まさにその飼育員のおじさんがこの羊にとっての羊飼いという訳です。誰のところに行けば安全か、安心か、羊たちはちゃんと知っている訳です。

　　そのように、臆病で弱い羊たちには、羊飼いが必要です。では、人間はどうでしょうか？　私たちには、羊飼いは必要ないでしょうか？　考えてみて下さい、自分に羊飼いは必要ないだろうか？

　　「俺は弱い羊なんかじゃない。俺はトラだ。いや、ライオンだ。だから羊飼いなんていらないっ」と言う人があるかも知れませんが、でも本当はどうでしょうか？


３．イエス様は「わたしはその人間という羊の羊飼いである」と言われました。わたしが人間の羊飼いである。しかも「よい羊飼い」であると。

　　よい羊飼いの特徴として、�@まず羊一匹一匹の事をよく知っている。１４節。多くの羊がいたとしても、一匹一匹をちゃんと知っている。3節を見ると「彼は自分の羊の名をよぶ」とありますから、一匹一匹の羊に名前を付けてたんでしょうか。

　　イエス様が私たち人間のよい羊飼いであると言うのは、まず私たち一人一人の事を、名前は勿論、全てをよーく知っておられる、という事です。

　　時々私たちは思います、「私の事なんか、誰も知らない。本当の私の事なんか、実は誰も知らない。誰も理解してくれていない」と。　けれども、イエス様は本当にあなたの事を知って、愛しておられる。　羊は大勢いるけれども、一人一人が大事。


４．よい羊飼いの２番目の特徴。�A羊を豊かに養う。９、１０節。　羊飼いはただ一匹一匹をよく知っているだけではない。その羊を豊かに養う。羊をガリガリにやせさせてはいけない。お腹いっぱい牧草を食べさせ、またおいしい水をたっぷり飲ませる。

　　詩篇23篇には「主はわたしの牧者（羊飼い）であって、わたしには乏しいことがない。主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる。」　つまり、イエス様という羊飼いについて行くなら、豊かに養われるのです。おいしい牧草がたくさん生えている緑の牧場に導いて下さり、いこいのみぎわ（水のほとり）に導いて下さる。

　　経済的に豊かにしてくれるという事よりも、豊かな人生に導いて下さる。何より命を豊かに得させて下さる。10節「わたしがきたのは、羊に命を得させ、豊かに得させるためである。」　これはイエス様を信じる者に、救い、永遠の命を与えて下さる事ですが、それだけでなく、「豊かに得させる」というのはクリスチャンになって救われるだけでなく、その後も、聖霊様に満たされて、豊かなクリスチャン人生を歩ませる、という事です。

　　クリスチャンになった時、洗礼を受けた時だけでなく、ずーっとイエス様に従っていく時に、その恵みが更に深く豊かにされる。よい羊飼いであるイエス様は、私たちをそういう豊かな人生に導こうとして下さる。


５．そして、よい羊飼いの３番目の特徴。�Bよい羊飼いは、羊のために命を捨てる。11節。実際の羊飼いも羊のために命を捨てる、という事があったそうです。というのは、羊を食べようと狙ってくる狼の群れがいて、勿論、羊飼いは羊を守るために、長い杖や石投げを持ってる訳ですけども、時には命を落とす事もあったようです。羊を大事に思わない羊飼いなら、逃げ出すでしょう。

　　また、羊は迷う事がある。一匹だけ、谷底の方に落ちて行ってしまったり。そういう迷った羊を連れ戻そうとして、崖から落ちてしまう事もある。正に命がけで羊を守ろうとする。

　　11〜15節。イエス様は十字架にかかって死んでくださったのは、私たちを命がけで守るためです！私たちは羊のように、本来は狼のような悪魔に命を狙われて、命を食われてしまう運命だった。また、私たちは真の道、神様の元から迷って離れて、谷底どころか、罪のゆえに地獄に落ちる運命でした。けれども、イエス様はよい羊飼い。私たちを一匹一匹を愛して、私たちを悪魔と言う狼から、また地獄という谷底から救うために、命を捨てて下さったのです！

　　イエス様はよい羊飼いです。あなたの事をよーく知り、あなたに豊かな命と人生を与えたいと願われ、あなたを罪による滅びと悪魔から守るために、救うために命を捨てて下さったお方です。　あなたにはこの羊飼いが必要ではないでしょうか？



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