2007年7月29日

創世記　8章　1〜12節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 ＜　新しい世界を待ち望んで ＞

「神はノアと、箱舟の中に板すべての生き物と、すべての家畜とを
　心にとめられた。」　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　　　（創世記　8章1節）


１．ノアさんと家族とまた動物たちはどれくらいの間、箱舟の中にいなければならなかったのかと言うと、約１年間でした。大雨が降り続いたのは40日間でしたけれども、その大水はすぐには引かない訳ですから。この前の台風でも大雨で床上浸水って言ってましたけれども、床上浸水どころではない、山まで浸かっちゃうんですから山上浸水。その水が引くのに１年かかった。


２．想像してみましょう。１年間、箱舟の中の生活。勿論、箱舟は頑丈に出来てますし、水が漏れてくる心配はありませんから、沈没する事は絶対ありません。けれども、最初の４０日間は特に大嵐、めちゃくちゃ揺れたでしょうから、「本当にこの箱舟、大丈夫かなあ」なんて不安になって、恐かった事でしょう。決して乗り心地がいいとは言えません。

　　やがて揺れは治まってきたかも知れませんが、まだまだ外には出られない。いくら箱舟が大きいと言っても、ありとあらゆる動物が一緒にいる訳で、やっぱり窮屈だし、また薄暗いし、かなりストレスも溜まったのではないでしょうか。今、新潟の地震で避難所で集団生活をしている人たちがいます。避難所生活も長くなってくると、やっぱり色んなストレスがかかるそうです。助け合う事も勿論あるでしょうが、時にはイライラをぶつけあう事もあるでしょう。一体いつになったら外に出られるのか。

　　箱舟を教会に譬えるなら、教会も同じような面があると思います。ある意味、避難所生活みたいなものです。教会という、イエス様による箱舟は、頑丈で神様に守られていますから、決して沈む事はない。それは確かです。けれども結構大変。箱舟の中に色んな動物がいたように、世界の教会には色んなクリスチャンがいる。大きい動物、小さい動物、じーっとおとなしいのもいれば、常に動き回っているのもいる。鳴き声のやたら大きいのもいれば、鳴かないのもいる。そんなふうに色んなクリスチャンが狭い箱舟の中に身を寄せ合って、この恐ろしい世界の海の上に浮かんでいる。互いに助け合う面もあれば、互いの違いにストレスを感じる事もあるでしょう。教会という箱舟に皆で乗って、一緒に生きて行く、歩んで行くという事は結構大変です。

　　けれども、1節に“神はノアと、箱舟の中にいたすべての生き物と、すべての家畜とを心にとめられた。”神様はそのこともよくご存知で、教会という箱舟の中にいる者たちの事、そこにいる一人一人の事を心にとめておられる！そして、この船旅というか、船の生活を顧み、見守っておられるんですね！


３．さて、ではこの箱舟の旅はどこを目指してるのでしょうか？それは新世界です。古い世界が過ぎ去り、全く新しくされた世界を目指しているのです！教会という箱舟も、新天新地を目指しています（黙示録21章1節）。やがて地上での裁きの時が過ぎ去ると、そこには新しい世界が待っています。

　　ノアさんは、もう水が引いたかなと思って、試しにカラスや鳩を窓から放った。でも、まだ水が引いてなかったのでスグ戻ってきた。けれども、2回目に鳩を放った時、くちばしにオリーブの木の若葉を加えて帰ってきた（11節）。新しい葉っぱ、新しい植物、つまり新しい世界がそこに出来始めていたとい事です。

　　13〜20節、長い忍耐と待ち望みのすえ、遂に新しい世界に出ました。ノアさんはまず神様を礼拝しました。


４．さて、この時、神様はノアとその子どもたちと契約を結ばれました。この聖書の真の神様は、いっつも契約を結ぼうとされる神様なんですね！これが重要なポイントです。

　　神様は私たちと曖昧な、なんとなくという関係を持ちたくない。私たちと、キチンと契約関係を結びたいと願っておられます！

　　9章8〜17節、神様と人類の契約のしるし、それが虹。二度と洪水で滅ぼす事は無い、というしるし。言うなれば、神様は虹によって契約のサインを書かれたような事です。

　　でも、こういうしるしはとても大事だと思うんです。ともすれば、契約した事を忘れてしまいますから。例えば、この後も当然、普通に雨が降る事はあったと思います。結構、大雨が降る事もあったかも知れません。その時、ドキッとして、トラウマじゃないけども、「まさか、神様はまた我々を怒って、洪水で滅ぼされるんじゃないかっ」と恐れる事があったかも知れない。けれども、空に虹が現れるのを見て、契約の御言を思い出し、「そうだ、私たちは神様と契約を結んだんだった。だから、洪水で滅ぼされる事は無いんだ」と安心した事でしょう（16、17節）。


５．さて、今、私たちには虹よりも大事な契約のしるしがあります。父なる神様と契約を結んだ者に与えられる「しるし」。それは「十字架のしるし」！イエス様の十字架が契約のしるし。　「父なる神様、私はあなたと契約を結びます。あなたが遣わされたひとり子、イエス様を私は信じます。罪から救って下さる救い主として信じます！」そのように契約を結んだしるし。黙示録７章には、神の僕の額には、一人一人「神のしるし」が付けられているという。　イエス様の十字架が救いのしるし。

　　ともすれば、私たちも神様を恐れてしまう時があるかも知れません。「自分はやはり赦されていないんじゃないだろうか。神様は私を罪のゆえに滅ぼされるんじゃないだろうか」と。けれども、十字架のしるしを見る時、イエス様が私の全ての罪の罰を身代わりに負って下さった、確かにイエス様によって契約が結ばれているんだ、と思い起こします。

　　ですから、イエス様の十字架による救いを信じ、神様と永遠の契約を結ばれた私たちは、もはや洪水どころか、いっさいの神様の裁きを恐がる必要はないのです！


７．箱舟生活は困難があり、忍耐がいるでしょう。窮屈な思いもするかも知れません。けれども神様は、この教会という箱舟の中にいる全ての一人一人を心に留めておられます。やがて新しい世界が来る日まで、契約の十字架のしるしを握りつつ、共に進んでいきましょう！



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