2007年4月22日

ヨハネによる福音書　6章　47〜51節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　命のパン ＞

「わたしは命のパンである。あなたがたの先祖は荒野でマナを食べたが、
　死んでしまった。しかし、天から下ってきたパンを食べる人は、決して
　死ぬことはない。」 　（ヨハネによる福音書　6章48〜50節）


１．この４月から一人暮らしを始めている人もいますが、一人暮らしになると、やはり気にかかるのが食事の事だと思います。私も神学校を卒業してはじめの教会に遣わされ、４年間一人暮らしでした。それまでは神学校で、時間になれば当然のように食事が出されていた訳ですが、一人になったらそうではない。自分でちゃんと意識して食事を取らなければならない。また最初の頃、本当に食欲が出なかったんです。けれども、食べなければやがて死んでしまう。そういう意味で、食べる事は生きる事、食べない事は死ぬ事、大げさに言えば、そういう意識で食事をしました。


２．けれども改めて考えると不思議な気がします。確かに人間（生き物）っていうのは、食べなければ生きられないように造られている。時々、不便だなあと思う事があります。一日、３回も食べる。ガソリンを一日に３回も補給してるようなもんです。

　　けれども、それは人間を神様の前に謙遜にさせるためだと思います。どんなに偉い人でも、人間は食べ物を与えられなければ生きていけない。神様から必要なものを与えられ、養われなけれな生きられない。それは人間は自分で生きているのではなくて、神様によって生かされてるんだ、という事を知るためでしょう。

　　「主の祈り」でも「我らの日ごとの糧を今日も与えたまえ」と祈ります。毎日、「神様も今日も必要なものを与えて下さい」と、神様により頼むべき存在です。


３．さて、今日はヨハネの6章なんですが、その前半でイエス様はとても有名な奇跡をなさいました。イエス様の元に集まってきた大勢の群衆に、一人の子どもが献げた五つのパンと二匹を魚をもとにし、なんとそれを増やして分け与えて、群衆をみな満腹させたという奇跡です（6章9〜14節）。

　　皆、思ったでしょう、「この方は私たちにパンを与えて下さった。この方は私たちを養って下さる方だ」と。それは確かです。実際、イエス様は私たちに日ごとに必要なものを与えて下さいます。私たちの体が生きていくのに必要なものを確かに与えて下さいます。でも、実はイエス様がこの奇跡を通して伝えたかったのは、それ以上に大事な事でした。


４．次の日、群衆は更にイエス様を追いかけてきました（22〜27節）。あなたがたは私を尋ねてきたのは、パンを食べてお腹がいっぱいになったからでしょう。けども、そういう朽ちる食物ではなく、永遠の命に至る朽ちない食物を追い求めなさい、と。

　　イエス様はここで群衆に、もっと必要なパン、もっと大事な栄養、つまり私たち人間の「霊」を生かすパンについて、心を向けさせようとされました。確かに私たち人間っていうのは、ともすると、日々の体の必要ばかりを心配しやすい。あるいは体の健康ばかりを気にする。でも、魂の健康に関してはあまり考えない。

　　でも、大事な事を忘れています。人間は体だけで生きているのではなく、「霊」がある。むしろ、そこが人間の本体というか、本質です。人間の体に食物が必要だとするならば、「霊」はなおさら命が必要、食事が必要、「霊」はなおさら養われなければ生き続けられないのです！


５．とんで、47〜51節。確かにそうです。生きるためにパンや食べ物は必要だけれども、じゃあ食べ続けていれば永遠に生きられるかと言ったら、そうじゃない。やがては死ぬ。どんなにグルメな美味しい物を食べても、それで「霊」が生かされる訳ではない。魂を救う訳ではない。

　　けれども、イエス様は命のパン。言うなれば、人間の霊を生かす、霊のパンです！

　　「そのパンを食べる者は、いつまでも生きるであろう。」　つまりイエス様を受け入れて、イエス様の命を頂く人は、永遠の命が与えられる！勿論、古い体はいったん死ぬ。けれども、服を着替えるように、新しい体が与えられる。何よりも「霊」が死なない、滅びない、生かされ続けるのです！


６．52〜59節、イエス様を食べるとか、血を飲むとか言うと、なんか恐い感じがするかも知れませんが、けれどもそれは、イエス様が私たちに命を与えるために十字架にかかって血を流して下さった事を示している訳です。いつも聖餐式をする通りです。

　　よく言われる事ですが、お母さんが赤ちゃんに飲ませる母乳、あのお乳の成分は血と同じだそうです。言うなれば、お母さんは赤ちゃんに自分の血を栄養として飲ませているようなものです。同じように、私達の霊が生かされるのも、イエス様の命、イエス様の血をもらって生かされるのです！

　　そして、それが無ければ、人間はやがて死んでしまうのです！人間の霊はイエス様の命を受けなければ死んでしまう、滅んでしまうのです！食べないで生きれる人は一人もいないように、イエス様の命を食べないで生きれる人間は、一人もいないのです！！！


７．私が一人暮らしをしてた時に、毎日の食事以上に大事な事がありました。朝ごはんの前に大事な事、それは霊の食事！イエス様と交わる事、聖書を読んで、祈る。これがもっと大事でした。神学校では当たり前のように毎日、早天祈り会がありました。でも一人になった時、自分で意識して、毎日イエス様から霊のパンをもらう事、命を食べ続ける事、それが無ければ、心が枯れるっ。そう思いました。食事が毎日必要なように、私たちも、毎日、イエス様につながり続ける事が必要です！イエス様に命は私たちに毎日必要なのです！！！48〜51節、“わたしは命のパンである。あなたがたの先祖は荒野でマナを食べたが、死んでしまった。しかし、天から下ってきたパンを食べる人は、決して死ぬことはない。”



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