2007年4月1日

ルカによる福音書　23章34節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　分からないほどの罪 ＞

「父よ、彼らをおゆるしください。
　彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ルカによる福音書　23章34節）


１．さて、今週は受難週と言って、イエス様が私たちのために十字架にかかって死んで下さった事を特に心に覚える一週間です。

　　イエス様はその十字架のスゴイ苦しみの中で、７つの言葉を言われましたが、一番最初にこのように言われました、

　　「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」

　　罪っていうのは、本当に自分で分かってないものだと思います。自分ではよく分からないのが罪です。皆、自分の心には悪い心、罪があると思いますか？少しは分かっているかも知れません。でもね、自分で分かっている罪なんて、本当に本当にほんの少しだけです。自分の罪の大きさ、罪の重さっていうのは自分では少ししか分からない。

　　「私はわりと良い子です。教会にも通ってるし、他の人に比べて真面目な方だし。少しは悪い心があるかも知れないけど、そんなに悪い子じゃないと思います。」
　　「正直言って、なんで私の身代わりにイエス様が十字架にまでかからなければならなかったのか、あんまり分かりません。ピンと来ません。そこまでしてもらう程、私の罪は重くないと思います。」


２．そう思うかも知れません。けれども、それくらい私たちは自分たちの罪を軽く考えているんですね。子供も大人も。まさしく分からない。

　　たとえば、雨の日、満員電車の中でグラッと揺れた時に、誰かの足をカサの尖った方でギュっと全体重をかけて踏んでしまったとするでしょ。踏まれた人はスゴイ痛かったかも知れないけど、踏んだ自分は全然痛くないもんね。だから、その人にどれだけ悪い事したのか、自分は本当に分からない。一応、謝るけど、実感として痛みは分からない。

　　あるいは誰かを殴った、叩いた。あるいはひどい言葉を言って、誰かの心を傷つけた、悲しませた、とか。傷つけられたほうは本当に悲しい。でも叩いた方、傷つけた方は、全然痛くないから、「え、何？　そんなに悪い事した？」って、本当に分からない。その人の罪っていうのは、傷つけられた人が一番よく分かってるんです。


３．このイエス様の苦しみも、実は誰にも分かりません。だって苦しんでるのはイエス様なんですから。私たちが手にクギを打たれてる訳じゃないから。私達の足が痛いわけじゃないから、私たちにはイエス様の苦しみは分かりません。私たちは神様に捨てられた事がないから、捨てられる苦しみは分かりません。私たちは地獄に行ってないから、地獄の苦しみは分かりません。でも、一つ分かる事は、イエス様がこのように苦しまれたのは、私達の罪のせいだ、という事です。

　　そのようにイエス様を苦しめ、そして父なる神様を悲しませているんですね。それも分からないのです。私たちは罪を軽く考えていますが、それがどれだけ父なる神様を悲しませているかを全く分かっていません。

　　（Jﾊﾟｲﾊﾟｰ「ｲｴｽ･ｷﾘｽﾄの受難」より）
　　＜神様が私たちに願っている事は、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」（申命記６：５）という事です。でも、私達の心は神様以外のものをもっと愛します。これが罪です―神様よりも他のものを好み、その好きな事によって生きる事で、神様を傷つける事が罪です。・・・私たちは自分が最も楽しんでいるものを崇めて（大切にして）います。そして、それは神様ではありません。罪は決して小さいものではありません。なぜなら私たちが罪を犯している相手は、宇宙の創造者である神様だからです。その神様を愛さない事は小さな事ではありません。＞


４．私たちは自分の罪はこれくらい小さいと思ってるかも知れないけど、でも本当は、神様の目から見たら、実際はもっともっとこんなに大きい罪なんですね。

　　でも、それくらいに本当に大きな罪が、イエス様の身代わりの十字架によって赦されている、という事なんです！
　　「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」



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