2007年01月28日

使徒行伝　20章17〜24節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　自分の使命を果たす ＞

「わたしは自分の行程を走り終え、主イエスから賜った、神のめぐみの
　福音をあかしする任務を果たし得さえしたら、このいのちは自分に
　とって、少しも惜しいとは思わない。」　　　　　　　　　　　（使徒行伝　20章24節）


１．父がよく言っていました、「金は使うためにあるんだ。貯めこんでもしょうがない」と。確かにそうだろうと思います。多少の貯金はしておいたほうがいいかも知れませんが、ただ貯める事を楽しみにしていてもしょうがない。お金っていうのは、使ってこそ初めて役に立つ訳で、貯めていても、ただの紙きれか、通帳に記された数字でしかない。使ってこそ意味がある。勿論、無駄使いはいけませんが。

　　これは「命」においても同じではないでしょうか。私たちの地上での命も、使ってこそ意味がある。ただ大事にとっておいたって仕方が無いし、またいつまでもとっておけない。地上での命は生ものですから、いずれ賞味期限が来る、寿命がくる。

　　私たちの地上での命も、勿論、無駄使いや粗末にしてはいけない。けれども、使ってなんぼ。ローソクもそうです。飾りローソクもあるけど、火を灯してこそ意味がある。地上での命も、燃やしてこそ、使ってこそ意味がある。


２．そういう意味では、このパウロという人は、まさに自分の命を使った人、燃やし尽くした人生だったと言えるでしょう。

　　第三回目の伝道旅行を終えようとする中で、パウロは自分の地上の人生の終りが近い事を予感していました。次の旅が最後となるだろう。色んな教会の人達と会えるのもこれが最後になるだろう。そう思って、帰る旅路の途中途中で、最後の別れの挨拶とメッセージを語りました。今日の箇所は、エペソ教会の長老たち（役員）を呼んで、最後のお別れの言葉を語ったところです（17〜21節）。語るべき事は「すべてあますところなく」語ってきた。

　　自分に出来うる事は全てやった。やれるだけの事はやった。受験のシーズンですけども、結果は別として、自分の持てる力を出し尽くしたっていうのは、悔いが残らない。逆に色んな理由や言い訳をして、ベストを尽くさなかったっていうのは、悔いが残るでしょう。そういう意味で、パウロは悔いが無かった。やれるだけやった。私たちはどうでしょうか。


３．ちょっと跳んで、26〜27節でも。パウロだけではありません。牧師だけでもなく、クリスチャンには全て、伝える責任があるのです！

　　パウロだけに全世界の宣教を全部任せる事は出来ないのです。いくらパウロでも、一人で全世界を回る事は出来ないし、何百年も生きて伝道する事も出来ません。自分の生まれた時代にあって、自分の出会う事の出来る、会って話の出来る人達に伝えられるだけです。でも、それでいいのです。何もパウロたった一人で全世界、全歴史の伝道を担当する必要は無い。彼は自分に与えられた範囲の責任を果たし、天の故郷に帰りました。

　　そして、私にも果すべき、伝えるべき責任があり、皆さん一人一人にも果すべき責任、自分の分の伝えるべき責任があるのです。　２６〜２７節。　伝えた相手が信じるか、信じないか、その責任は問われません。ただ伝える責任がある。（一度でも伝えましたか？何らかの形で。一度でも伝えたなら、ひとまず悔いは残らないでしょう。）


４．22〜24節。はじめに「命というものは使うためにあるんだ」と言いましたが、「命を使う」と書いて「使命」ですよね。まさにパウロも、自分に与えられた走るべき自分の行程、主イエスから賜わった任務を、使命を果すんだ、そしてその使命を果たしたら、もはや死んでも悔いは無い、この命は惜しくない、と！まさに命を使い切るんだ、使い果たすんだ、と。

　　私もやはり自分の使命というものを常に考えさせられます。パウロとは比べものにならない小さな自分でも、この地上に生かされているという事は、自分にも使命がある。他の時代ではなく、この時代に置かれた。他の国ではなく、この国に生れた事にも意味がある。なぜ、今ここにいるのか。ここで自分の果たすべき使命は何か、いつまでか。そして、次があるなら、次はどこに遣わされるだろう。パウロは４回の旅をした。そして、自分の地上で果たすべき使命はどこで終わるだろう。案外、短いかも知れない。いつどこで終わるにしても、精一杯やった、責任は果した、語るべき事を語り、伝えるべき事を精一杯伝えた、もはや悔いは無い、と言えるようでありたいと願わされます！


５．皆さんはいかがですか。全ての人に、使命がある筈です。この地上に生まれ、生かされている以上、この地上で果すべき使命が全ての人にあるのです！

　　個性がみんな違うのは何のためですか？与えられているタラントがみんな違うのはなぜですか？生れた時と場所がみんな違うのはなぜですか？

　　自分の走るべき行程、それぞれにイエス様から与えられる任務・使命があるのです！

　　残念ながら、全ての人が自分の使命を果たしている訳ではありません。むしろ多くの人が自分の果たすべき使命を放棄しているかも知れません。そして地上の命が終わるのです。

　“わたしは自分の行程を走り終え、主イエスから賜わった、神のめぐみの福音をあかしする任務を果し得さえしたら、このいのちは自分にとって、少しも惜しいとは思わない。”

　　マタイ16章24〜27節。パウロのように、主のために自分の命を使う者とさせて頂きましょう！



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