2007年1月21日

ヨハネによる福音書4章46〜54節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　言葉を信じる ＞

「彼は自分に言われたイエスの言葉を信じて帰って行った。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　（ヨハネによる福音書4章50節）


１．ご存知の通り、今年の御言はこれ「見よ、わたしは新しい事をなす」なんですが、前に言いました通り、実は今年は三つの御言が与えられています。週報の表紙に記している通りです。その二つ目の御言を、私は何度も心に問いかけられるんですね。「信じない者にならないで、信じる者になりなさい。」ヨハネ20章27節。

　　これは弟子のトマスという人にイエス様が語られた御言なんですが、自分で私はトマスだなあって、いつも思うんです。トマスは疑い深い人でした。よく言えば慎重な人。他の弟子たちが「イエス様は死から蘇られた」と言っても、「俺は自分の目で見て、触って確かめなければ決して信じないっ」というふうに言っていました。そのトマスにイエス様はお姿を見せて、触らせて、「信じない者にならないで、信じる者になりなさい」と。

　　勿論、何でもかんでも信じちゃいけないと思います。人の言葉、テレビや何やら色んな所から耳に入ってくる情報、流行の占い師の言葉など。現代は特に人を騙す、あざむく時代ですから。色んな詐欺もあります。

　　けれども、絶対的に、全面的に信じていいものがある。それは、真の神様の言葉。真の神様の言葉は信じていい。いや、信じなければならない。

　　そして神様は、私たちに信じて欲しいと願っておられる。言い換えれば、疑わないで欲しい。信用して欲しい、信頼して欲しい、と願っておられる。
　　しかも、結果を見てからじゃなくて、結果を見る前に、自分の言葉を、自分の約束の言葉を信じて欲しい、と切に願っておられるんですね！


２．私たちもそうでしょう。誰かに本当の事を言ってる時、真実のことをしている場合、まずその自分の言葉を信用して欲しい。（神を信じるように信じろ、とは言えなくても）。
　　「イヤ、悪いけど、ボクは自分の目で確かめさせてもらうよ。…どれどれ､あっ本当だ」。
　　でも気持ち的には、結果を見て確認する前に、私の言葉を信じて欲しかった、自分というものを、自分の人格を信用して欲しかった、と思うでしょう。ウソを言うと思ったのか。

　　自分の目で確かめるまでは信じれないっていうのは、ある意味その人を疑ってるって事ですよね。

　　イエス様はトマスにこうも言われました、「あなたはわたしを見たので信じたのか。見ないで信ずる者はさいわいである。」前に言葉で言っておいただろう、｢わたしは三日目によみがえる｣と。「わたしはよみがえりであり、命である」（ヨハネ11章25節）と。

　　結果を見て信じるっていうのは、いまいちですよね。見ても信じないというよりはマシかも知れないけど。イエス様の「約束の言葉」を聞くだけで、信じる方が幸い。そして、イエス様はその事を本当に願っておられるというか、信じるとスゴク喜ばれるんですね！「お、そうか、信じるか？　わたしを信用してくれるか？　嬉しいねえ」と。


３．今日の箇所もそうです（4章46節〜）。ある役人の息子が重い病気で死にかかっていました（４７節）。親としては必死です。「治して欲しい」、そう願うのは当たり前です。でも願うだけでなく、信じるかどうかが問題。

　　イエス様は皆の信仰を試すように言われました、「あなたがたは…見なければ信じない信仰だろう」と。言い換えれば、「言葉を聞いただけでは信じない信仰だろう」と。

　　この役人も今まではそうだったのかも知れません。うちに来て、自分の目の前で子どもを癒して欲しいと思ったのかも知れません（49節）。でもイエス様は、「一緒にあなたの家まで行ってあげましょう」とは言われなかった。「お帰りなさい。あなたのむすこは助かるのだ」と、言葉で言われただけ。

　　ある意味、心細く思うかも知れません。約束の言葉だけ。それ以外には、何の助かる保障も証拠も無い。まだ何も見ていない。結果を見ていない。「あなたの息子は助かるのだ」という約束の言葉だけ。

　　でも、こう書いてあります「彼は自分に言われたイエスの言葉を信じて帰って行った。」

　　51〜53節。結果を見てから信じたんじゃないですよ。結果を見る前から、イエス様の約束の言葉を信じたんです。イエス様という方を信用したんです。この方がウソを言う筈は無い。いい加減な、口先だけの、気休めの約束を言う筈は無い。イエス様が言うのなら本当なんだ。真実なんだ。信じよう。イエス様はそりゃあ嬉しかったと思いますよ。

　　約束の言葉が語られた時、息子は治り始めた。この役人がその言葉を信じた時、息子は治り始めていた。家に帰ってから、その信じた言葉の結果を確認しました。そして、信仰が更に固くされた。「見ないで信じる者は、さいわい」です。


４．実はキリスト教の信仰というのは、全てそうです。私たちが信じるのは、この聖書に記されている「神の言葉」。キリスト教とは、「言葉を信じる宗教」と言ってもいいでしょう。本当のクリスチャンは聖書の言葉を重んじます。そして私たちが信じている聖書の言葉の多くの事が、まだ目で見ていない事。

　　まず父なる神様をまだ見ていない。でも信じている。天地宇宙が造られた時の現場を、誰も見ていない。でも神様が造られたと信じている。この世の終りがどのようになるか、まだ見ていない。でも必ずこの世の終りが来て、全てが新しくなる事を信じている。

　　天国がどのような場所か、まだ地上で生きてる人は誰も見てない。でも信じている。

　　聖書に書いてある、多くの事はまだ見ていない。（歴史上、既に起きた事は知っている訳ですが。）でも、神の言葉、聖書に書いてあるから、信じるのです！

　　聖書の中で一番大切な約束の御言は、「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」という、イエス様を神の子・救い主だと信じれば、疑わないで信用すれば、救われる、永遠の命を得るという約束です！永遠の命も目に見えない。でも、言葉を信じるのです！

５．　“彼は自分に言われたイエスの言葉を信じて帰って行った。”



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