2006年11月12日

使徒行伝　18章1〜11節

　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜　主の励まし ＞

「恐れるな。語りつづけよ、黙っているな。あなたには、わたしがついている。
　だれもあなたを襲って、危害を加えるようなことはない。この町には、
　　わたしの民が大ぜいいる。」　　　　　　　　　　　　　　　　（使徒行伝　18章9、10節）



１．ところでパウロさんと言うと、無敵の伝道者という感じがすると思います。どんな迫害にも負けない、恐れない、そしてどんな事があっても決してガッカリすること無く、ガンガン伝道していく、というイメージがあるかも知れません。

　　そりゃあ、私たちと比べたら、かなり強いだろうと思いますが、しかし、そんなパウロさんも生身の人間です。サイビーグでもなければ、天使でもない。私は無敵の人間、無敵のクリスチャンなんていないと思うんです。どんなに立派な先生でも必ず弱さがある。でも、それが人間です。決して高ぶる事が無いように、そして神様をより頼むように、あえて人間は弱く造られているのだと思います。


２．パウロさんはこの時、コリントに来ていましたが、コリント人への第一の手紙１章３節をご覧下さい。パウロはその時の事を振り返って、こう書いています、「わたしがあなたがたの所に行った時には、弱くかつ恐れ、ひどく不安であった。」

　　でもなぜこの時、そんなに弱さを覚え、不安だったのでしょうか？それはテサロニケからこっち、大騒ぎで追いかけてくるユダヤ人たちのしつこく迫害があったり、偶像の町ギリシャのアテネでは一生懸命に伝道したにも関わらず、あんまり信じる人が少なかった。17章32〜33節。パウロだって、あんまり迫害されたらノイローゼみたいになるかも知れないし、あまり働きの成果が見えなければ、意気消沈もするでしょう。

　　そして、次に向かったコリントという港町は、もうひどい町。ソドム・ゴモラのような堕落した町。ある本にはエロ・グロ・ナンセンスな悪魔的な町だった、と。ですから、パウロさんも落ち込んでる時に、次がまたそんな町ですから、「弱くかつ恐れ、ひどく不安であった」としても、無理もない事だったでしょう。


３．けれども、そのような時に、必ず「主の励まし」があるのです！まず神様は、私たちに「人」を遣わして、あるいは「人との出会い」を通して励まされる事があります。この時、パウロさんはあるクリスチャン夫婦と出会います。名前はアクラとプリスキラ。18章1〜4節。

　　パウロさんは資金を稼ぐために、天幕（テント）を作る仕事を副業としていましたが、アクラさんも同じ仕事だったので一緒に仕事をしました。そうしながら色んな話をしたり、また食事をしたり、祈りあったり。おそらく、こういったクリスチャン同士の交わりが、パウロさんにとって非常に励ましと癒しの時になったのではないでしょうか。

　　そういう風に、主は、私たちが落ち込むような時、色んな思いがけないような人を遣わして、私たちを励ましてくださるんですね！


４．そうしてパウロさんは、また少し励まされ、少し元気をもらってコリントでの伝道に励みました。シラスとテモテという仲間も合流して、一緒に伝道しました。やはり一人は本当に弱いけども、何人かで信仰と力を合わせると強い。5節「力強くあかしした。」

　　5〜9節。まあ相変わらず、伝道は困難ではあるけれども、仲間がいると、ちょっと強気になったりして。そしてまた救われる人も起こされてきた。

　　そして、そんなある夜、幻の中でイエス様の語りかけがあった。9〜10節。イエス様は人を通しても励まされるけれども、何より一番励まされるのは、イエス様ご自身が御言でもって直接に励まして下さる事です！まだまだ恐れと不安があったパウロに対して、「恐れるな」。「福音を語り続けなさい」。「あなたには、わたしがついているではないか」。

　　この恐ろしい町コリントにあっても、主の具体的な守りがある。そして、「この町には、わたしの民が大勢いる。」

　　こんなに腐敗したような町であっても、「こんな町に救われる人がいるだろうか」と思う様な町であっても、罪を悔い改めてイエス様を信じるようになる者が大勢いる！

　　この町に限らず、どんな町でも御言を語りさえするならば、救われる人は大勢いる！

　　私たちのこの町もそうでしょう。救いを求めている人、心が飢え渇いてる人が大勢いるでしょう。聖書の御言を一度も読んだ事も聞かされた事も無い人が大勢いるでしょう。御言に触れさえするなら、イエス様を知りさえすれば、信じる人が大勢いるかも知れない。


５．皆さんの住んでいる町にも、イエス様を信じるようになる人が大勢いるでしょう。本当にどこに求めている人がいて、どこの誰が救われるのか、私たちにはさっぱり分からない。だから、なるべく多くの人に御言を届けるのです。

　　近所にトラクト一枚配るだけでも、恐れを持つかも知れません。私たちは本当に恐れやすいものです。けれども、主は励ましておられます。

　　「恐れるな。語りつづけよ、黙っているな。あなたには、わたしがついている。だれもあなたを襲って、危害を加えるようなことはない。この町には、わたしの民が大ぜいいる。」



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