2006年9月17日

ヨハネによる福音書　1章1〜15節

　　　　　 　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 ＜　霊の世界 ＞

「よくよくあなたに言っておく。だれでも、水と霊から生まれなければ、
　神の国にはいることはできない。」　　　　　　　（ヨハネによる福音書　3章5節）



１．旧新約聖書は、この目に見える「物質世界」とは違う「霊の世界」があるという事を、ずーっと語っています。分かりやすく言えば、神の国、天国。

　　私たちはこの物質世界に生れ、ある意味この世の中にどっぷり漬かって生きています。そんな私たちに「霊の世界」の事を言われても、「本当にそんな世界があるの？今見えるこの世界が人間の全てじゃないの？」と、当然思うでしょう。

　　けれども、そんな私たち人間のために、その霊の世界、神の国から来て下さったのが、神の御子、イエス・キリストです。


２．さて、今日の所でも一人の人がイエス様のもとに教えを請うためにやって来ました。（1節）。パリサイ人というのはユダヤ人の中でも特に律法を厳しく行おうとするグループです。勿論、神様を信じてたでしょうが、彼らは天国なんて事は考えてませんでした。彼らが願ってたのは、この地上に昔のダビデ王様の時のような、いや、昔以上のイスラエル王国が回復する事でした。まあですから、彼らもある意味「この世主義」。

　　このニコデモもその一人でしたが、でも、きっと今までの考え方・生き方に疑問を感じてたんじゃないでしょうか。「なんか違う気がする。もっと別の世界があるんじゃないか」と。　だからこそ、この人は夜こっそりイエス様のもとに来ました。（2節）。

　　すると、イエス様は短刀直入に、彼に必要な事を語られました。（3節）。この世主義で生きている彼にとって、「新しく生れる」という意味が分かりませんでした。当然のようにこう聞きました、（4節）。

　　5〜6節。人間というのは物だ、物質だ、と考えている人も世の中には多いでしょう。けれどもそうではなく、人間は肉体という土の器の中に「霊（魂）」が宿っている訳です。肉体はむしろ霊の入れものに過ぎない。この霊の方がむしろ人間の本質です。

　　全ての人にこの霊がある訳ですが、この霊は、罪によって死んだ状態なのです！人間の本質である霊が罪によって死んでいる。そのままでは神の国に入る事は決して出来ない。ですから、この霊が新しくされないといけない。新しく生まれ変わらないといけないのです！（3節）。新しく生れる、とはそういう事です。

　　（5節）。水っていうのは洗礼の事をさすでしょう。そして霊っていうのは神の霊、聖霊様の事です！つまり信仰を告白して、聖霊様の働きによって、その人の霊が新しくされなければ、神の国に入る事は出来ない。

　　実はクリスチャンになるという事は、そういう事です！何か、物の考え方が変わるとか、宗旨替えをするとかいう程度の事ではなくて、今まで死んでいた自分の「霊」が、人間の本質の部分が新しく生まれ変わる。新しい霊の命、永遠の命を得る、という事です！


３．（7節）。「不思議に思うには及ばない」って言われたって、やっぱり不思議ですね。それこそ目に見えない、霊が新しくされるって、いつ、どうやって新しくされるんだろう？

　　（8節）。 風っていうのは目に見えません。空気も。けれども風が吹く時、ビュービューと音がしたり、木の葉っぱが揺れるのを見たりすると、風が吹いてるのが分かります。

　　神の霊である聖霊も、風のように目に見えない。けれども、聖霊が人の上に吹く時、人の中に吹き込んでその人の死んでいた霊を新しく生かす時、その人がクリスチャンとなって造り変えられた様子を見る時に、「なるほど確かにこの人はイエス・キリストを信じてから、確かに新しくなった」、というのが分かるでしょう。

　　まあ考えてみれば、電気だってそうですよね。電気というのも目に見えないけれども、機械に電気が流れる時に、確かに今まで死んでいたような機械が動き出す訳ですよね！

　　まあ聖霊はただのエネルギーじゃなくて、神様ですし、人間も機械じゃありませんが、霊の死んだ人間に聖霊様が働く時、その霊を新しく生かすという点では似てるでしょう。


４．でもニコデモさんはイエス様にそう教えられても、まだ分かりません。（9〜13節。）

　　まあ無理もないかも知れません。けれども、ニコデモは「信じ難い、訳の分からない話だ」と言って、もうイエス様の話を聞かなくなったのではなく、むしろこれが求道の始まりで、この後も、イエス様の話を聞きにいったようです。この後、ヨハネ7：50でも彼の名前が出てきますし、19：39でも、十字架で死なれたイエス様の体をお墓に葬るお手伝いをしています。

　　ニコデモは勿論、いっぺんでは人間の救いや永遠の命の事、神の国の事をなかなか信じられなかったでしょう。けれども真理を求め続け、イエス様の後を追い続けていった時に、しだいに目が開かれ、やがて彼も霊が新しく生まれる経験をした事でしょう。

　　「求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。」（マタイ７章）


５．いっぺんでクリスチャンになる人は殆どいません。求道し続け、イエス様に何度も何度も語られてるうちに、そして聖霊様が働く時に、霊の世界に心が開かれてくるのです！そして、罪を悔い改め、心にイエス様を救い主としてハッキリとお迎えした時、あなたの霊も新しく生まれ変わり、神の国を見る者、神の国に入る者とされるのです！！！（5節）。



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