2006年6月25日

使徒行伝　10章9〜16節

　　　　　　　　　　       　　　　　　　　　　 ＜ 心を広げられる ＞

「神は人をかたよりみないかたで、神を敬い義を行う者はどの国民でも
 受け入れて下さることが、本当によくわかってきました。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（使徒行伝　10章34、35節）



１．聖書に出てくるユダヤ人というのは、物凄く国民意識というか民族意識が強いんですね。自分たちは特別な民だ、神に選ばれた国民だ、という意識が物凄く強い。ともすれば、異邦人、外国人をさげすむし、交わってはいけないと言われてきましたから。

　　確かにユダヤ人というのは、神様に用いられるために世界を代表して選ばれた民族です。譬えるなら、小学校のクラス委員みたいなもんです。でも神様は決してユダヤ人だけを、クラス委員だけをえこひいきするために選んだのではなく、クラス全体のため、全世界の人たちのために選ばれたのです。

　　けれども、クリスチャンになったユダヤ人でも、弟子たちでさえも、イエス様の十字架による救いは、ユダヤ人にだけ伝えるべきものだ、ユダヤ人だけが救われるべきだと考えていました。だから、これまでユダヤ人以外には福音を伝えようとしてきませんでした。


２．ある時、ペテロがある家の屋上で祈っていた時に、祈りながら寝ちゃった。そして神様が不思議な夢を３回も見せられた。ペテロっていうのは何でも3回言わないと分かんない人なんです。弟子の中で一番年取ってるから、頑固なんですね。人間、長年生きてきますと、物の考え方や価値観とか、急に変えろと言われてもなかなか出来ない。だから、なるべく若い日にイエス様を信じるに越した事はないんです。

　　天から大きなふろしきが下りてきて、中に色んな動物が入っていた。レビ記の11章を見ると、食べてはいけないとされている動物があるんですね。そこには色々な意味があるんです。ところが神様は夢の中で、それらを食べなさいと言われました。（13〜16節）
　　ペテロは目が覚めて、今の夢は一体、どういう意味だろう、と考えていました。


３．すると聖霊様が、コルネリオという人の所に行くように語られ、また導かれました。このコルネリオという人は、ローマの兵隊の隊長の一人なんですけれども、非常に信仰心の厚い人で、天の父なる神様を家族で敬っていました。けれども、まだイエス様のことはよく知らなかったし、信じていませんでした。聖霊様はペテロをそのコルネリオの元に行くように導かれ、そしてイエス様について、福音を伝えるように導かれました。

　　23節後半〜28節。ペテロはここに来て、さっきの夢の意味がやっと分かりました。
　　「私は今まで汚れた動物は食べないのと同じように、異邦人を絶対に受けいれなかった。でも神様は、ユダヤ人に限らず、世界中の全ての人にイエス様を信じて救われて欲しいと願っておられるんだ」と。（34節）


４．神様は、世界の全ての人に福音が伝えられ、救われる事を願っています。私たちも頭では「そりゃそうだろう」と思います。ところが、頭で分かってる事と心の思いは違ったりします。人間っていうのはそのままなら、どこまでいっても自己中心だからです。

　　「自分の国さえ良ければいい。他の国の事はどうでもいい。自分の教会さえ良ければいい。自分の家族さえクリスチャンになればいい。他の人の救いは二の次でいい。自分の抱えている悩みで精一杯だ。人の悩みまで聞いたり、人のために祈ってあげる余裕は無い」。

　　そのように、人間っていうのは、もし造り変えられなければ、どこまでも自己中心なものです！近所とか、周りの人なんかどうでもいい。自分さえ救われていればいい。そういう思いなら、そりゃあ伝道しないでしょう。


５．もし、ペテロやエルサレム教会の人たちが、「救われるのは自分たちユダヤ人だけでいいんだ」という、ずっとそういう思いだったら、日本に福音は伝えられなかった。今のように私たちがイエス様の事を聞くことは無かった、教会も日本中どこにも建たなかった、聖書を手にする事も無かったでしょう。皆さんがイエス様による救い、十字架の福音を知ったのは、誰かが伝えてくれたからでしょう？永遠の命の恩人です。その人が自分の救いだけを考える人では無かった事を感謝しましょう。


６．繰り返し言いますが、人間はそのままなら本当に自分中心なものです。　けれども、前にも言いましたが、聖霊様は私たちを少しずつ、日ごとに造り変えようとして下さっているのです！風船を膨らますように。最初は自分の事しか考えられない自分中心な私たちに愛を与えて下さる！ペテロたちでさえ、聖霊様に教え諭されながら、しだいにその愛の範囲が広がっていったのです！　私たちにも、他の人の救いを願い、他の国の人のことをさえ愛し、気にかけ、救いを願う思いを与えて下さいますように！神様の愛の思いを注いでいただきましょう！



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