2006年5月14日

使徒行伝　8章1〜8節

　　　　　　　　　　       　　　　　　 　　　　 ＜ 散らされて行く ＞

「散らされて行った人たちは、御言を宣べ伝えながら、めぐり歩いた。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（使徒行伝　8章4節）


１．「住めば都」と言うように、誰でも住み慣れたり、暮らし慣れたりしてくると、当然そこが居心地がよくなって来ます。それは良い事のようだけれども、また反面、色んな面で慣れが出てきて、最初の頃は何事も新鮮で一生懸命やっていたけれども、だんだん新鮮さが無くなって、ただ習慣になって心がこもらなかったり。クリスチャンであれば、神様の事を必至に求めない、とか。

　　でも神様は、私たちがそうなる事を願われません。私たちが変に落ち着いてしまおうとする時、「天国以外に安住の地はない。腰を落ち着けるな、隠居するな」と言わんばかりに、その居心地のいい場所から追い立てようとされる事がよくあると思います。

　　それは、一つには私たちの信仰の成長のためでしょう。また、もう一つの理由は、福音を広げたい、御言を広めたい、私たちを色んな所に移動させ、色んな所で証しをさせたい、多くの人に御言を聞かせたい、クリスチャンに出会わせたい、そう願っておられるという事です！


２．使徒行伝1章8節の御言を改めて読んでみましょう。
　　「聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人（あかしびと）となるであろう」

　　つまり、イエス様は、決して当時のクリスチャンたちが、都であるエルサレムにずっと留まっている事を願っておられないんですね。エルサレムの町の人たちだけ救われればいいんじゃない。エルサレムだけに教会があればいいんじゃない。ユダヤとサマリヤの全土、さらの地のはてまで、福音が伝わる事を願っておられる訳ですね！

　　さて、先々週のところでは、ステパノさんという人が、迫害されて石を投げつけられて、最初の殉教者となった、という場面でした。それをきっかけに、教会に対する迫害がいよいよ本格的になりました。一人殺すのも何人殺すのも同じだ、と思ったのか、エルサレムの教会に対して、情け容赦の無い大迫害が起きました。8章1〜3節。使徒たちは教会を守るために残ったようですが、「皆は逃げなさい」という事だったのでしょう。


３．この出来事は当然、非常につらい出来事、悲しい出来事です。今まで皆、心を一つにして、いつも一緒に集まって、教会生活をしてた訳ですから。それが皆、ちりぢりバラバラ。1節後半。「…ユダヤとサマリヤとの地方に散らされて行った」。

　　ところが、一見、誰が考えても災いと見えるこの出来事が、神様の御心、神様のご計画をちゃんと進めているんですね！イエス様はなんと言われましたか、「…エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで…」。

　　迫害によって散らされて行ったクリスチャンたちは、結果的にユダヤとサマリヤの地方に広がっていった。しかも、ただ広がっていったんじゃない。4節。「散らされて行った人たちは、御言を宣べ伝えながら、めぐり歩いた。」

　　別に彼らはエルサレムが居心地がよくて留まっていた訳ではないでしょうけども。でも確かに教会の中っていうのは、ある意味居心地がいいですよね。でも大事な事は、教会の中から、また教会の外に御言を届けに行かなければならないという事です！

　　結果的にクリスチャンたちはエルサレムだけでなく、更に広い地域、ユダヤとサマリヤ地方にまでイエス様の事を証しする事になったのです。1章の御言の通りに！

　　使徒行伝を見てるといつもそうですが、神様は一見マイナス、災いと思われる事を逆転にして、それをプラス、祝福に変えられるのです！


４．さて、ここで散らされて行った人たちっていうのは、みんな信徒なんですね。使徒たちは本部である教会を守るために残り、信徒達はそれぞれ散って行った。

　　これは今でも同じだと思います。一信徒、一クリスチャンである皆さんは、それぞれの持ち場立場に散らされています。それぞれの家庭、学校、職場、それぞれの住んでいる地域に。証し人として、そこに遣わされている訳です！日本では百人に一人の貴重な珍しい存在、イエス様を信じているクリスチャンとして、そこに散らされているんです。置かれているんです。その事をいつも忘れないで下さい！

　　皆さんは、日々、イエス様の事を全く知らない多くの人と接するのです！といって、多くの人に伝えなきゃ、と気負う必要はありません。　一人からでいいんです。御言を伝えるとか、証しするとか、伝道するとか、いつも一人からです！

　　4節。もし、あなたが楽で居心地のいい状態に留まっていようとするならば、主はそのゆりイス・ロッキングチェアをひっくり返されるかも知れません。イエス様の御心は一人でも多くの人が、イエス様の事を知る事です！そのために、あなたも散らされているのです！



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