2006年2月19日

マルコによる福音書　14章1〜11節

　　　　　　　　　   　　　   　　　　　 　 ＜ 　無駄？ ＞

「するままにさせておきなさい。なぜ女を困らせるのか。
　わたしによい事をしてくれたのだ。」　（マルコによる福音書　14章6節）


１．福音書を見ていて面白いなあとつくづく思うのは、イエス様の価値観と、弟子たちや一般民衆の価値観が本当に違うということです。見ているところが違う。　神様の視点と人間 の視点。天国の視点とこの世の視点。人が見るのは目先のこと、けれどもイエス様が見るのは、見えないところにある、奥にある本質。視点が全く違うんです。

　　 サムエル記上16章７節に「わたしが見るところは人とは異なる。人は外の顔かたちを見、主は心を見る。」とあります。イエス様が人を見る場合は、その表面ではなく、その心の中を見られるのです。願わくはイエス様のように、見えないところものを見る目、心の目、霊の目をもちたいものです。　クリスチャンになるというのは、そういう事かも知れません。

２． この場面は、イエス様が十字架に付けられる時が間近に迫ってきている時でした。イエス様は、私たち全ての人の身代わりに罪の罰を受けて十字架で死ななければなりませんでした。それがイエス様の使命でした。でも言うまでも無く、その使命を果たすのは簡単な事ではありませんでした。出来れば逃げたい、避けたい。物凄い恐れと戦っていた。
　　 十字架の使命を果たすには、物凄い覚悟と決心が必要でした。　自分がその使命を果たさなければ、人は救われない訳ですから。

　　 そのイエス様の心の中・思い、その重荷は到底、誰にも理解できないでしょう。人知を超えています。でも、到底、誰にも理解できないんだけれども、でも、ほんの少しでも理解してくれる者がいた。それがベタニヤのマリヤでした（ヨハネ12章に名前）。

　　 （3〜5節）。その香油は今で言えば300万円以上もする高価なもの。王様や祭司の就任式に使ったり、死んだ人を葬る時に塗るとか、大事な時に、大事な人のために使うもの。ところがこの時、マリヤはその香油のつぼを壊して、それを全部イエス様の頭、また足に注ぎかけた。すると弟子たちが怒って言った、「なんて無駄なことをするんだっ」。

　　 すぐお金の計算をする人だったら、そう思うでしょう。損得をお金で換算する人。「無駄だ、もったいないっ」って言ったのは、イエス様を裏切ったユダでした。　「もったいないっ、なんでイエス様のためになんか、そんな無駄遣いするんだっ」。でもお金に換えられないものって、あるんじゃないでしょうか？

　　 全財産かけたり、全人生かけたりするだけの価値のあるものを、皆さん持ってますか？
　　 それがイエス様なんですね！


３． マリヤにとっては、全然もったいなく無かったんです！だって、イエス様はこれから自分のために、命を与えて下さろうとしてる訳でしょっ！　自分のために命を与えて下さろうとしているイエス様に、何を献げるのを惜しむんですか？

　　 でも確かに、イエス様の愛の価値が分からないうちは、惜しむ訳です。イエス様を礼拝しに行く時間が惜しい。その労力も惜しい。献金は痛い出費だ、としか思えない。

　　 クリスチャンでっても、イエス様の愛の価値がよく分からない内は、そうでしょう。苦痛な義務にしか思えない。ましてクリスチャンでない人にとっては不思議でしょう。神様のことなんて、礼拝なんて、祈りなんて、献金なんて、無駄に思うでしょう。

　　 でも、神様のために、イエス様のために人生を使うことは無駄ではありません！

　　 むしろイエス様のこと以外に使うものの方が、実は無駄と言えるでしょう。そういう意味では結構、私たちは時間にしろ何にしろ、無駄遣いしてますね。人生の無駄遣い。

　　 もしかしたら人生の全ては、この高価な一瓶のナルドの香油のようなものかも知れません！限られた油を何のために使うのか？　無駄遣いをしてるのは、マリヤではなく、私たちかも知れないっ。人生の全てを何の上に注ぎかけているのか？

　　 マリヤのその心の中、その姿に表れたマリヤの心の動機の純粋さを見られたイエス様は非常に喜ばれたと思います！！！　だって、１節を見ると、イエス様を殺そうとしている人たちがいたり、10節を見ると、イエス様を裏切ろうとする弟子がいたり・・・。

　　 そんな中で、イエス様の思いを少しでも知り、イエス様を愛して、精一杯の、出来る限り の事をしてくれた！これから十字架に向かおうとするイエス様にとって、どれだけ嬉しく、励まされ、また慰められた事でしょう！！！　（6節、8〜9節）。

　　 誰がなんと言ったとしても、その心をご覧になるイエス様は喜んで下さった！！！


４． そして最後にもう一つの事を言いましょう。それは、イエス様も、私たち全ての人間のために、十字架にかかるという事を、命を与えるという事を、無駄だとは思われなかった、という事です！　イエス様は私たちを救うために、苦しみの十字架に付く事を、勿体ない、無駄だとは思われなかった！！！　そうする価値がある！それ程に、私たち一人一人を愛して下さっているという事です！！！



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