2024年4月7日礼拝

2024年4月7日

ダニエル書　1章1～7節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜真の神を現わすために選ばれたダニエル＞

　ダニエル書はいろいろの角度から見ることができます。預言書だから預言の側面でみることができます。ダニエルは素晴らしい信仰者なので、信仰の模範として見ることもできます。異邦の国で聖書の神が生きておられることを証明した側面で見ることもできます。そして、エレミヤの預言の通りに、バビロン捕囚から７０年ぶりに帰ってくる預言の成就の側面でみることもできます。これらのことはとても大事なことではありますが、部分的な側面にすぎません。

　ダニエル書全体のテーマは神の国です。この地の国がしばらく立ち上がりますが、最終的には神の国がこの地に成り立ちます。そのためにメシアが来られます。それを預言するのがダニエル書です。この地の国は一時的なもので、まもなくメシアが来られ、神の国が始まります。神の国は永遠に続くことを預言して、それを証明するのがダニエル書です。ですから、私達はこれからしばらくダニエル書を通して神の国、神の栄光を見たいです。

１．ダニエルの時代、人から見た状況
（１）国の最後が近づきました。
１節はダニエルが生きていた時代の歴史的な背景です。
１「ユダの王エホヤキムの治世の第三年に、バビロンの王ネブカドネツァルがエルサレムに来て、これを包囲した。」
バビロンの王ネブカドネツァルがエルサレムを征服するためエルサレムに来ました。バビロンの王ネブカドネツァルは２、３回に分けてエルサレムを征服しました。少しずつ征服するたびにエルサレムから財宝、宝物を持って行きました。人材も連れて行きました。ダニエルと3人の友達が捕虜になってから、約20年後南ユダは完全に滅びました。

（２）信仰の終わりが近づきました。
　２主は、ユダの王エホヤキムと、神の宮の器の一部を彼の手に渡された。彼は、それをシンアルの地にある自分の神の神殿に持ち帰り、その器を自分の神の宝物倉に納めた。バビロンの王ネブカドネツァルがエルサレムから財宝を持ち去る時、神殿の中にある金や銀の器具も持って行きました。それをバビロンの神殿に持っていて飾りました。こうなると聖書の神よりはバビロンの神々が強いことになります。見た目は聖書の神がバビロンの神々に負けました。

（３）民族の解体が近づきました。
３・・イスラエルの人々の中から、王族や貴族を数人選んで連れて来させた。
４それは、・・王の宮廷に仕えるにふさわしく、また、カルデア人の文学とことばを教えるにふさわしい少年たちであった。
５・・三年間、彼らを養育して、その後で王に仕えさせることにした。
イスラエルの未来の人材がこれからバビロンの民となります。

　神の民がバビロンのために働くことになります。若い時から、バビロンの文学とことばを教えるので、神の民であるアイデンティティは無くなります。このままの状況で1世代、2世代が過ぎると神の民、イスラエルの文字、文学、信仰は歴史から消えます。1世代30年、2世代60年、70年過ぎるとイスラエル民族は歴史から消えます。

（４）生き残りの者は生きる道を模索しました。
　バビロンの王ネブカドネツァルによって大勢の人が死にました。生き残った人達は二つに分かれました。一つのグループはエルサレムやイスラエル全地域に残りました。もう一つのグループはバビロンの捕虜となりました。バビロンの王ネブカドネツァルはバビロンに必要な人たちを連れて行きました。残っている人たちは利用価値が無いと判断しました。

　バビロンに連れ去られた人たちも、エルサレムに生き残った人たちも共通することがありますが、これから必死に生き残ることです。エルサレムに残った人たちは廃墟となったところで、必死に生き残ることです。バビロン捕囚となった人たちも、バビロンで必死に生き残ることです。バビロン捕囚となった人たちが異邦の地、バビロンで必死に生き残るために何をしたのでしょうか？　バビロンの政策に合わせ、バビロンの支配者たちの指示に従うことです。これからバビロンの国から提供されるものを食べて、飲んで、学んで、従うことです。バビロンで無事に過ごすために、バビロンで何とかして生き残るためです。国も亡くなりましたし、聖書の神もいないし、家族も、親戚もいないので、彼らはこれからバビロンで新しく生きることにしました。ダニエル時代の99％以上の人たちがこのような生活をしました。以上がダニエル時代の人達から見た現実でした。しかし、神の国から見ると反対です。

２．ダニエル時代、神の国から見た状況
　南ユダを滅ぼしたのはバビロンのネブカドネザル王ですが、実際は天の神さまです。神のさばきによって南ユダはしばらく滅びました。エルサレムの神の宮の器を持ち去ったのはネブカドネザル王ですが、実際は主が、ネブカドネザル王に渡されたからです。

２「主は、ユダの王エホヤキムと、神の宮の器の一部を彼の手に渡された」
渡された主語は主なる神です。南ユダの人達に信仰が無いので、神の神殿は何の意味があるでしょうか？　主なる神はバビロンの王ネブカドネザルの手を借りて、神の神殿を壊されました。

　バビロンの王ネブカドネザル王が南ユダの優秀な若者を連れて行ったのはバビロンのために働く人材を確保するためでした。しかし、主なる神さまは別の目的でダニエルと三人の友達をバビロンに派遣されました。これから、ダニエルと三人の友達をバビロンの頂点に立てて、彼らを通して主なる神が生きておられることを証明することです。主なる神こそ、現実の中、苦労している信仰の者を救い出してくださることを証明するのがダニエル書です。世界を支配しているのはバビロンではなく、ペルシアではなく、ローマではなく、ネブカドネザル王でもなく、ペルシア王でもなく、ローマの皇帝でもなく、主なる神こそ、真の神であり、主であることをこれからダニエルを通して証明します。

　異邦の国、バビロンで神が生きておられることを証明するために、ダニエルはバビロンの中心部に入りました。もちろん、ダニエルが最初からこれらの任務を理解したわけではありません。彼自身が捕虜となり、国から離れ、家から離れ、故郷から離れ、親から離れ、見知らぬ地バビロンに来た時は大きな悲しみがありました。最初は何をどうすれば良いか分からないまま戸惑いました。

　しかし、彼は一つだけは分かっていました。彼が信じている主なる神は生きておられ、彼を助けてくださることです。そして、彼自身も主なる神を愛し、主のために、主の栄光のために、信仰を守るために命も惜しまないことです。命さえ惜しまないことは極端な生き方ですが、ダニエル時代の人達は極端にならざるを得ませんでした。バビロンで生き残るために極端になるか、信仰を守るために極端になるか？　例えば、ネブカドネザル王が提供するごちそうを食べ、ぶどう酒を飲みながらバビロンで生き残る道があります。もう一つの道はネブカドネザル王の食べ物、飲み物を拒否しても、信仰を守るために命をかけることです。ダニエル書１章では幸いに宦官の長がOKしてくれたので良かったです。最後までOKしてくれなかったら、死ぬしかありません。ネブカドネザル王の食べ物、飲み物を拒否することはネブカドネザル王の命令を拒否することなので、生き残る道はありません。

　ダニエルが神の栄光のために、命をかけたので、神さまも奇跡をくださいました。
９神は、ダニエルが宦官の長の前に恵みとあわれみを受けられるようにされた。
１２「どうか十日間、しもべたちを試して・・私たちに野菜を与えて食べさせ、水を与えて飲ませてください。
１４世話役は彼らのこの申し出を聞き入れ、十日間、彼らを試した。
１５十日が終わると、彼らは、王が食べるごちそうを食べているどの少年よりも顔色が良く、からだつきも良かった。
１７神はこの四人の少年に、知識と、あらゆる文学を理解する力と、知恵を授けられた。
１９王が彼らと話してみると、すべての者の中でだれもダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤに並ぶ者はいなかった。
２０王は、知恵と悟りに関わる事柄を彼らに尋ねたが、・・国中のどんな呪法師、呪文師よりも十倍もまさっていることが明らかになった。
　ダニエルが生きていた時代、生活していたバビロン、彼に与えられている主の仕事は全部極端な事ばかりです。ですから、主なる神も普段はないあらゆる奇跡でダニエルを支えられました。

　私達は信仰者が非常に少ない地域に住んでいます。私達はこれから、信仰者が非常に少なくなる時代を生きます。ですから、表面上、私たちの信仰者は生きづらい、極端な時代になるかも知れません。しかし、だからこそ、神の大いなる奇跡、御業を目撃する可能性は非常に高くなります。私達はダニエルが見た神の栄光を私達も見たいです。主が本当に生きておられることを私達も確認したいです。そのために、私達もダニエルような信仰を持ちたいです。信徒の皆様、皆様もダニエルのような信仰者となりますようにお祈りさせて頂きます。

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