2023年6月4日

イザヤ書　37章1〜15節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 祈りが状況を変える ＞


　ヒゼキヤは祈りの人でした。彼は人間としてできるすべてのことを成し遂げた後、最後は主なる神さまに委ね、祈り求めました。神さまは彼の祈りに応えてくださいまして、正しい現状を教えてくださいました。そして、大事な情報を教えてくださいました。


１．祈りに入る前の状況
　ヒゼキヤ王は担当者から報告を聞いて衣を引き裂き、粗布を身にまとって主の宮に入って祈りました。南ユダの民がヒゼキヤ王を絶対的に信じているので、不信感を抱かせるための偽りの情報を流しました。
イザヤ３６：１４―１７
１４ ヒゼキヤにごまかされるな。あれは、おまえたちを救い出すことができない。
１６ ヒゼキヤの言うことを聞くな。

　アッシリアの王は偽りの約束をしました。『私と和を結び、私に降伏せよ。そうすれば、自分のぶどうと自分のいちじくを食べ、自分の井戸の水を飲めるようになる。
１７ その後私は来て、おまえたちの国と同じような国におまえたちを連れて行く。そこは穀物と新しいぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地である。

　アッシリアの王は偽りの約束をしました。アッシリアの王の約束は約束ではなく、騙しています。南ユダの民も今まで通り、ヒゼキヤ王の言うことを信じるか、征服者アッシリアの王を信じるか、どちらが正しいのか決めざるを得ません。エルサレムの住民はヒゼキヤの言うとおりに何も返事しないで、黙ってはいました。まだ、彼らの王であるヒゼキヤの言うことを信頼しています。ヒゼキヤがここでできるのは最後、祈りしか残っていません。


２．取り成しの祈りを求めるヒゼキヤ
　ヒゼキヤ王は粗布をまとい、祈りました。粗布をまとうことは神さまに切実にあわれみを求める時です。人間は何もできなくて、ひたすら主のあわれみばかり求めているしるしです。ヒゼキヤは彼自身だけではなく、主の預言者イザヤに祈りを求め、現状を伝えました。エルサレムが取り囲まれている中、国として、王として、何一つ手を打てることが無く、死ぬしかない状況です。その絶望をこのように表現しました。「子どもが生まれようとしているのに、それを産み出す力がない」

　運命はまさに、神の御手の中にあります。最後まで追い込まれると神さまからの答えがあります。最後まで追い込まれたことは神さまの答えが近づいたことです。主なる神さまはいよいよ預言者イザヤを通して正しい情報をくださいました。ヒゼキヤの祈りから戦争の状況が急に変わります。


３．祈り始める瞬間、状況が変わる
イザヤ３７：７
「今、わたしは彼のうちに霊を置く。彼は、あるうわさを聞いて、自分の国に引き揚げる。わたしはその国で彼を剣で倒す。」

　「今」のこの瞬間、戦況が変わりました。ヒゼキヤの祈りと共に変わりました。アッシリアの王はあるうわさを聞きました。そのうわさを聞いてから、これ以上エルサレムを攻め続けることができなくなります。攻撃を中断してアッシリアの王は彼自身の国に引き上げることになり、そこで死ぬことになります。

　これは神さまからの正しい情報です。敵陣のアッシリアは誰も知らない情報、南ユダもヒゼキヤ、イザヤ、使者何人以外は誰も知らない最新の情報です。「あるうわさ」と言うものは9節のクシュの王がアッシリア王と戦うために出て来ているという知らせです。

　１８万の軍隊が南ユダに来ていると自国の防衛はどうするのかの問題です。戦争が長期戦になるとエルサレム住民もパニックになりやすいですが、攻めているアッシリアもいらいらします。歴史上、エルサレムを攻めてきた諸国の一番の課題が難攻不落のエルサレムです。アッシリア王はさっさと攻撃すれば良いのに、こんなに長引いてしまった理由はこのように、攻撃したくても、攻撃できないエルサレム地形と関係があります。クシュの王がアッシリア王と闘うために出てきた知らせは正しい情報でしょうか？　正しくても、正しくなくても、エルサレム攻撃は中断して、軍隊を引き揚げなければなりません。戦争の状況が逆転しました。今まではヒゼキヤ王があせていましたが、今はアッシリアがあせています。今まではアッシリアが偽りの情報でヒゼキヤとその民を混乱させました。絶対救われないと脅かしたり、移住させて新しい土地をあげようと誘惑したり、ヒゼキヤを疑わせたりしました。

　しかし、あるうわさを聞いてからはアッシリアが混乱しています。情報戦は霊的な戦いでもあります。今までは偽りの霊がヒゼキヤ王と民を脅かしましたが、祈りによって神の霊が働き始めました。アッシリア王はあせていないふりをしてヒゼキヤにまた、手紙を送りました。１０『おまえが信頼するおまえの神にだまされてはいけない。エルサレムはアッシリアの王の手に渡されないと言っている』

　これからアッシリア王が何を言おうが、それは偽りの情報です。神さまから正しい、正確な、１００％信頼できる情報をすでに得ています。アッシリア王があせて天の神さまを冒涜していますが、彼の終わりが近づいた証拠です。ヒゼキヤはアッシリア王からの手紙を携えて、神殿の中に入り、神さまに広げました。そして、祈りました。
２０ 「主よ。今、私たちを彼の手から救ってください。そうすれば、地のすべての王国は、あなただけが主であることを知るでしょう。」
簡単に言えば、「天の神さま、これはあなたの戦いです」の意味です。

　この戦争は相手が変わりました。今まではアッシリア王とヒゼキヤでした。しかし、これからはアッシリア王と主なる神さまとなります。主なる神さまの戦いなので、戦争の終わり方も不思議に終わりました。３６ 主の使いが出て行き、アッシリアの陣営で十八万五千人を打ち殺した。人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな死体となっていた。
３７ アッシリアの王は陣をたたんで去り、帰ってニネベに住んで、
３８ その息子たちに殺された。

　ヒゼキヤもエルサレム住民も何もやってないのに、急に戦争が終わりました。ヒゼキヤの祈りと民の祈りがすべてを変えました。聖徒の皆様、私たちも心を合わせて祈る時間になったのではありませんか？　私たちの教会のため、私たち自身のため、私たちの未来のために祈りましょうか？



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