2020年5月24日
創世記 28章1～2節
＜ 自分が造った神（偶像）②：ヤコブの歪んだ愛 ＞
聖書の最高の価値も、この世の最高の価値も同じく愛ではないかと思います。聖書は神様の愛を強調しています。神様の愛がはっきり現れたのがイエス・キリストの十字架の愛です。この世の最高の価値も愛で、純粋な愛は私たちの心を癒してくれます。ところで、人間は罪人なので、心に罪もあります。ですから、いくら純粋な愛でも、歪んでおかしくなりやすいものです。異性の愛に執着する人がいます。子どもの時、親の愛が足りなかったので、異性の愛に執着します。しかし、普通の家庭で育てられても愛に執着する人がいます。ですから、生まれ育ちと関係があるようで、関係ないと言えば関係ありません。それより、人間は皆罪人なので、誰でも、執着する傾向があると言った方が正しいです。今日の箇所に出てくるヤコブは確かに家庭環境が良くありませんでした。しかし、来週、語らせて頂くラケルとレアは普通の家庭に生まれ育ちましたが、愛に執着しました。人々から愛を求める、愛に執着する人は自分が造った偽りの神を信じています。本人も辛いことになりますが、となりの人も巻き込まれて、辛くなります。東京教会の中高生の皆様はこれから、大人になって異性と純粋な愛をすると思いますが、人間は皆罪人なので、どこかで純粋な愛が歪んでしまうことはあるかも知れません。その時こそ、イエス様の愛をもう一度思い出して頂きたいです。
１．歪んだ家族愛の中で成長したヤコブ
ヤコブのお父さんはイサクであり、お母さんはリベカです。ヤコブの兄はエサウで、この二人は双子です。エサウは体に毛が多くて、野原に出ていて狩りをするのが好きでした。父はエサウが狩りをしてきた獲物の料理が好きだったので、エサウを愛していました。その反面ヤコブはアウトドアではなくて、静かに家にとどまって、料理することも好きでした。お母さんのリベカはヤコブが好きでした。ヤコブが育った家庭は親の愛が相当傾いていました。神の預言があるのに、それが無視されるくらい相当親の愛が傾いていました。神様の預言は長男のエサウよりは次男のヤコブです。
創世記２５：２３ 「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出る。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう。」
お父さんのイサクは神の預言を無視して兄のエサウを祝福しようとしました。イサクの計画を察知したお母さんのリベカはイサクを騙してヤコブが祝福されるようにしました。夫婦の会話がずいぶん前から無かったようです。神様の預言があるのに、夫婦が何の相談もなく、自分勝手に判断して行動しました。親の傾いた偏愛が４人の家族をバラバラにしました。ヤコブは家から離れました。もう二度と愛するお母さんに再会することはありませんでした。
２．幸せな家庭を夢見たヤコブ
ヤコブは兄から逃げて、両親から離れ、一人ぼっちになって母の実家に行きました。母の実家は親戚ではありますが、心は寂しいです。心が寂しくなると本能的に心を寄せるところを求めます。心を寄せるところを求めているヤコブにラケルが現れました。ラケルは叔父さんの次女です。心寂しかったヤコブは直ぐ、ラケルと恋に落ちました。ヤコブはラケルを愛することで、生きがいを感じました。若い男女が好きになる事は神様の祝福であり、とても自然で、幸せなことです。ラケルの父である、叔父さんがヤコブに「仕事を与えるから一緒に暮らそう」と提案しました。「報酬を与えるから言いなさい」と言われた時、ヤコブはラケルとの結婚を求めました。ラケルと結婚するためにヤコブは7年間も無料で仕事をしました。愛する女性と結婚するため、7年間の賃金は高いでしょうか、適当でしょうか？ ヤコブは高いと思っていませんでした。７年の時間をたったの数日のように思うくらい愛の力はすごいです。
7年が過ぎていよいよ、ラケルと結婚する日となりました。今までの愛が結ばれる日、幸せが始まる日です。父イサクの家と違って、ラケルと幸せな家庭を作ろうと7年間夢見ていたその日が来ました。しかし、その夢は次の朝になると水の泡となりました。次の朝、起きてみるとそばに寝ていたのは妹のラケルではなくて、姉のレアです。ヤコブは親戚の叔父さんに騙されたことが悔しくて、気がおかしくなりそうでした。おじさんの言い訳は姉より妹が先に嫁に行くことはその地方の風習では無い事でした。ヤコブは騙されました。ヤコブは親戚から結婚詐欺に会いました。
３．ヤコブが造った愛という神
それでは、ヤコブには何の過ちもございませんか？ 人間的にはヤコブに何の過ちもありません。ヤコブは１００％被害者です。こんなに悔しいことがありますか？ しかし、神様の観点から見ると彼の中にも何かの問題があります。ヤコブ自身は何が問題であるのかでさえ、分かっていません。彼は愛するラケルと幸せな家庭を作るのが夢でした。ラケルはレアより可愛いから、美しいから、ラケルが好きでした。好きな人と結婚したいのは間違いではありません。美しい女性と結婚したい願いも間違いではありません。
しかし、問題はヤコブにとってラケルと結婚して幸せになるのが人生の全部でした。ヤコブはラケルと結婚するのが人生のゴールでした。結婚はゴールではなくて、始まりです。ラケルと結婚さえすれば彼の運命が不幸から幸せに変わると思っていました。しかし、ラケルと結婚さえすればヤコブが抱えている人生のすべての問題が解決されますか？ 父イサクとの和解、兄エサウとの和解も自動的に解決されますか？ 独身の時の不幸が終わり、幸せな家庭が始まりますか？ 愛する人と結婚さえすれば、運命が幸せになると思っている人は結婚こそ、自分が造った神となります。結婚が絶対的な価値になると幸せにはなれません。
私たちが幸せになるのは結婚ではなく、結婚している相手でもなく、神様が幸せを下さいます。結婚している相手に、神様のような幸せを求めて、「私を幸せにしてくれ」と要求したら、相手は負担を感じて心が離れていきます。ヤコブはラケルを神のように愛していましたが、結局段々ラケルが嫌になりました。ラケルは不妊の女性でしたが、子どもが生まれないので、それをヤコブにぶつけました。
創世記３０：１－２ 「1ラケルは自分がヤコブに子を産まないのを知った時、姉をねたんでヤコブに言った、「わたしに子どもをください。さもないと、わたしは死にます」。2ヤコブはラケルに向かい怒って言った、「あなたの胎に子どもをやどらせないのは神です。わたしが神に代ることができようか」。
ヤコブはラケルが嫌になったみたいです。ヤコブが夢見ていた、愛する人と結婚さえすれば運命変わると思いましたが、何も変わっていません。ヤコブはお父さんのイサクよりは良いお父さんになりたいと思っていました。良い旦那になりたいと思いましたが、思い通りに行きませんでした。幸せな家庭は自分が造るのではなくて、神様が導いて下さいます。自分が神のようになって、家庭問題は何でも上手に、うまく解決すれば幸せな家庭になるのではありません。私たちが父なる神に祈り求め、神様がこの家庭の主となられまして、導いて下さいと御手に委ねる時、主ご自身が幸せな家庭に導いて下さいます。
中高生を初め、若い世代の皆様に特にお願いします。結婚はとても大事なことです。しかし、結婚そのものが皆様の偶像の神となってはいけません。結婚を神様以上に絶対的なものにしてはいけません。結婚する相手に「私を幸せにしてくれ」と言っても限界があります。皆様が求めていた理想的な愛は結局、相手からではなく、父なる神から、そして、イエス様の十字架の愛から見つかることになります。幸せを結婚の相手に求めるとその相手もただの弱い人間なので、プレッシャーを感じて段々心が離れていきます。 幸せになるはずが、逆に不幸の始まりとなります。結婚を神のように大事にすると、それこそ、歪んだ愛となります。結婚して新しく生まれる家庭も大事ですが、皆様のお父さん、お母さんもとても大事です。私たちはまず、イエス様から愛を求めましょう。イエス様に十分愛されている人は人間から歪んだ愛を求めなくなります。
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