2015年9月6日

列王記上　12章1〜16節

　　　　　　　　　　　　　　＜ 二つの助言とそれを見分けられる能力 ＞


　ソロモン王が死んだ後、イスラエルの民が集まって新しい王になるレハベアムのところに来ました。そして、税金を軽くすること、労役も減らしてもらいたいと求めました。それを聞いてレハベアム王は助言を求め、二つの助言を聞きました。
一つの助言は「民は今まで大変だったから民の要求通りに税金を軽くしてあげて下さい」
もう一つの助言は「民の要求を聞いてあげてはいけません。厳しく治めて下さい」

　二つの中でレハベアム王はどちらの助言を選んだら良いでしょうか？　残念ながらレハベアム王にこれらの助言を見分けられる能力がありませんでした。なぜ、彼には見分けられる能力がないのでしょうか？


１．知恵がない
（１）求めなくても、聖霊の知恵を頂いたダビデ
　神はダビデに知恵を与えて下さいました。王として油注がれてから神の知恵も与えられました。

（２）神の知恵を求めたソロモン
　列王記上３：５、９節を参照

（３）神の知恵もこの世の賢さもないレハベアム
　レハベアムには知恵がありませんでした。老人の知恵と若者の知恵とどちらの意見が神からの良き知恵なのか彼自身が判断しなければなりませんが、彼にはまだ、判断できる能力がありませんでした。なぜでしょうか？それは神様の知恵を頂いていないからです。しかも、彼自身も神様に求めなかったからです。父ソロモンから教えられたこともなかったからです。


２．信仰教育がない
（１）ダビデの信仰教育
　歴代誌上２２：１１−１２参照
　ダビデはソロモンのために祈りました。まだ、未熟なソロモンのために色々のことを教えました。彼を呼んで何回も信仰教育をしました。神殿を建てなければならないビジョンも与えました。

（２）ソロモンの信仰教育
　ソロモンは若い時、神に従いましたが、歳をとってからは従わなかったので、その影響を息子のレハベアムも受けました。レハベアムが見て来た父ソロモンの知恵はこの世の悪い知恵しかありませんでした。この世の知恵で生きていく姿を息子のレハベアムが自然に学びました。信仰教育がなかったソロモンからレハベアムのような愚かなものが生まれたのは当たり前かも知れません。

（３）レハベアムの信仰教育
　レハベアム自身が信仰に関して教えられていないので、子どもに教えられるものがありません。彼も子どもに信仰教育をしていません。


３．神の恵みを知らない
（１）ダビデ
　ダビデは神の恵みを知っていました。羊飼いに過ぎない者をイスラエルの王にされた神の恵みを生涯忘れることはありませんでした。

（２）ソロモン
　ソロモンも最初は神の恵みを知っていました。ソロモンは末子です。順番からすると彼が王になるはずはありません。しかも皆が彼の誕生を納得したとは言えないので、彼も最初は謙遜でした。しかし、途中で変わりました。謙遜を捨てて傲慢になりました。

（３）レハベアム
　レハベアムは生まれた時から長男であり、王子でしたので、神の恵みも知らなければ、謙遜も知りません。そのような生まれ、育ちのせいなのか分かりませんが、民を上手に治めることが出来ませんでした。民を愛し、慰めなければならないのに、ただただ厳しく治めるべきだと勘違いしていました。


　 イスラエルが北と南の二つに分かれることは、実はすでにソロモンの時から決まっていました。ソロモンの罪の故にイスラエルの国は二つに分かれなければなりませんでしたが、しかし、それが早まったのはレハベアムの愚かさにありました。



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