2014年12月21日

ルカによる福音書　2章1〜14節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 粗末なラッピング ＞


　クリスマスと言えばプレゼントを思い出します。プレゼントの中身は別としてラッピングは出来るだけ素敵なものにしようとします。見た目も大事だからです。ところが、外見を全然気にしない方が一人いました。その方はイエス様です。 今日の聖書の箇所を見るとイエス様の中身と外見があまりにも天と地の差があります。イエス様の中身は天地万物を造られた神様です。三位一体の御子なる神様です。

　その方がこの世に来られました。み子なる神を覆っている外見は私たちと変わりなく、苦労して、人々に虐待を受け、最後は罪人となって十字架を背負い、血を流し、息が絶えて死んだ弱い人間の姿でした。


１．生まれた時代
　ローマの支配下にあって皇帝がいきなり、人口調査を命じました。ヨセフとマリヤは登録のために北のナザレから南のベツレヘムまで行かなければなりませんでした。ローマの命令に従わざるを得ない時代でした。イエス様の中身は天地万物を支配なさる神なのに、それを包んでいる体はローマ人という人間に支配され、自由がない時代に生まれました。


２．生まれた家庭
　ヨセフの家庭は貧しいところでした。イエス様は一番貧しい家で生まれました。例えば、当時、赤ちゃんが生まれると割礼を受けましたが、割礼を受けるとき、神様にささげものをしなければなりません。ささげものの種類は家計の経済状況に合わせてです。ヨセフとマリヤは一番貧しい人々がささげる鳩をささげました。

　イエス様の中身は天地万物を造られ、すべてのものを所有しておられるお方なのに、それを包んでいる体はこの世の一番貧しい家で生まれました。


３．生まれた時期
　ヨセフとマリヤは婚約していたので、マリヤも一緒にベツレヘムへ行くことにしました。すでに身重になっていたので、ヨセフ一人だけ行くより時間は何倍もかかりました。二人とも本当に疲れる旅でした。旅の疲れがたまっているなか、イエス様が生まれました。

　ヨセフもマリヤもベツレヘムで生まれたら困るなと思ったでしょう。出産のために何の準備も出来ていません。しかも、生まれてからわずか一日二日で逃げなければなりませんでした。イエス様の中身は全知全能の神なのに、明日のことが全く予想できない、変化にとんだ環境で生まれました。イエス様は時間も創造されたお方なのに、時間に制限される人間になりました。


４．生まれた場所
　ローマの皇帝の無理ある命令、ヨセフの貧しさ、生まれる時期などが色々重なって、こともあろうに旅の途中、ベツレヘムで、部屋もなく、イエス様は馬小屋で生まれ、布にくるんで、飼い葉おけに寝かされることになりました。 神の子、メシアを包んでいる体はあまりにもみすぼらしいものでした。

　イエス様の中身は神ですが、外見は弱い人間です。この両極端があるからこそ、私たちは救われます。IIコリント８：９
「あなたがたは、わたしたちの主イエス・キリストの恵みを知っている。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられた。それは、あなたがたが、彼の貧しさによって富む者になるためである。」

　この世の一番低いところに生まれましたので、この世の一番低いところにいる人々でさえ救うことが出来るメシアです。イエス様が一番貧しいところに来られたので、この世の中の一番貧しい人々でさえ救うことが出来ます。当時、無視される地域に住みましたので、この世の中の一番無視されている人々でさえ救うことが出来ます。

　私たちの心がイエス様の愛に満たされているのであるなら、私たちは幸せです。今年のクリスマスは皆様の心がイエス様の愛に満たされますようにお祈りいたします。



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