2014年8月10日

ローマ人への手紙　5章6〜8節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ この世を愛して下さった ＞


　先週からヨハネ3：16節のみことばをみています。今日はこの世を愛して下さった神様を見たいです。ヨハネ3章16節の単語一つ一つを考えていますが、その単語の意味を聖書全体から探すことも良いですが、その前にヨハネの福音書はその単語をどのように使っているのかを探すのが先です。今日は「この世」という単語と「愛」という単語をヨハネの福音書を中心に見ましょう。


１．この世
　ヨハネの福音書１：３を見るとこの世は神様によって創造されました。
１）神様が人間のために造られたところが「世」です。自然界、物理的な場所、地球がこの世です。

２）神様が愛しているのは物理的な場所だけではなくて、何よりもその中に住んでいる人々を愛して、その人々を指して「世」と言います。

　ところが、その人間が、神様によって造られたことすら忘れています。神様の存在さえ認めません。ヨハネ１：１０[世は彼によってできたのであるが、世は彼を知らずにいた]創造者を知らないのが一番大きな罪です。

　この世は物理的な場所だけではなく、サタンが罪と死によって人間の心を支配する霊的に堕落しているところです。この世には神様がいないので、自分自身が神です。ですから、自分のやりたい放題で行動します。自分のやりたい放題で行動する人々ばかりいると互いに衝突して戦うことになっています。私たちはたまに人間が暮らせない堕落したこの世だと嘆くと時があります。

３）ところが、この世に住んでいる多くの人々の中に自分自身がいます。この世には罪が多いですが、その罪が私の中にもあります。私だけ清くて、他の人がたくさんの罪を犯しているのではなくて、私も一つ、隣の人も一つ、皆、一つずつの罪を犯しています。それをプラスするとこの世は罪で溢れます。ですから、この世は私のような一人一人の集まりであり、私自身を意味します。この世の罪は他の人の罪ではなくて、私自身の罪を言います。ですから、「この世」の意味は（１）物理的な場所、（２）そこで住んでいる人々、（３）人々の中に住んでいる私自身です。この世は、この三つを全部指します。
「神はこの世を愛して下さった」という意味は神様が他ではなく、私自身を愛されたことを意味します。


２．「愛して下さった」
　それではこの世を愛することが出来ますか。この世の堕落をよく知っていれば知っているほど、この世を愛することは難しいです。それなのに、神様はこの世を愛してくださいました。それでは愛の意味は何でしょうか。

　ヨハネの福音書が言っている愛は何でしょうか。イエス様が言われた一番大きな愛はヨハネ１５：１３にあります。「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」

１）人間の愛
　人間が出来る最高の愛はローマ５：７です。「正しい人のために死ぬ者は、ほとんどいないであろう。善人のためには、進んで死ぬ者もあるいはいるであろう。」人間はここまでしかできません。

２）神の愛
　しかし、イエス様は罪人のために代わりに死んで下さいました。ローマ５：８で「まだ罪人であった時、わたしたちのためにキリストが死んで下さった」。

　この世の特徴は他人を愛するところではなくて、自分自身を愛するところです。他人のために生きるのではなくて、自分のためにいきるところです。ですから、罪ある人のために代わりに死ぬ愛はこの世には存在しないものです。イエス様は初めてその愛を見せて下さいました。神様がこの世に存在しない愛を初めて見せて下さいましたので、その愛こそ、神様がおられる明確な証拠です。

　この世に存在しない愛が現れたので、その愛を持っておられる方がどこかにおられるはずです。ですから、その愛が神様の存在を示されました。その愛を味わったことがある人は神様の存在を疑いません。その愛は力強いものなので人間を根本的に変えます。今までの罪が出来なくなります。その愛を何とかして実践しようとします。

　イエス様は十字架を背負う前からその愛を弟子たちに見せて下さいました。イエス様が弟子たちに見せて下さった具体的な愛はヨハネ１３：３４−３５です。裏切りユダへの愛。権力争いに夢中の弟子たちへの愛。イエス様を知らないと否定したペテロへの愛。彼らがまだ、罪人であったとき、彼らを友として愛し、命を与えて下さいました。

　 私自身が神様にどれほど愛されているのかを悟ることは非常に大事なことです。神の愛が正しい人格を造ります。愛されていないと思いこんでいると信仰と人格がゆがみます。神様に愛されている自己認識があれば奉仕も、生活も、人格も色々のことが安定します。



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