2024年12月15日
ルカの福音書 2章8～20節
＜ 羊飼いたちのクリスマス ＞
たっだ今、私たちが読んだこの箇所は四つの福音書の中で唯一ルカの福音書に書かれています。
この羊飼いたちは、イエス様のご両親のマリアとヨセフを除いて、一番最初にイエス様のお誕生のお知らせを直接聞いて拝見した人々でした。一体、彼らはどのような人々だったので、神様からこのような、大なる栄光を得ることができたのでしょうか？ 当時主の御使いがイエス様のお誕生のお知らせを教えてくださったところと推定されるところに、これを記念するために羊飼いたちの野原教会という教会が建っています。ここは、現在エルサレムとベツレヘムの間に位置されたラモッラヘルというところで、聖書ではベテ·ハ·ケレムと呼ばれているところです。ここで彼らは遠い昔先祖の時から今までも羊を飼いながら生きているそうです。
では、彼らの先祖たちはどのような人々だったのでしょうか？
ネヘミヤ記3:14 糞の門はベテ·ハ·ケレム地区の長、レカブの子マルキヤが修復した。彼はそれを建て直し、扉(とびら)、錠(じょう)、閂(かんぬき)を取り付けた。イエス様の当時から約450年前ごろ、バビロンの捕虜から帰って来たネヘミヤは、もう崩れてしまったエルサレム城壁を修理し始めました。当時エルサレム城壁にはいくつかの大きな門がありました。例えば、生贄としてささげられる子羊が入って来る羊の門もあり、飲み水が入って来る泉の門もあり、逆にいろんなゴミや糞尿などを出す糞の門もありました。ネヘミヤは、当時その糞の門がある地域に住んでいた羊飼いたちの族長レカブの子マルキヤにこの糞の門を修理させるようにしました。
では、彼らの先祖レカブ人の生活はどうだったのでしょうか？
エレミヤ書35:1 ユダの王, ヨシヤの子エホヤキムの時代に、主からエレミヤに次のような御言葉があった。レカブ人の家に行って彼らに語り、主の宮の一室に連れて來て、彼らに酒を飮ませよ。この時は、ユダがバビロンに滅びる直前でした。当時ユダの王エホヤキムは神様に頼らず、異国の神々と偶像に仕えるなど、神様の前に邪悪な王でした。神様は何度もエレミヤを通して悔い改めるように言われましたが、彼は全然聞きませんでした。すると、神様はエレミヤにレカブ人を連れて来て王の前で酒を飲ませよと命じられました。これは神様がユダの王を悔い改めさせるため、レカブ人の信仰を良い見本として見せるためでした。
さすがに、彼らはどのようにしたのでしょうか？
エレミヤ書35:6 すると、彼らは言った。私たちはぶどう酒を飮みません。というのは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じて、あなたがたも、あなたがたの子らも、永久にぶどう酒を飮んではならない。この命令を下したレカブの子ヨナダブは、彼らよりずっと前に、北イスラエルのバアル崇拝者を一気に追い出した当時の宗教改革家でした。所謂、改革と言いますが、実は命をかけた戦争でした。このように、ヨナダブは神の御言葉に自分の命をかけた人でした。まさに彼が命じたので私たちはぶどう酒を飲みませんと言っているのです。
続けて、彼らはその理由をもうもっと具体的に説明します。
エレミヤ書3:7 「あなたがたは家を建てたり、種を蒔いたり、ぶどう畑を作ったり、また所有したりしてはならない。あなたがたが寄留している地の面に末長く生きるために、一生、天幕に住め」と言ったからです。すなわち、家を建てないで、また種を蒔かないでというのは、一生、羊を飼いながら天幕に住みなさいという意味です。ところが、ぶどう畑を作っり所有したりしてはいけないというのは如何なる意味でしょうか？ イスラエルは今もそうですが、当時大部分の人々はぶどうを栽培しながら生きて来ました。そして、ぶどうを栽培してこそ、お金もたくさん稼ぐことができました。
どころが、なぜぶどう畑を作っり所有したりしてはいけないと命じたのでしょうか？
一番大きな理由は、当時ぶどうに関するすべての利権、すなわちぶどうの栽培から販売まですべての利権を偶像崇拝者たちが持っていたからです。もし、彼らと共にぶどうを栽培していると、どうなるでしょうか。当然彼らと自然に交わるようになり、また自分の利益とも直接関係があるので、当然彼らと同じ立場に立つほかはありません。結局は、彼らと共に食べたり、飲んだりしながら、彼らの信じている偶像までも自然に受け入れることになります。すなわち、同じ運命共同体になるほかはありません。
こんな状況に対して警戒している主の御言葉があります。
詩篇1:1-2 幸いなことよ。悪しき者のはかりごとに步まず、
罪人の道に立たず、嘲る者の座に着かない人。主のおしえを喜びとし、昼も夜も、そのおしえを口ずさむ人。この御言葉のように、彼らは偶像崇拝者と交わらず、彼らの道（立場）に立たず、また彼らと共に座って食べたり飲んだりせずに、主の教えを喜びとし、いつも主の御言葉を守ろうとした人々だったのです。
ところが、皆様、私たちがその教えをただ口ずさんだって私たちの信仰が自然に保たれ守られましたか？皆様はどうなのか分かりませんが、私はどうしてもだめでした。ここでその教えを口ずさむという言葉は原語のへブライ語でハガと言われますが、他の意味がもう一つあります。イザヤ書31:4 ・・獅子、あるいは若獅子が獲物に向かって吼える時、たとえ大勢の人、牧者がそこに呼び集められても、獅子はかれらの聲にひるむことなく・・・
さあ、この箇所でどんな動詞が口ずさむという言葉と同じ、ヘブライ語でハガでしょうか？ それは吼えるという動詞です。皆様、テレビを見ると、ライオンが狩りをする時、どうしますか？最初から吼えるんですか。そうしたら、みんな逃げてしまいますよね。それで、最初にはコソコソ接近します。そして、ある程度近づいたら、猛スピードで飛びついて獲物を捕ります。そして、それと同時に、どうですか、空には鷲が飛び、地面にはハイエナがその周りを回ります。どうしてでしょうか？それを奪って食べようとチャンスを狙っているのです。この時、ライオンはその獲物を奪われないように、彼らを向かってウオンウオンと吼えるんです。
皆様、すでに私たちの中には信仰の種があります。
それは神様が蒔いてくださったのです。それで、私たちはどうすれば、その信仰のとおり、その御言葉のとおり生きることができるか、として毎日聖書も読んだりお祈りもしたりします。そのたびに、私たちを邪魔し、私たちの信仰を奪おうとする、あるものたちがあります。まるで鷲やハイエナのようにですね。この時、私たちは、その信仰を、その御言葉を奪われないように、この若いライオンのように積極的に反応しなければなりません。このように、羊飼いたちは、自分の命のような羊の群れを狼から奪われないためにはどうしなければならないか分かっていたように、主の約束の御言葉を奪われないためにはどうしなければならないか分かっていた人々でした。
こんな羊飼いたちについて神様の評価は何でしょうか？
エレミヤ書35:19 それゆえ―イスラエルの神、万軍の主は、こう言われる―レカブの子、ヨナダブには、わたしの前に立つ人がいつまでも絶えることはない。これが彼らに対する神様の最終の評価です。そして、レガプの子孫たちは神様のこの約束を確かに信じました。私でなければ私の子孫でも、いつかはメシヤの前に立つ日が来るだろうと彼らは確かに信じました。そんな信仰がありましたので、彼らは、当時卑しく扱われていた羊飼いとして生きる ことができました。
今日の箇所でご覧のとおり彼らはいつものように野宿をしながら羊の群れの夜番をしていました。どころが急に主の御使いが現れ、メシヤのご誕生のお知らせを伝えた時、最初には非常に恐れました。しかし、いと高き所で栄光が神にあるように、地の上で平和が御心にかなう人々にあるように と主の御使いの賛美が終わったとたん、彼らは迷わず、メシヤを拝見しに急いで行きました。
一緒に聞きましょうか。
ルカの福音書2:15-16 御使いたちが彼らから離れて天に歸ったとき、羊飼いたちは話し合った。 さあ、ベツレヘムまで行って、主が私たちに知らせてくださったこの出來事を見届けて來よう。そして
急いで行って、マリアとヨセフと、飼い葉桶に寝ているみどりごを捜し当てた。いよいよ到着しました。早いでしょう？実際にgoogle-mapを見ても、エルサレムからベツレヘムまでは約8kmほどしかありません。ですが、エルサレムとベツレヘムの間のどこかに住んでいた彼らは、夜、それも険しい道を走って来たので、ミニマム一時間以上かかっただろうと思います。
この絵はオランダの画家レンブラントが約400年前ごろ描いた敬拝する羊飼いたちという絵です。縦横55*65cmくらいの大きさです。さあ、絵をご覧くださいましょうか。生まれたばかりの嬰児イエス様の前に二人の羊飼いがひざまずいて祈っています。真夜中走って来たので、多分彼らの服は汗とほこりだらけだったのでしょう。そして、彼らの手には何も捧げものはありませんが、心から礼拝をしている様子です。片手にはランプを、もう片手には感謝の祈りをしている人も見えます。何よりも、ランプの光ではなく、最も明るい光が嬰児イエスから出て来て、すべての人々を照らしています。この光は今日、私たちの顔も照らしています。羊の群れを守っていた犬と一緒に走って来た子供もいます。そして、後ろには驚いたように、顔を見合わせて話をしている女性たちの姿も見えます。
とても感激的で感動的な様子です。
誠に感謝と喜びの礼拝をささげる、この羊飼いたちの姿こそ、私たちの失ってしまった姿ではないでしょうか。同時に、私たちが回復するべき姿ではないでしょうか。ご覧のとおり、羊飼いたちは世の中が、皆、眠っている真夜中にメシヤを拝見することになる、とても特別で、驚くべき恵みを経験しました。当時から約700年前ころ、レカブの子、ヨナダブには、わたしの前に立つ人がいつまでも絶えることはない、という神様の御言葉が成就されて、今、その子孫たちは神様である嬰児イエス様の前に立っているのです。
私たちも来週にはクリスマス礼拝をささげることになります。
願わくは、メシヤが来られたというお知らせに迷わず、走って来て礼拝をささげた羊飼いたちのように、私たちも全家族が共に出て来て感謝と喜びの礼拝をささげることができますように、切に願います。そして、ヨナダブに与えてくださった祝福、わたしの前に立つ人がいつまでも絶えることはないという神様の祝福が愛する信徒皆様の家庭の上にも共にありますように、主の御名によって祝福いたします。
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