2024年4月14日
ダニエル書 2章45～49節
＜ 神々の中の神、王たちの主 ＞
ダニエルの時代、南ユダの多くの若者たちがバビロンの捕虜となりました。ダニエルと三人の友達は最初の捕虜となりました。ダニエルが捕虜となってバビロンに捕囚されてから、約２０年後、南ユダが完全に滅びました。そして、バビロンがダニエルを捕虜にしましたが、その時の王がネブカドネツァルです。ネブカドネツァル王はその時代、バビロンを巨大帝国にした人です。メソポタミア地域を統一しました。その後、勢力を拡大して、南ユダを征服しました。そして、エジプトが中東に進出できないように止めました。中東全地域をネブカドネツァルの支配下にした人です。1節を見ると彼の治世の第二年なので、これから周辺の国を征服していく時でした。
南ユダがバビロンによって滅びたので、南ユダの人達の仰も終わりました。南ユダの人達が信じていた聖書の神も存在も無くなったと認識する時代でした。こんな状況の中で聖書の神さまはどうやってご自身の存在をバビロンに現わしたのでしょうか？ 今日はその一部の話です。
人間ダニエルができる事は何一つもない時代でした。神が生きておられることをダニエルの能力では証明できない時代でした。ダニエルはどうやってこんな時代、こんなところで、神が生きておられることを証明できたのでしょうか？ 結論的に、ダニエルが証明できたので、ネブカドネツァルが自らの口で証しました。「４７あなたがたの神こそ、神々の中の神、王たちの主、また秘密を明らかにする方」
今日のお話はバビロンの国で、天の父なる神が生きておられることを神自ら証明なさったことです。主なる神様が生きておられることを、信仰者ダニエルを通して証明してくださいました。
１．何度か夢を見たネブカドネツァル
ネブカドネツァルは治世の第二年、王になったばかりの頃、夢を何度か見ました。多分、同じ夢を何日間も見たのではないかと思います。同じ夢を何回も見るから、無視できなくて、心が騒ぎ、眠れないくらい気になりました。そこで、王は呪法師、呪文師、呪術者を招集しました。呪、呪、呪が続くので、宗教関係者みたいですが、今の時代だと王様を各分野で補佐する補佐官のような人たちです。呪、呪、呪が付いている人たちだから、神秘的な、神的な、未来を予知する能力も持っていたのではないかと思います。ネブカドネザル王が見た夢の意味を解釈できる人たちでした。
ところが、ネブカドネザル王は何を見たのか、夢の内容は教えません。ネブカドネザル王自身が見た夢の解釈だけでなく、何を見たのか夢の内容を示しなさいと無理な要求をしました。解釈は何とか出来ますが、ネブカドネザル王が何を見たのかはどうしても分かりません。王がどんな夢を見たのか、答えられる人がいるのでしょうか？ ですから、呪法師、呪文師、呪術者から見れば悔しいです。人間はできない、神以外に誰もできません。今までいかなる偉大な王様もこんなに無茶な要求をしたことがありません。
応えられない者は全部殺しないという命令もおかしいです。ネブカドネザル王は気が短い人で、性格が激しい人です。4章を見ると精神的にも問題があって、人格も問題があった人ではないかと思います。
けれども、ネブカドネザル王から見れば正しい言い分はあります。夢の内容を言える人はその解釈も信頼できます。夢の内容を言わない者はその解釈も信頼できません。夢の解釈は誰でも、でたらめにできます。バビロンの呪法師、呪文師、呪術者が本当に神の霊が宿っている本物なのか、偽りの物なのか、これで試したいとネブカドネザル王は決めました。偽りの者は要らないので、全部殺しなさいというわけです。こうなるとダニエルと三人の友達も危なくなりました。
ダニエルは90歳くらいまで生きていましたが、若い時から日々がいつ死ぬか分からない生活でした。今回のこの危機はどうやって乗り越えるのでしょうか？
２．ダニエルの危機と克服
神々以外に、それを王の前に示すことができる者はおりませんと知者たちが返事したら、ネブカドネザル王は怒り、大いにたけり狂い、バビロンの知者をすべて滅ぼしなさいと命じました。ダニエルと三人の友達も危なくなりました。
けれども、ダニエルは命が危ない時も落ち着いて、神に祈りながら対応しました。ダニエルはまず、王のところに行って、王にその夢の内容と意味を示すために、しばらくの時間を求めました。ダニエルもここで、主なる神を信じるしかありません。主なる神がネブカドネザル王の夢を見せてくださると生き延びます。主なる神がネブカドネザル王の夢を見せてくださらないとダニエルの人生はここで終わります。
どうせ、死ぬしかない命でしたが、彼は祈りました。主なる神が奇跡を通して助けてくださると信じて祈りました。彼だけの祈りでは足りなので、三人の友達にも一緒に祈ってくれるように願いました。もちろん、それ以外の人達が祈りに加わったと思います。その祈りに主なる神さまが、その日、答えてくださいました。何とネブカドネザル王が見た夢をダニエルにも見せてくださいました。
３．夢の意味
ダニエルは夢の内容と意味を明らかにしました。ネブカドネザル王の頭にあった夢の内容を何とダニエルが明らかにしました。全知全能の神ではないと知ることの出来ないのに、ダニエルに見せてくださいました。
ネブカドネザル王が見た夢の説明は長いですが、簡単に言うと未来のことでした。ネブカドネザル王が寝床で思い浮かべていたのは、これから起こることです。秘密を明らかにされる方が、これから起こることをお示しになったわけです。ダニエルの口を通して世界の歴史を司るお方がおられることを知らせました。ユダヤ人の神、主なる神は生きておられる、真の神の神、主の主であることを神さま自ら証明してくださいました。
ネブカドネザル王が建てた帝国もいつまで続くと思い込んでいますが、神の時間になると次の国が立ち上がり、また、次の国が立ち上がり、最後は永遠に続く神の国が立ち上がることを、ダニエルを通して預言してくださいました。ダニエル書の主題の中で一番の主題は永遠に続く神の国です。
現在はネブカドネザル王が治めています。このネブカドネザル王が選ばれた民、イスラエル全地域を征服しました。このネブカドネザル王が主なる神の宮、神殿まで全部壊します。しかし、それでも、まもなく、ネブカドネザル王の時代が終わって、いくつかの国が立ち上がりますが、いつの間にか亡くなります。最後はイエス様の国、メシアの国、神の国が始まります。そして、神の国は永遠に続きます。これがダニエル書全体の内容を要約したものです。
４．ネブカドネザル王の告白
「神々の中の神、王たちの主、また秘密を明らかにする方」
神の啓示を受けたダニエルが夢の内容と解釈を聞いて、ネブカドネザル王は驚きました。身が震えるくらいの衝撃を受けたと思います。夢の内容もピッタリであることに驚きました。そして、解釈もピッタリです。
ネブカドネザル王は実は未来のことを思い悩んでいました。バビロン帝国は大きくなりつつあるが、これからはどうなるのかと悩んでいました。何をすれば続くのか、どうすれば続くのかなどを悩んでいたと思います。彼は変わり者で、変人のような部分もありますが、真面目に未来を心配して、悩んでいる部分もあります。
彼はダニエルを通して真の神に出会いました。まさに、「肉なる者と住まいをともにされない神々以外に、それを王の前に示すことができる者はいない」と言われたその神の存在に出会いました。
ダニエルがやったのは命をかけて祈っただけです。神様がダニエルをバビロンで用いてくださいました。ダニエルはバビロンで、生涯を通して主が生きておられることを何回も証明しました。ダニエルが生きていた時代は神さまが生きておられることを証明しやすい時代です。異邦の国で、何もできないゼロの環境で、命すら危ない状況で、何一つできないですが、しかし、ゼロの状況だからこそ、主なる神を証明しやすいです。神の全能の助け以外に何もできない時、神さま自ら証明なさいます。
私達も同じではありませんか？ この日本だからこそ、私たちの神さまが生きておられることを証明しやすいところです。この時代だからこそ、私たちの主なる神さまがおられることを証明しやすい時代です。私達が生活しているこのところで、この時代に、主なる神を証明出来たら良いですね。
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