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2024年12月22日
マタイの福音書 2章9～16節
＜ 喜びと悲しみの混じり合いの初クリスマス ＞
私達の一年は喜びと悲しみの混じり合いです。私達の人生は毎年のように喜びと悲しみの混じり合いです。私達の周辺の人達も喜びと悲しみの混じり合いです。クリスマスももちろん、喜びと悲しみの混じり合いです。今日の箇所には一つの家庭は喜び、一つの家庭は悲しみがありました。初のクリスマスもイエス様の誕生の喜びと同時に大勢の子どもが殺される悲しみがありました。
１．博士たちの喜び
１０・・彼らはこの上もなく喜んだ。
１１・・宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
１２彼らは・・自分の国に帰って行った。
彼らはこの2年間、一つの星を研究してきました。自分の国から出発する前、いろいろ迷いました。行くか、行かないか、それでも、行くことにしました。行くことは行きますが、いざと行こうとした時はいろいろの不安がありました。
ひたすら星の導きに導かれ、自分たちの国から相当離れたところまできてしまいました。けれども、紆余曲折の末、最後はその答えを得たので非常に喜びました。最後には自分たちの国に無事に帰ったので、何よりでした。彼らは自分たちの国に着いた後、ベツレヘムで何が起きたのかまったく知りません。幸せと喜びの思い出だけ残って、普段の研究を続けました。まさか、２歳以下の男の子が全員殺されたことは想像もしていません。彼らが余計にヘロデによったのが原因だったこともまったく気づいていません。そんなことを知ってしまったら、罪悪感で相当つらかったと思います。しかし、彼らは自分たちの国に帰ったので、他人の不幸など、全然知りません。ただ、平凡な、穏やかな、幸せな時間を過ごしたと思います。イエス様の誕生を目撃した懐かしい思い出を抱きながら、余生を過ごしたと思います。マタイの福音書2章に博士たちの物語だけ紹介されたら美しい物語です。星を研究する純粋な研究者たちの心温まる物語です。クリスマスメッセージも今まで大体、ここで終わります。
２．命助かるイエス様
イエス様も生まれたとたん、命が危ない瞬間に直面しました。ヘロデがイエス様の命を狙っていると天使からのお知らせがありました。ヨセフの夢にまで現れて、エジプトへ逃げるように指示しました。ヘロデのせいで、危ないことは分かりますし、急いで逃げることも分かりますが、エジプトまで逃げる必要はあるのでしょうか？ ヘロデの残酷な殺戮の手が全然届かないエジプトまで避難しました。相当のお金がかかる、とても長い旅路となりました。ナザレからベツレヘムも遠いのに、さらにはるか遠いエジプトまで逃げました。いつ戻れるかも分からない旅となりました。それでも、博士たちからもらった黄金、乳香、没薬の贈り物がありましたので、大いに助かりました。
生まれたとたん命危ないことはありましたが、天使からの適切なタイミングの指示があり、丁度必要なお金もありました。苦労はしましたが、絶妙なタイミングの主なる神の助けに感謝です。イエス様が主人公なので、主人公は最後まで生きています。イエス様も生まれたときから波乱万丈の生き方でした。
３．何の関係のない赤ちゃんたちの死と悲しみ
マタイの福音書2章は博士たちの長い旅の物語、イエス様の長い旅の物語があります。人生山あり、谷ありなので、いろいろのことを経験する物語です。ところで、１６節のベツレヘムとその周辺一帯の二歳以下の男の子たちの死は何でしょうか？
彼らはなぜ、死んだのでしょうか？ 彼らは何の理由もなく、罪も無いのに、死にました。彼らの親はわけも知らず、耐えられない悲しみと悔しさを味わいました。マタイの福音書2章はイエス様の誕生の喜びの箇所でしょうか？ 大勢の赤ちゃんが殺された悲しみの箇所でしょうか？ クリスマスメッセージはいつも１５節で止まってしまったので、16節の大きな悲しみはふれることがありませんでした。そして、１６節一節しかないので、あまり深く考えることもなく、スルーしてきました。マタイの福音書2章はイエス様の誕生の喜びと大勢の幼子の死の悲しみが混じり合っています。
この小さい命は助かる道はなかったでしょうか？ イエス様を助けるために天使が動きましたが、この罪なき子どもたちのためにはなぜ、何もしなかったのでしょうか？ ヘロデが悪い役なので、全部ヘロデのせいにしてしまえば良いでしょうか？ マタイの福音書2章でヘロデだけが悪人なので、ヘロデだけ非難してしまえば気分はすっきりしますか？
私達はイエス様を信じていて、父なる神を信じています。天の父なる神は何でもできるお方です。処女マリアから聖霊によってメシア、救い主、イエス様がお生まれになりました。そのイエス様をこの小さい町ベツレヘムで生まれさせるためにいろいろの事前準備をなさったお方です。ですから、2歳以下の子ども達を救おうと思えば救われるはずです。彼らを救おうと思えば、数えきれないほど、助けられる方法があるはずです。
全て神さまのせいにしたくはありませんが、生まれたばかりの2歳以下の赤ちゃんを失った親たちの気持ちは誰に向けたら良いでしょうか？ 恨み、悔しさでいっぱいです。時間を逆にさかのぼると幼子たちを助けられる方法がいくつもありました。
そもそも東方からの博士たちに星が現れなかったら、星は見たとしても、博士たちが旅に出かけることをしなかったら、博士たちが旅に出かけたとしても、エルサレムによらなかったら、エルサレムによったとしても、ヘロデに生まれた赤ちゃんのことは言わなかったら、ヘロデに生まれた赤ちゃんのことは言ったとしても、2年前とか、逆算できることは言わなかったら。
旧約を研究する学者たちがメシアの生まれる場所がベツレヘムだと特定しなかったら。博士たちに現れて指示した天使たちがいます。ヨセフにも現れて指示した天使たちがいます。なぜ殺された赤ちゃんたちの両親には現れなかったのでしょうか？ 一言でも言ってあげれば何人かは助かったかもしれません。ヘロデもこの事件の罰なのか、わずか何年間で死にました。どうせ死ぬなら、神さまも、もうちょっと早めに彼の命を引き取られたら、小さい命は助かったでしょう。
いくら過去のことを悔やんで「だったら、だったら」と言っても死んでしまった赤ちゃんは戻ってきました。親たちの悔しさが増えるだけです。イエス様は人々を救われるためにこの地に来られました。イエス様のお名前の意味が救いです。せっかく、救い主が来られましたが、イエス様の誕生と共に大勢の赤ちゃんが死んだことは悲しい出来事です。イエス様がこの地に来られなかったら、その幼子たちは死なずに済んだでしょうか？
４．喜びと悲しみの混じり合う現在
マタイの福音書2章は2000年前の悲しい出来事です。いくら悲しい出来事でも、ただの過去のことであるなら、それもありかなと思います。しかし、残念ながら、2000年前の悲しい出来事は2000年後の今も続いていることは何でしょうか？ 今も私たちの生活の中、人生の中、私達の周辺の人々の中に、喜びと悲しみが混じり合っています。日本の国内にも、世界中どこにも、喜びと悲しみが混じり合っています。悲しい出来事の理由は何でしょうか？ 私達の人間の罪でしょうか？ 神さまはなぜ、悲しい出来事が起こらないように事前に止めてくださらないでしょうか？
いくら考えてみても答えは分かりません。応えは分からないまま、私達の人生は止まらず続きます。「これが人生だから、しょうがない」で終わりにしますか？ この難しくて、重たい課題を私たちの知恵で解決しようとすると答えは見つかりません。確か、現在のこの状態ではまだ答えが見つかりませんが、人生長いので、しかも主が生きておられ、私の中におられますので、私達はイエス様と一緒に生涯をかけて、この人生の難問の答えを探しましょうか？
ちなみにマタイ2章でイエス様が生きて、多くの子どもが死にました。マタイ２７章ではイエス様が十字架で死んで、多くの人々が助かりました。イエス様の死のおかげで、多くの人が助かりました。今もイエス様の十字架の故に、私達は救われました。
喜びと悲しみが混じり合う私たちの人生をこのように表現してみたいです。私達の人生は白黒プリンターではなくて、カラープリンターです。しかも、超豪華な綺麗なカラープリンター。喜びと悲しみ、嬉しさと苦しさ、試練と克服など数えきれないほどの色と濃度で華やかに「交じり合う」、「混じり合う」カラープリンターです。
